高齢者の増え方は右肩あがりです。
現状のままでいくと、介護する側のマンパワーが足りないことは周知されています。
そのため、国を挙げて認知症予防、介護予防、介護サービスの充実や介護ボランティアの育成に注力しています。
「本人は自宅で暮らしたい」「介護をしている家族を施設に入所させたいけど、お金がかかる」と思っている方もいるでしょう。
そこで今回は、近くにあったらまず検討してほしい、小規模多機能型居宅介護事業所について紹介します。
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目次
小規模多機能型居宅介護事業所とは
小規模多機能型居宅介護事業所は2006年に登場した、比較的新しい介護サービスです。
国の基準に基づき要支援者や要介護者となった高齢者で、在宅での生活が継続できるように支援する施設です。
利用料金は定額制です。
デイサービス(通い)やホームヘルプ(訪問介護)やショートステイ(泊まり)を組み合わせ、自宅での生活の支援や機能訓練といったサービスを一体的に提供してくれます。
自宅で介護をしている家族が、急用で施設に預けたいというときも柔軟に24時間365日対応してくれる施設です。
介護度に応じて定額で何度でも利用が可能
デイサービスやショートステイ、ホームヘルパーのサービスを単体で利用の場合にはそれぞれに費用がかかりますが、小規模多機能型居宅介護事業所の場合には、月額定額で利用できます。
ただし、食費、宿泊費、日常生活費は別料金です。
要支援1~要介護5までの方が、定額で何度でも利用できます。
例えば、月1回通いを利用しても、30回利用しても同じ料金なのです。
小規模多機能型居宅介護の定額費用は介護度によって異なります。
負担は1割~3割で、利用者の所得に応じて変わっていきます。
目安は下の図を参照してください。
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「通い」「泊り」「訪問」と一体のサービスが受けられる
1つの事業者と契約するだけで「通い(デイサービス)」を中心として、要介護者の様態や希望に応じて、「訪問(訪問介護)」や「泊まり(ショートステイ)」のサービスを、組み合わせて利用できます。
顔なじみのスタッフがおり、通い慣れてる施設に泊まり環境の変化がありません。
そのため、ショートステイで慣れていない施設に泊まるよりストレスがかかりにくくなります。
急に利用したいときに利用できる
家族が急に仕事などの用事ができて介護ができないという場合など、必要な状況に合わせて介護サービスの利用が可能です。
例えば、
・ 本人をこの時間まで預かってほしい時は「通い」
・ 留守にするので自宅に来て様子を見てほしいという時は「訪問」
・ 遠方に行くので連れてくのは大変というときは「宿泊」
というように、柔軟な対応が可能になります。
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家族にも本人にもメリット大
利用する本人は自宅で暮らすことはもちろん、定額なので利用料金の心配もなくなり、家族の介護負担の軽減や仕事も継続できます。
介護認定されないとサービス利用ができないので、介護認定がまだの場合は介護認定申請をしましょう。
それぞれの介護サービスを別々の事業所で利用するよりも、一貫したサポートが可能になりますので、1番本人にとってもメリットが大きいといえます。
お近くに小規模多機能型居宅介護事業所がある場合には、ぜひ選択肢の1つにおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)