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ヘルパーの時間とお金の節約術
介護保険訪問ヘルパーサービスは、限られた時間でケアプランに掲げられる必要な支援を行います。
買い物のサービスでは調理もセットで計画されている場合が多く、時間の配分がなかなか厳しいというのが実情です。
訪問ヘルパーさんたちは時間とお金を工夫し、いかに利用者様が満足いくサービスを提供できるか、日々奮闘していると思います。
別居しているご家族が親の介護に訪問するといった場合も、限られた時間の中でのやりくりが必要になることでしょう。
今回は、短時間で必要な家事を済ませるヘルパーの時間とお金の節約術を紹介します。

調理と洗濯は「同時進行」が時短のカギ
ヘルパーの仕事は主に、買い物、洗濯、掃除です。
利用者がご自分でできないところを行います。
まず、時間の節約に特化してお話しすると、調理をしている時間に洗濯機を回します。
例えば、訪問してからまず先に洗濯機を回し始めます。
同時にお風呂の栓を抜いて浴槽に洗剤をかけます。というような順序で行われています。
買い物の必要がある場合には、このタイミングで買い物に向かいます。
こうして同時進行しながら調理を行い、お料理が完成したらお風呂を本格的に洗いながら、洗濯の脱水を待ちます。
最後に洗濯物を干して、食器類を洗って冷蔵庫の中身を確認して、次回訪問の際の買い物の内容を予測、確認してケアは終了です。
時短かつ買いすぎない買い物の秘訣は「メモ」
訪問介護の買い物のサービスでは、無駄な買い物が出ないように予め何が必要を予測します。
訪問すると利用者の献立の希望や必要な買い物を決めます。
冷蔵庫の中の食材と訪問日のメニューを概ね頭の中で考えながら必要なものをメモします。
メモして買い物に出ることで買い忘れを防ぐことができますし、無駄な買い物を省くことができるので節約にもつながります。
必要なものだけを買いに回りますので、時短になります。
こうして効率よく買い物を済ませたあと利用者宅に戻り、希望や了解を取りながら調理を行うのです。
「ケア時間の長さ=介護費用」だから時短を意識する
訪問ヘルパーが効率よく動くことが出来るということは、時間の節約になるだけではなく必要なサービスを確実に多く受けることにもなります。
訪問介護サービスはご自分で身の周りのことができない利用者にとっては必要不可欠なサービスです。
生活を支えているのですから、終了時間がきたから途中だけど帰りますでは困るのです。
訪問介護に係る費用は介護度に関係なく、かかった時間によって異なります。
介護保険制度が始まって以来、幾度かの改正でヘルパー事業所は存続について困難期がありました。
現存している訪問介護事業所の多くは、老舗で生き残ることが出来ている事業所だと考えられます。
制度を理解し、ケアの内容の充実と時間効率をいつも念頭に置いて訪問ヘルパーは働いています。
昨今はショートステイの利用を安易にしがちですが、住み慣れた家で暮らす手助けをしてくれる訪問介護サービスの利用も一考の価値があるのです。

介護のプロの手順を取り入れよう
同居していない場合、ご家族の介護に時間をとるのは案外難しい問題です。
訪問したときに「なるべく多くの用事を済ませてあげたい」と気をもんでしまうものです。
ご家族の介護のヒントに、介護のプロの手順をぜひ参考にしてみてください。(執筆者:老人ホーム施設長 佐々木 政子)