クレジットカードの比較において重要な数字が「ポイント還元率」です。
0.5%と1.0%のカードがあれば、後者のほうが優れたカードです。
ですが、年間決済額によってポイントボーナスが得られる場合、これで還元率が逆転することもあります。
ポイントボーナスによって価値が増大するクレジットカードをご紹介します。

目次
1. ポイントボーナスで実還元率アップの例(エポスゴールドカード)
ポイントボーナスの例として、インビテーションにより年会費永年無料で持てる「エポスゴールドカード」が最適なので、これを用いてご説明します。
エポスゴールドカードは還元率0.5%と、平凡な数字です。
ですが、年間利用額に応じたポイントボーナスがあり、利用額によってたちまちトップクラスの還元率となります。
次の通りです。
【エポスゴールドカード】(基本還元率0.5%)

修正還元率の計算式には以下を用いました。
エポスゴールドカードの場合、モバイルSuicaや楽天Edyへのチャージも年間利用額に含めてもらえるため、達成しやすくなっています。
ポイントボーナス狙いの注意点
どのカードにも共通する、一般的な注意点を挙げます。
・ 年間利用額がボーナスを得られる額よりさらに高い場合、上位のカードのほうがいいかもしれません。
・ お得度の試算には、一般グレードのカードと比較のため、年会費も考慮しましょう。
エポスゴールドカードの場合、年間200万円使っても、ポイントボーナスは1万が上限のため、修正還元率は1.0%に落ちてしまいます。
年間200万円も使う人なら、年会費を支払っても、上位のエポスプラチナカードへのグレードアップを検討する余地があります。
それから、高い年会費とポイントボーナスが相殺される点も考慮に入れましょう。
エポスプラチナカードのポイントボーナスと、年会費を考慮した還元率です。
【エポスプラチナカード】(基本還元率0.5%/年会費・招待の場合2万円)

(年間利用額 × 基本還元率 + ポイントボーナス – 年会費)÷ 年間利用額
年間300万円使う人なら、年会費を考慮してもなお、プラチナがゴールドを上回ります。

2. ポイントボーナスの大きな「ジャックスカードプラチナ」
ジャックスカードプラチナは年会費は2万2,000円と、エポスプラチナカードと同様に「格安プラチナ」のカテゴリに含まれる1枚です。
「年会費を支払ってもそれ以上のリターンを得たい」戦略家に向いたカードです。
コンシェルジュサービスなど機能の充実したプラチナカードですが、ステータスではなく、実益の側面から捉えてみましょう。
【ジャックスカードプラチナ】(基本還元率1.5%/年会費2万2,000円)

※正確にはポイントボーナス付与ではなく、年間利用額により還元率がアップする仕組みです。
これだけではありません。
さらに年間利用額に応じた特典もあります。
「Jデポ」という、ショッピング利用額に充当できる金銭的価値をもらえるのです。
ポイントボーナス、Jデポ、さらに年会費(2万2,000円)を控除した、最終的な数字を出してみます。
年間利用額 Jデポ(円相当)年会費控除後最終還元率

(年間利用額 × 修正還元率 + Jデポ – 年会費)÷ 年間利用額
年間200万円使うと、年会費を考慮しても、一般的に還元率が高いとされる1.0%より高い数字を出すことがわかります。
ただし、100万円以下の利用であれば、年会費を取り返せません。
モバイルSuicaへのチャージでもポイントが貯まるのは、ジャックスカードのメリットです。
3. ドコモユーザー、かつ年間利用額の大きな人に向いたdカードGOLD
dカードGOLDにも年間利用額に応じたボーナスがあります。
dポイントとは違う金券ですが、dショッピングやメルカリで使えますから、使いみちに困ることはありません。
【dカードGOLD】(基本還元率1.0%/年会費1万1,000円)

ベースの還元率が高いため、年会費を考慮しても優秀な数字です。
もともとドコモユーザーに対する独自の還元(ドコモ料金の10%)が大きなカードですが、新料金プランahamoとの組み合わせでは価値が低く、カードの価値もやや低下しました。
ですが多額を使うユーザーにとっては、今なお大きな価値があるといえます。
4. ポイントボーナスで年会費を取り返せるセディナゴールドカード
セディナゴールドカードには、一般デザイン以外にキティちゃんデザインもあり、要注目です。

ポイントボーナスはあるものの、還元率が劇的に向上するほど高い数字ではありません。
年会費(6,600円)はある程度取り返せるのでご紹介します。
【セディナゴールドカード】(基本還元率0.5%/年会費6,600円)

年に150万円を使うと、ボーナスを含めたポイントが1万500円相当となり、年会費を取り返します。
セブンイレブンやイオン・ダイエーでポイント3倍など、普段使いにも向いたカードです。
モバイルSuicaへのチャージでポイントが貯まるのもメリットです。
還元率の計算の際はポイントボーナスもお忘れなく
クレジットカードのポイントボーナスについて見てきました。
ジャックスカードプラチナなどが、実は年会費無料のカードを上回る還元率を叩き出すのです。
年間利用額の多い人は、プラチナやゴールドも積極的に検討してみてください。(執筆者:沼島 まさし)