核家族化や景気の低迷で、供養の形態が多様化しています。
残された人がお金に困らないように、生前から葬儀の方法を決めておきましょう。
対象
死後のお金が不安な人
【達人レベル】2.6
お手軽度:★★★★☆
お得度:★★☆☆☆
わくわく度:★★★☆☆

目次
一般の葬儀代は全国平均195万円
「葬儀についてのアンケート調査」(財団法人日本消費者協会・2017年1月)によると、葬儀費用の総額の平均は195万7,000円とのこと。
これは、飲食接待費や寺院費用をあわせた、いわゆる一般葬の金額で、香典返し、寺院や神社などへの謝礼も含んでいます。
この出費は貯蓄の少ない家庭には負担です。
そこで昨今は、家族や親族など、ごく親しい人だけが参加する家族葬が浸透してきました。
小規模な家族葬ならば、100万円程度の費用で賄うことができます。
しかしこの家族葬、参列者が少ない分、香典収入が少なくなってしまいます。
そのため費用面だけでいうと、結果として一般葬と大差ないことがあります。
直葬なら20万円前後で済む
そこで昨今増えてきたのが直葬です。
直葬(ちょくそう)とはセレモニーを執り行わず、近親者が火葬場で火葬に立ち会うだけとなります。
直葬の場合は、20万円ほどでできますので、経済的な余裕のない人や、葬儀を不要と考えている人に選ばれています。
首都圏における直葬の割合は約20%にも及んでいます。
【一般的な葬儀と直送の違い】

直葬は通夜・告別式が行われず、葬儀費用を大幅に抑えられます。
散骨という選択肢も
散骨とは、火葬した骨を粉状にして自然に撒く弔い方です。
自然に還れる、お墓の維持費や手入れの手間がかからないというメリットから、散骨を選ぶ人も増えています。
多くは海での散骨が主流です。
業者にすべて委託する場合は5万~10万円、家族が乗船する場合は10万~40万円程度の費用がかかります。
【達人の裏技】葬儀業界にもIT化の流れが! インターネット霊園という選択
位牌や故人の写真など生きた証を記録しておける、インターネット霊園のサービスが増えつつあります。
パソコンからネット霊園にアクセスし、故人のページに行くと、般若心経などのお経を流すことができます。
また、故人に向けたメッセージを書き込むこともできます。
金額は、初回登録料3,000円、年会費2,000~3,000円が相場です。
供養の形はこのように多様化しています。
費用を抑えることは大切ですが、選択した方法に後悔がないのがいちばんです。
生前から家族としっかりと話しておきたいものです。
【達人の裏技】お墓を建てる予定があるなら、生前墓のほうが節税になる
自分の死後、子どもや配偶者に遺産を相続して、そのお金でお墓を建ててほしいと考えている人、ちょっと待ってください。
遺産の相続には相続税がかかってしまいます。
しかし、お墓や仏壇など先祖を祀(まつる)対象となるものは「祭祀(さいし)財産」と呼ばれ、相続税が課税されないのです。
墓地と墓石の費用は200万円から300万円かかりますから、いずれお墓を建てる予定がある人は、亡くなる前にお墓を建てる「生前墓」のほうが節税になります。
元気なうちにお墓を建てておけば、子どもや配偶者の税負担を軽減させることにつながるでしょう。
本記事は以下書籍から内容を一部抜粋して掲載しております。
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