高齢になると加齢に伴い、多かれ少なかれ病気を発症しやすくなります。
その時に負担となってくる費用の1つに「医療費・薬剤費」が挙げられます。
病気の治療や悪化防止のためにも病院やお薬とは長く付き合っていかなければなりません。
今回はそれらの費用を節約するために、抑えておきたいポイントについてご紹介します。

目次
1. かかりつけ医を決めておく
体調不良を起こした際に病院へ行くと、医師から現在の症状や受診までの経過を確認されます。
その上で検査などを行い病名を解明していきますが、その際に自分が予想していた病名と違う診断を受ける事もあります。
それに納得ができず、自分が思う診断をつけてくれるまで病院を受診し続けたり、時にはインターネットなどで調べた名医に診てもらうために受診をする方もいます。
確かに病気や症状によってはセカンドオピニオンを求めて他の医療機関に受診する必要もありますが、その分医療費はかかってきます。
そこで、かかりつけ医を決めておけば、定期的に自分の身体状態を診てくれているため変化に気づいてもらえやすくなります。
また、病院に初めて受診する時は再診料より割高な初診料を支払う必要があるので、初診料を節約できます。
病院は何軒も渡り歩く「はしご受診」ではなく、なるべく少ない軒数にまとめる事で医療費の節約につながります。
2. できるだけジェネリック医薬品を選択する
ジェネリック医薬品とは、新薬が発売されて一定期間経過した後に開発される医薬品の事です。
先発医薬品と有効成分や用法・用量は同じです。
先発医薬品の特許切れ技術を参考に作られている医薬品のため、先発医薬品よりも料金が抑えられている事が特徴です。
また、単なる後発の薬ということだけが知られがちですが、先発医薬品を発売している際に発見、指摘される飲みにくさなどを解消するために、錠剤に着色したり、口に入れたら溶けやすくなるようにするなどさまざまな工夫を施して発売している事も多いのです。
そのため、内服の自己管理が難しくなってきている高齢者の方には特におすすめできるものであると言えるでしょう。
飲みやすさと合わせて、ジェネリック医薬品は先発医薬品の価格の2~7割程度に抑えられるため、薬剤費の節約につながります。
内服薬は種類によっては一生使用しなければならないものも存在します。
月に数百円の節約であったとしても長期に渡れば大きな節約になります。
処方される薬をできるだけジェネリック医薬品にしてもらう事も薬剤費の節約につながるため、おすすめポイントと言えます。

3. 残っている薬の量を把握してから処方を受ける
処方された薬は用法・用量を守って使用する事が原則ですが、うっかり飲み忘れてしまう事もあります。
また、定期的に飲むのではなく「〇〇時」など頓用で処方される薬を処方される事もあるでしょう。
そんな時は、次の受診に行く前に残っている薬の量を把握しておき、薬が残っている事を医師に伝えてみてください。
内服の内容が変わっていなければ、残っている薬の量に応じて処方する日数を減らした内容の処方箋を書いてくれます。
それによって減らした日数分の薬剤費を節約する事につながります。
もし、医師に言いにくいようであれば、かかりつけ薬局の薬剤師に残っている薬がある事を伝えてみましょう。
処方箋を書いた医師に確認を取り、医師の了承が取れれば薬の量を調整してくれるはずです。
もちろん、薬剤費を節約するために自分の判断で勝手に内服を止めてしまう事は危険ですので、避けてください。
残っている薬の量を把握してから処方を受けるという事も節約につながるため、実践してほしい方法の1つです。
通院時に見直してみましょう

高齢になると医療費や薬剤費は若い頃に比べて増加する傾向にあり、その負担は年金生活となっている高齢者にとっては、大きな負担になる事も少なくありません。
病気を患っている高齢者の方は、今よりも悪化させない、健康的な生活を送ることをできるだけ長く続けられるよう医療費・薬剤費を上手に節約することを心掛けていきましょう。
次の通院の時に、まずは1つ見直してみましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)