親が高齢に差し掛かると、ほとんどの場合いつか「入院」を経験します。
筆者の場合も2020年1月9日、80歳の実父が「そ径ヘルニア(脱腸)」で入院しました。
初入院かつ高齢者なので、病院側もカンタンでわかりやすい説明をしてくれすぐ入院できるものと思っていました。
しかし実際は、実母が「ほんまに、病院はなかなか入院させてくれへんなあ」とヘトヘトになり、私が親の横で説明しながら、書類を仕上げ何とか入院に至りました。
そこで今回は、「高齢者の入院が急に決まったとき、押さえておきたい4つのポイント」をサポートする家族目線でお伝えします。
具体的には
・入院前に知っておきたいお金のこと
について、画像つきでお伝えします。
高齢者の入院についての最新事情がわかりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
病院はなかなか入院させてくれない! 説明と同意書の嵐

高齢者が病気で入院するうえで一番困ることは、手続きにおいて説明が多すぎ高齢者には理解できないことです。
この点について4つのポイントを挙げて説明します。
ポイント1. 若い世代が同席して説明を聞くのがおすすめ
80歳にもなると、いくら普段は元気とはいえ、耳は遠くなり理解力も落ちています。
高齢者でも病院側から、容赦なしで延々と長い説明を聞かされます。
耳慣れない言葉の連続で「何が分からない」のかさえもわからず、質問もしづらいです。
結果、分かっていないまま、「はい!」と返事をして帰ってきてしまいます。
手術をするにしても、ドラマのように「先生に全てお任せします」とはいかず、細かな字が印刷された「同意書」に何枚もサインしなくてはなりません。
結局、筆者が間に入って父に説明をし、父が12枚もの書類にサインをしてやっと、そ径ヘルニアの手術を受けられました。
入院時の説明を聞く際には、若い世代が同席して聞くと、スムーズに進むと痛感しました。
ポイント2. 家族(同居の配偶者以外)の印鑑が必要な場合がある

高齢者が入院する際には、同居の配偶者以外の署名と印鑑が必要な場合があります。
付き添いでサポートしに行くなら、念のため印鑑と本人確認書類は持っておくと安心です。
今回の入院では、身元引受人として、筆者(別居している子ども)の署名や押印が必要でした。
そのため入院前の慌ただしいなか、遠方から付き添いに来ていた筆者は印鑑を買いに走りました。
入院する場合は、ぜひ、印鑑を持参しておくことをおすすめします。
ポイント3. 入院生活を快適にしたい場合は差額病室も検討する
緊急入院以外の手術日・入院日が予定されているときは、ベッドの空きがある場合「病室を選べます」と病院側から打診があります。

「差額病室料金」というのが、いわゆる「差額ベッド代」です。
部屋によって料金もかなり違うこと、個室とは限らず4人部屋でも差額料金を払って入る病室があることなどがわかります。
「少しでもストレスフリーな入院生活を送りたい」という方は、要望を伝えて差額病室に入るのもアリです。
筆者の父は一般病室で過ごしましたが、狭いうえに隣の人がとてもうるさくてつらかったと言っていました。
ただし、同意して差額病室に入る場合、「差額病室料金」は高額療養費サポートの対象外で自己負担である点に注意が必要です。
一方で、緊急入院や一般病室に空きがないなど病院側の事情で差額病室に入る場合には料金は発生しません。
うっかり同意書にサインしないように気をつけてください。

ポイント4. 入院準備品は購入前に「レンタルサービスの有無や金額」をチェック
入院が決まると、「あれもこれも必要かなあ」と思いを巡らせますが、先にレンタルサービスについて知っておくと、余計な出費を減らせます。

今回は、5日間入院の場合を例に挙げて「前開きのパジャマが、洗い替えの分もふくめ2着必要」という前提で計算してみます。
パジャマ1着3,000円×2(着)=6,000円
・ レンタルサービス利用した場合
1日110円×5(日間)=550円
レンタルサービスのメリットとしては
・ 定期的にクリーニング済のパジャマと交換してもらえるので、サポートする家族の負担が軽くなる
などが挙げられます。
ぜひ上手に活用して出費を抑えましょう。
4つのポイントを知って、万一の入院に備えよう

誰しも入院や手術はない方がよく、元気なうちはあまり考えません。
しかし、実父の入院を家族として経験し、「先に知っておけばよかった」と感じたことが多かったです。
先に情報を得ておくことで、「いざ入院」となったときに落ち着いて対応できます。
万全の体制で、家族をサポートしたいものです。(執筆者:安藤 環)