コロナ禍の株高にあって、上昇が際立っているのが米国NASDAQ市場です。
非接触やリモート、在宅勤務、巣ごもり需要などがウィズコロナ時代のキーワードですが、いわゆるIT系企業への新規需要が強く期待できる環境変化の時代です。
それらの世界トップ企業が集まる米国NASDAQ市場のうち、NASDAQ100に注目して構成銘柄や投資のタイミング、おすすめETFをご紹介します。
目次
世界中の投資資金を集める米国NASDAQ100の魅力
米国NASDAQ市場は3,000社以上が上場しており、今後成長が見込める新興企業が多く所属しています。
中でも時価総額上位100社を集めたNASDAQ100指数は、ウィズコロナの時代に適合した会社ばかりが集中する指数となっており、第二派・第三派のコロナ流行期が到来しても上昇が期待できる投資クラスです。
先ずは、勝ち組と言われる構成銘柄を見ていきましょう。
NASDAQ100の構成銘柄
NASDAQ100指数は1985年から算出されており、NASDAQ市場に上場している非金融業の時価総額上位100社によって構成されています。
構成銘柄は次の通りですが、GAFAMを始めとするテクノロジー系企業や電気自動車のテスラモーター、ソフトウェアのアドビシステムなど、IT系企業が全体の7割を占める構成です。

NASDAQ100の株価推移
ITバブルの前、1998年からの株価推移は、こちらのグラフです。
ウィンドウズ98が発売された1998年からは約12倍、ITバブル最高値からも約2.4倍と乱高下しながらも大きく成長していることが分かります。
2015年にITバブル最高値を更新してからは、アマゾンを代表とするネット通販やネットメディアが進化したこともあり、成長の速度が早まりました。
そこに来てのコロナ禍、S&P500と比較しても、NASDAQ100の成長スピードは際立っています。
構成銘柄がウィズコロナ時代に適合している証拠であり、ITバブル期と違って既に黒字経営となっている企業が多いことも、今の躍進を示す特徴です。


S&P500に比べコロナショックの下落幅が小さかったNASDAQ100でしたが、9/2の最高値(年初来42.2%)から6営業日(9/11)で15%下落するなど過熱感があり、2か月後に迫った大統領選挙を控え、ここ数か月は調整局面が続く見通しです。
ではこれから投資するには、どのタイミングで始めれば良いのでしょうか。
投資タイミングは10月
米国大統領選挙の年は、選挙月の前月である10月に株価が下落することが知られています。
今後30日間の価格変動を予想するVXN指数も、4月以来の40前後となってきました。
VXN指数とは:NASDAQ100の今後30日間の価格変動をオプション価格から指数化、大きいほど乱高下が予想される。

既にコロナ禍の株高で9月に入ってすぐに調整局面を迎えたことを考えると、10月には相応の下落局面が到来し、11月の選挙終了後には年末ラリー(株価の上昇局面)が期待できます。
これから投資を始めても、10月からの参戦であれば遅くないと思われます。
おすすめETF2選
具体的なNASDAQ100への投資方法として、米国NASDAQに上場しているETFと東証に上場している円建てETFをご紹介します。
どちらもNASDAQ100指数に値動きが連動するETFとなっています。
【QQQ】インベスコQQQ NASDAQ米ドルETF

米国株式を取扱う証券口座の開設が必要となり、米ドル建てでの取引となるETFです。
取引時間も米国市場時間となりますが、リアルタイムな値動きに対応できます。
【1545】NASDAQ-100 ETF 東証円建て

このETFは東証上場のため為替リスクはあるものの、日本時間での売買が可能かつ外国株式投資用の口座を開設することなく手軽に投資が始められます。
デイトレーダーのような売買手法ではなく、大きな流れを捉える投資手法であれば適した商品です。
なお日本時間の夜間となる米国取引時間における乱高下には、対応できないデメリットがあります。
NASDAQ100は、コロナ禍が落ち着いても色あせない銘柄が詰まった指数です。
ただし値動きは大きく、配当も1%未満のため、コアな投資手法というより投資資金の一部を充てるサテライト投資に向いている投資クラスです。
来年にかけて勝ち組(IT系企業)にお金が集まり、負け組(空運、金融系企業)には集まらない「K字」型の回復が見込まれる環境にあり、総合的な株価指数投資だけでは果実が得られないことが想定されます。
その中で、ウィズコロナ時代の成長を捉えるNASDAQ100を選択肢の1つとして、年末ラリーを期待しましょう。(執筆者:銀行・証券・保険業界に精通するシニアプライベートバンカー 中野 徹)