副業に介護ヘルパーは向いているのでしょうか。
今は副業を解禁している企業も増えており、副業として在宅ワークやアルバイトを行っている人も多いでしょう。
そこで副業を考えている方に向けて、介護ヘルパーのメリットとデメリットをご紹介します。

目次
副業の視点から見た介護のお仕事
副業の視点から、介護ヘルパーの労働条件を整理します。
施設系
特別養護老人ホーム(特養)、老人健康保険施設(老健)、有料老人ホーム(有料)などの入居施設では、身体介護ができるスタッフを募集していることが多いです。
・ 時給は一般的なアルバイトよりやや高め(首都圏で時給1,200円~1,300円が多い)
・ 無資格未経験でも働けるが、介護度が重く体力的に厳しいこともある。
・ ローテーション制の勤務が多く、朝食や夕食時の求人募集が多い。
時間の融通がきかないことが多く、副業の条件が厳しいかもしれません。
通所系
デイサービスといった高齢者の送迎をする事業所では、スタッフやドライバーを募集しています。
・ 時給は一般的なアルバイトと同程度(首都圏で時給1,100~1,200円、ドライバーは1,200円前後)
・ 体力的には施設系よりも負担が少ない。
・ 無資格未経験でも働ける。
・ 1日を通して勤務できる人や、入浴担当・送迎ドライバーの募集が多い。
短時間勤務の募集は少なく、入浴や送迎ドライバーとしてなら可能かもしれません。
施設系と同じく、ローテーションで勤務時間固定が多いです。
在宅系
高齢者の自宅へ行く訪問介護の事業所では、身体や家事の両方できるヘルパーを募集しています。
在宅系の場合、2種類の雇用形態があります。
(1) 通常のアルバイト(パート)としての雇用
・ 時間給で働く一般的な雇用形態。(首都圏では時給は1,000円~1,100円程度が多い)
(2) 登録ヘルパーとしての雇用
・ 働いた時間のみ給与が発生し、次の訪問先までの移動時間は給与は出ない。(首都圏では時給1,500円~。2,000円以上の募集もあり)
登録ヘルパーの時給は一見すると高いのですが、移動時間は給与が発生せず30分単位で仕事が発生する場合もあります。
額面通りにうまく稼げないかもしれません。
また仕事をするには資格が必要なので、資格取得のお金と時間もかかってしまいます。
その反面、在宅への訪問介護は体力負担が低く、職場の人間関係によるストレスはかなり少なくなります。
短時間だけ勤務したい人には交渉しやすいのも特徴です。

副業で介護職をするなら
筆者の主観ですが、副業で介護をするなら施設系・通所系から入るのがお勧めです。
施設・通所系は無資格未経験でも働けるため、就業のハードルが低いのが特徴です。
最初はこれらで介護技術の基礎を学ぶと良いでしょう。
介護への興味が沸けば、初任者研修を受けて在宅系でのお仕事をお勧めします。
初任者研修の資格を取るには、5万~10万程度の費用と勉強する時間が必要です。
資格を得るのは大変ですが、1回取ってしまえば仕事はずっと続けられます。
そして在宅系の介護がお勧めの理由は、今後20~30年で施設よりも在宅のニーズが増えると予想されるからです。
また単独で動くことが多いため、人間関係のストレスが少ないのも特徴です。
将来に向けて手に職をつけるなら、在宅系の介護スキルも大きなメリットがあります。
興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。(執筆者:介護業界15年で複数の介護施設を統括 小原 しろう)