今回は企業決算を確認する際に注目すべきポイント、売上高営業利益率について解説していきたいと思います。
目次
売上高「営業利益率」とは
売上高営業利益率とは、企業の稼ぐ力を表す指標の一つであり、営業利益を売上高で割ることで求めることができます。
計算式は以下の通りです。
利益率が高ければ、企業の成長を期待することができ、将来的な株価上昇要因となる可能性があります。
逆に、利益率が低い企業は、従業員一人当たりの労働生産性が低いことを意味し、コスト削減や新たな事業を開拓することでこれの向上を推し進める必要性があるのです

企業の成長性は利益率の変動に注目する
各企業が決算発表をする際、売上高と営業利益が増収となったにもかかわらず株価が大きく下落するケースが多々あります。
そこで重要となるのが、売上高「営業利益率」の変化を確認することです。
営業利益の伸び以上に売上高が続伸していた場合、売上高「営業利益率」が低下し、それが将来的な純利益の伸びに影響を及ぼす可能性があるのです。
四半期決算前の売上高「営業利益率」の変化には注目しておくようにしましょう。
事業別売上高「営業利益率」にも注目しておく
決算での連結売上高「営業利益率」に注目しておくことも重要ですが、各企業が重点項目に掲げている事業の売上高「営業利益率」の変化にも注目しておく必要があります。
新規事業や重点事業は、主力事業に比べ全体の売上高に占める割合が低いため、連結売上高「営業利益率」への寄与度も当然低くなってしまいます。
全体の利益率だけを見ているだけでは、将来的な成長性が向上しているにもかかわらず新たな変化を見逃してしまう可能性があるのです。
事業ごとのデータは決算短信に記載されていますが、利益率自体が乗っているわけではないので、前述の計算式を用い決算データを自分でまとめておくよう心掛けましょう。
慎重に見極めましょう
以上より、売上高「営業利益率」は将来的な株価を予測する上で重要なファクターであり、一時的な要因で上昇しているだけなのかどうか慎重に見極める必要があります。
また、連結売上高「営業利益率」を確認するだけではなく、事業ごとの変化や全体に占める割合がどのように変化しているのかを細かく分析することで銘柄選別の確度を飛躍的に高めることができます。
保有銘柄や投資を検討している銘柄のデータをエクセルで分析するよう心掛けるようにしましょう。(執筆者:白鳥 翔一)