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コロナウイルスの影響
コロナウィルスによって中国市場はネガティブな影響を受けています。
日本でもマスクが市場から消えてしまう騒ぎになりました。
米国市場はコロナウィルスの影響で1月下旬から下げたものの、再び2月初旬から上昇に転じS &P500は高値を追っています。
市場全体へのコロナウィルスの下げは限定的だったという結論になるのではないでしょうか。
しかしコロナウィルスでネガティブな影響が残りそうなセクターもあります。
マカオのカジノセクターはそのひとつ
最近はWynn（ウィン・リゾーツ）がカジノセクターで目立った動きを見せ米国市場でも注目銘柄でしたが、やや苦しい展開になる可能性があります。
カジノセクターで注目のWynnとは？
Wynn（ウィン・リゾーツ・リミテッド）は、アメリカのネバダ州に本社を置く総合型リゾート企業です。
ラスベガスやマカオでスタイリッシュで豪華なカジノリゾートを運営しています。
ラスベガスやマカオではWynnの噴水ショーは有名で多くの観光客が集まります。
運営しているカジノも、フォーマルな雰囲気で大人の社交場を提供しています。
近年LVS（ラスベガス・サンズ）やMGMなどの同業他社のカジノ運営の総合型リゾート企業よりも株価の上昇率が高く、カジノセクターの中でも注目銘柄です。
マカオは約2週間のカジノ営業停止
Wynnはマカオにも力を入れています。
しかしコロナウィルスがネガティブな材料になってしまいました。
コロナウィルスの影響でマカオ政府は
を発表しています。
特に中国の旧正月の時期は、中国本土から特別行政区のマカオに観光客が多く訪れるかき入れ時のシーズンです。
マカオのカジノのビジネスモデルは観光とカジノ運営です。
つまり観光やカジノでお金を使ってもらうことで成り立つビジネスなので、観光客の減少と営業停止は確実に次年度の決算にネガティブな影響を与えそうです。
Wynnリゾートが2020年2月のQ4レポートで期待に届かず
Wynnはコロナウィルスの影響で1月下旬から株価を下げていたものの2月の初旬の決算への期待から下げ止まり、値を戻す展開でした。
しかし2020年の2月5日の決算では市場関係者の期待に届きませんでした。
1.71ビリオンの売り上げ予想に対して決算では1.653ビリオンという結果になりました。
極端に悪い決算ではないものの市場期待を上回ることができませんでした。
マカオのカジノセクターは今後もアジアのカジノと競争で厳しい
特にマカオのカジノセクターはシンガポールやフィリピン、ベトナムなどアジア諸国のカジノとの競争が激化してきました。
2000年代～2010年代前半はアジアでもマカオ以外に大規模なカジノリゾートはなく競合がいませんでした。
しかし現在、シンガポールではマリーナベイサンズ、フィリピンではシティ・オブ・ドリームスやOKADAマニラなどアジア各国にカジノリゾートは増えています。
今後、日本でもカジノが運営されればマカオはますます厳しくなるかもしれません。
Wynnの今後の動向に注目
Wynnはマカオだけではなくアメリカのボストンにも新しいリゾートを開いています。
マカオでもこれまでカジノVIP客への依存から脱却し大衆市場にターゲットをシフトさせる動きがあります。
マカオのコロナウィルスと2月の決算の悪材料で当面、厳しい展開も予想されます。
しかし見方を変えれば安値で買えるチャンスと捉えられます。（執筆者：田守 正彦）
