近年の住宅はピッキングができないドアや、ガラスを積層させた窓ガラスなど、防犯性能の高い建材を使用されていることも珍しくありません。
一方でこうした建材は価格が高く、空き巣などに万が一破壊されてしまうと、修繕に大きな費用が発生します。
「火災保険」は盗まれた家財の補償だけでなく、侵入によって引き起こされた建物への損害もカバーできます。

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一戸建てが空き巣に狙われやすい
2019年、都内では4,550件の侵入窃盗事件が発生していますが、その内半数以上が一戸建てやマンションなどへ侵入です。
中でも一戸建ては地上などの低層階にあることと、マンションなどの集合住宅に比べて住民の目が少ないことから標的とされやすく、侵入窃盗の約35%が一戸建てで発生しています。
空き巣の侵入経路は主に「窓」
窓ガラスが合わせガラスなどの防犯性の高いものになっていた場合でも、侵入をあきらめる抑止効果はあまり高くありません。
無施錠の場合はそのまま侵入されてしまいますが、鍵が掛かっていたとしても窓ガラスを割っての侵入が試みられ、玄関であっても採光のためのガラス窓が狙われるケースもあります。
仮に侵入を防げたとしても、窓ガラスや玄関ドアにダメージが生じていた場合には交換、修理が必要です。
防犯性能の高い玄関ドアや窓ガラスは交換、修理費用も高く、窓ガラスの場合でも大きさや構造にも左右されますが1枚当たり数万円が相場と言われています。
玄関ドアの場合は、十数万円以上の金額が掛かってしまう恐れもあり 、侵入を防げたとしても大きな費用負担が生じてしまいます。

火災保険の盗難補償は家財と建物を補償
火災の保険で盗難を補償してもらえるというのはイメージしにくいかもしれませんが、多くの火災保険では補償範囲です。
火災保険による盗難補償には、家財や建物が補償範囲に含まれており、高額な防犯性能の高い玄関ドアや窓ガラスも補償してもらうことが可能です。
一方家財の補償には一定の制限があり、現金や宝石・美術品、1組30万円以上の高価な家財は補償額に上限があったり、契約に際して事前の届出が必要となる場合があります。
予算がないからと破損か所をそのままにしてしまうと、また別の侵入窃盗を誘因してしまう恐れもあります。
多くの世帯で加入している火災保険を上手に使い、盗難の被害をカバーできるようにしていきましょう。
盗難の補償を速やかに申請するため、高価な品物は購入履歴を保存しておくことや、火災保険の契約内容から補償範囲を確認しておくことをおすすめします。(執筆者:菊原 浩司)