新新型コロナで、介護施設が大変な状況になっています。すでに、クラスターが出た施設もあります。
高齢者が感染すると重症化しやすいために、感染予防策としてほとんどの施設が外部との接触を遮断したり、制限しています。
高齢者を守るためには外部との接触を断つことは大切ですが、問題は家族や親戚、知人と会うことができないので孤独や不安がつのる人がいるということです。
それが原因で体の調子がおかしくなったり、外部からの刺激がないので認知症が進むというケースも出てきているようです。
施設だけではなく自宅で暮らすご老人も同じで、新型コロナが怖くて出歩けなくなってしまうなかで、引きこもったり痴呆を発症してしまうケースも出てきています。
しかも、同居の場合には家族と高齢者の双方にストレスがたまり、虐待につながるケースも出てきているようです。
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目次
国際アルツハイマー協会の警告と勧告
こうした状況に対して、ロンドンに本部がある国際アルツハイマー協会では、やってはいけないことは
と警告しています。
反対に、やってみたほうがよいこととして
・ 手洗いを忘れないように家のあちこちに張り紙をしておく
・ やりすぎない程度に体を動かし、運動をする
・ 毎日の日課をできるだけこなさせる
・ ニュースを見たり読んだりするのは、1日に1~2回にする
を勧めています。
私は、母が高齢で遠方にいてインターネットなどは使えない人なので、あらかじめセッティングしたタブレットを渡して「電話がなったらテレビ(タブレット)の前に座って、青いボタンを押す」というルールにして、1日に1回はスカイプで通信しています。
以前は電話でしたが、映像が出たほうが嬉しいらしくニコニコと話をするので、見ている私も安心します。
施設でバイトできれば、さまざまな情報を得られる
という声をよく聞きます。
施設見学では、熱を測って正常かどうかを確認したり、マスク、消毒はもちろんですが、見学できる場所が限られていたり、ビデオで見せるというところもあるようです。
また、入居希望が半年後、1年後などの人については、見学を断っている施設もあるようです。
施設といっても、パンフレット見ているだけでは良いのか悪いのか、本当のところは分かりません。
現在は、新型コロナが蔓延しているので難しいかもしれませんが、コロナが去った際にぜひおすすめしたいのが、パートのような短時間の仕事でもよいので施設で働いてみることです。
働く側に立つことで経営者の方針もよく分かるし、「見た目と中身」が違うというケースもしっかりと見抜けます。
パートをしてみるのがよい理由は、そこで働いている人たちと仲良くなれるということです。
パートが難しいようであれば、ボランティアのようなかたちで何らかの関わりを持つというのもよいことでしょう。
介護の現場で働いている人は、自分の働いている施設だけではなく他の施設の情報もかなり持っています。
親しくなれると「〇〇苑は、理事長一族が金を握っていて、設備が老朽化している」とか、「△△園の園長は、クリスチャンで信心深く、施設は古いけれど暖かな接し方で職員にも入居者にも評判が良い」というような、施設の見学をしただけでは分からないことも教えてもらえるのです。
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1月から「介護休暇」が1時間単位のカウントになっている
会社で働いている方がじっくりと腰を据えて施設を探すとなると、会社を休まなくてはならなくなります。
介護に関しては、
「介護休業」
「介護休暇」
「短時間勤務等の措置」
「所定外労働の制限」
「時間外労働の制限」
「深夜業の制限」
などのいろいろな制度がありますが、要介護状態で介護しなくてはならない家族のいる方が会社を休むために使えるのは「介護休業」と「介護休暇」です。
「介護休業」
「介護休業」は対象家族1人につき3回まで、通算で93日まで休めます。3回に分けて取れるので、介護でまとまった時間が欲しい時に使うとよいことでしょう。
パートやアルバイトであっても入社後1年以上働いているなどのいくつかの条件を満たせば取得可能です。
休業中には「介護休業給付金」が出ます。給付額は賃金の2/3ほどです。
「介護休暇」
これまでは、「介護休暇」は半日単位となっていたので、1時間の「介護休暇」を取っても半日とカウントされていました。
しかし、今年1月からは、この「介護休暇」が「改正育児・介護休業法」で1時間単位でカウントされることになりました。
ケアマネージャーさんとの打ち合わせで、出社時間を1時間遅らせるといった場合には便利です。
1日8時間勤務の方が1時間ずつ取るとしたら、8回×5日で40回取れることになるからです。
ただし、仕事の最中に1時間だけ中抜けして取るということは、基本的にはできません。ただし、会社で承認しているところは大丈夫です。
また、「介護休暇」は無給です。会社によっては、有給にしてくれているところもあるようなので、詳しくは会社に聞いてください。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)