核家族化が進む現代、親と同居して介護をしているという世帯は少ないでしょう。
親が老いていくことで安否確認、各種手続き、時には入退院などで遠方から親元に頻繁に行き来しなくてはならない機会が増えてきます。
遠距離介護で負担となるのは休暇や身体面、そして金銭面での負担も到底看過できません。
飛行機や新幹線を利用する方も多いでしょう。
少しでも交通費を安く済ませるとうれしいです。
今回は、遠距離介護にぜひ利用したい新幹線・特急の切符のお得な購入方法について紹介します。

目次
新幹線・特急のお得な切符は「えきねっと」で購入できる
新幹線や特急では航空会社とは異なり「介護帰省」という名のもとでお得な切符が販売されてはいません。
しかし、早期予約購入や回数券などで通常よりもかなりお得な値段で切符を購入することができます。
乗車予定日の約1か月前からインターネット上の「えきねっと」というサイトで購入できる「えきねっと トクだ値(お先にトクだ値)」切符では、通常価格の10%~35%、企画によっては50%オフの価格で新幹線・特急の指定券を予約できます。
サイト内で空席を確認しながら指定券・乗車券の予約・購入ができます。

実際の切符は、地域の発券機で自分で発券できます。(発券機のメニュー内容に「えきねっと」で購入した指定席発券機能がついているのかの確認が必要)
えきねっとポイントがたまる
「えきねっと」で切符を購入すると1ポイントで2.5円相当のポイントがたまります。
このポイントはびゅう商品券やSuicaにポイント交換できるだけではなく、駅ビル等で利用できるJREポイントにも換算できます。
また、次から「えきねっと」で切符を購入するときにポイントを利用することも出来るので便利です。
お得な新幹線回数券もお忘れなく
介護は予測ができないこともあり、1か月前から予定を立てられるとは限りません。
その場合は、お得な回数券が必要区間で販売されていないかを必ずチェックしましょう。
出張の多いサラリーマンなどは、新幹線の回数券はいつも利用しているという方も多いです。
何度も同じルートを行き来するのであれば、回数券を利用するのがおすすめです。
介護に疲れていると、新しいことにチャレンジすることがおっくうになりがちですが、1度買い方を覚えてしまえば、次も同じように買うことができます。
いつもどおりに切符を購入する前に、お得な切符を調べてみましょう。
例えば、秋田・東北新幹線区間では「秋田~東京4枚綴り回数券」や「秋田~仙台4枚綴り回数券」が販売されています。
先に紹介した「トクだ値切符」よりも結果的に割引率がお得になる場合もあります。

新幹線回数券はどのくらいお得かを試算
では、実際に新幹線の回数券について通常の切符に比べてどの位お得なのかを計算してみましょう。
ここでは、東北地方と関東間の遠距離介護を想定し秋田~東京間で考えてみましょう。
対象回数券:こまち4枚回数券
販売価格:5万8,080円(大人・4枚)
1枚あたりの価格:1万4,520円 … (1)
通常の切符の価格:秋田新幹線
販売価格 大人1枚あたりの価格:指定券乗車券 1万8,120円 … (2)
(1)と(2)を比較するとその差は3,600円です。
往復では7,200円も差額が発生することがわかります。
※今回は「こまち4枚回数券」の場合です。
回数券は購入から3か月以内が有効期限ですが、例えば、お正月に帰省して春先にまた老いた親の生活の支援で帰省するなどを考えると4枚回数券は有効利用できるでしょう。
回数券と先に紹介した「えきねっと トクだ値」と比較した場合では、片道あたり3,600円得をするためにはトクだ値では20%割引以上の切符を手にいれなければ回数券以上の割引を得られることにはなりません。
20%以上割引される切符を予約できるなら「えきねっと トクだ値」の利用の方がお得ということになります。
インターネットのサイトに待機している時間がとれない、これから何度も帰省するので確実に一定の割引を得たいという方は、利用区間の回数券の存在と割引率を確認してみると良いでしょう。
自分にあった「お得」を探す
「えきねっと」と「回数券」には、それぞれの「お得」があります。
使用頻度や利用区間の商品の内容によってメリットデメリットは個々で異なるでしょう。
やや緻密な計算が必要になり面倒にも感じますが、節約できる金額は想像以上です。
割引切符も考慮して、遠距離介護の計画をたてましょう。
介護費用の軽減が少しでもできたなら、それは心のゆとりにもつながります。(執筆者:老人ホーム施設長 佐々木 政子)