要支援・要介護の認定を受けた方は、何らかの持病を抱えている方が多いです。
医師から高血圧の指摘を受け、降圧剤を飲み続けている方もいるでしょう。
高齢になると、完治できない病気とうまく付き合うことも大切になります。
基本的に医師の診察は病院で受けるものですが、介護が必要な高齢者の場合は自宅まで往診に来てもらうという方法もあります。
さらに現在は、コロナの影響で「オンライン診療」も広まり、選択肢が大きく3つになりました。
それぞれ、どのような特色があるのかを比較します。
目次
「3つの診察方法」特徴を比較

それぞれのメリット・デメリット・料金の比較をしました。
1. 受診
外来受診とは、病院や診療所で医師の診察を受けることです。
【メリット】
・ 病院によってさまざまな検査ができる。
・ 複数の診療科があれば、一つの病院で完結できる。
【デメリット】
・ 大きな病院ほど、混んでいて待ち時間が長い。
【料金】
・ 1割負担の場合、受診料金は数百円~。
・ 診察時の対応や検査項目にって料金が加算されます。
2. 往診
自宅まで医師に来てもらい、診察を受けることです。
【メリット】
・ 待ち時間がなく、何かあれば臨時往診も利用できる。
・ 移動や待ち時間などの体力的な負担がない。
【デメリット】
・ できることが限られており、精密検査は病院に行かないとできない。
【料金】
・ 1割負担の場合、月7,000~8,000円程度。
・ 基本的に月2回の往診が決められている。
3. オンライン診療
スマホやタブレットを通した診察です。
待ち時間もなく画面を通して診察を受けられます。
またコロナウィルスの影響により、一時的な対応として電話診察も可能になりました。
【メリット】
・ 移動、待ち時間がない。
・ 料金は通常の外来受診と同程度が多い。
【デメリット】
・ 医師が直接目視しないため、細かい部分の確認ができない。
・ 状態が悪くなった時は対応できず、病院受診の指示がある。
【料金】
・ 数百円~数千円
・ 基本的に外来受診と同額程度だが、別途システム料金が掛かる事もある。
在宅介護でお勧めのケース

それでは次に、在宅介護でお勧めのケースを紹介します。
外来受診を続けた方が良い方
既になじみの医師がいたり、専門的な診察を受ける場合は外来受診が良いでしょう。
・ 過去の診療記録(カルテ)が残っている
・ 何か急変があったとしても情報があると対応が早い
移動・交通費などは従来通りかかりますが、病院側が患者の身体状態を把握できているのは重要です。
往診を使った方が良い方
介護度が重い方や、体力的に移動がつらい方には有効です。
・ 生活全体を見て一番良い医療を考えてくれる
・ 24時間体制で連絡が可能
月2回の定期往診が決まっています。
また費用も約7,000~8,000円かかり、さらに臨時往診があれば別途費用が発生します。
外来受診と比べて料金はかなり上がってしまいます。
しかし、病院へ行くのにタクシーやヘルパーが必要な人なら、交通費を含めた料金と往診の料金で比較すると大きな違いはないかもしれません。
オンライン診療があっている方

状態は安定しており、病院へ行っても同じ薬しか出ない方はオンライン診療がお勧めです。
・ 移動や待ち時間がない
・ 受診するためのヘルパー代が掛からない
移動の時間、交通費、ヘルパー代の数千円がかからないのは大きいです。
自分にとって良い主治医を探そう
今回は外来受診、往診、オンライン診療の3種類について、介護視点での特色を纏めました。
それぞれの方法でメリット・デメリットがあるため、ご自分の環境を見直してみてください。
しかし、医療と関わりで1番大切なのは、医師との信頼関係です。
最初に述べたのように、高齢者は完治できない病気と付き合っていくことになります。
病気との付き合い方について、厳しい制限を設けるのか、緩い制限で良しとするのかは、医師と患者家族との話し合いです。
何が1番良い方法なのかを探すためにも、高齢者と向き合ってくれる医師に関わってもらうのが理想でしょう。
自分にとって良い診療方法を選ぶとともに、良い医師とを探すことも心掛けてください。(執筆者:小原 しろう)