家族を介護していく中で、思っていた以上にお金がかかる、そう思っている方も多いのではないでしょうか。
先が見えない中でお金が減っていくことは、とても不安なことだと思います。
自宅で安心して介護を続けていく為に、金銭的負担が軽減する方法がないか考えていきましょう。
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目次
1. 同じサービスでも料金が違ってくる
デイサービス・デイケアの通所系サービスは、利用人数の規模や利用時間、利用内容によって料金が変わってきます。
要介護度3の方、1割負担で朝9時から16時半までデイサービス利用した場合
要介護度3の方、1割負担で朝9時から16時半までデイサービス利用した場合を見ていきましょう。
・ 通常規模のデイサービス 896円
・ 大規模Ⅰのデイサービス 858円
・ 大規模Ⅱのデイサービス 826円
通所系サービスの規模は、前年度の月の延べ人数によって決まります。
通常規模 → 大規模Ⅰ → 大規模Ⅱの順番で人数が多くなり、それに伴って料金は、安くなっていきます。
さらに、どの規模の通所系サービスでも利用時間が短いほど、利用料金は安くなっていきます。
施設と自宅間の送迎も、ご家族で行うとその分料金が安くなります。
また、厳密にいえば、施設の立地で単価が、人員配置などで加算が変わります。
わずかな差ですが、毎月のことですので、利用施設の種類や利用時間、送迎の有無などを再検討してみてはいかがでしょうか。
2. 利用施設の特徴でもかかるお金が変わってくる
例えば、通所系サービスで豪華な食事を提供している施設の場合、その分食費が高くなります。
また、手芸などの作品作りに熱心な施設では、材料費が多くかかることもあります。
外出行事などお金がかかる行事が多い通所系サービスもあります。
通う先に楽しみがあることはもちろん大切ですが、積み重なると金銭的な負担になる可能性もあります。
他に興味が持てるプログラムを提供しているところがあれば、併用するなど考えてみても良いでしょう。
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3. ショートステイの部屋タイプ
実費であるショートステイの部屋代は、泊まる部屋のタイプが、
・ 従来型の多床室(もしくは個室)なのか
・ ユニット型の多床室(もしくは個室)なのか
によって料金が変わります。
日用品代などの負担が必要なところもあります。
過ごしやすい施設を選ぶことも重要ですが、ひんぱんに長期利用するようであれば、実費部分も意識した施設選びをしましょう。
4. デイサービスのキャンセル料
また通所系サービスの場合、急な予定変更などでお休みする時に、キャンセル料が発生する施設もあります。
体調の急変時などはキャンセル料不要というところもありますが、前日連絡で50%、当日連絡で100%、前日までの連絡で1,000円など、料金は施設によってさまざまです。
キャンセル料とは別に、食費は全額負担という施設が多いです。
いつもの病院受診などでお休みするなど、予定が分かっている時は早めに施設に連絡しましょう。
こまごまとした金額ですが、1年を通してみると大きな差になります。
見直せるところがあれば、見直しましょう。
5. お金のかからない公的サービス
「もっとサービスを利用したいけど、金銭的にもうこれ以上利用できない」などの場合は、地域で何か利用できないか検討してみましょう。
例えば、認知症の方と一緒に認知症サロンに参加したり、身体の弱りを感じている方には地域の健康教室の利用などが考えられます。
ごみを捨てに行けずに困っている方は、民生委員に地域で協力してくれる方がいないか相談し、紹介してもらうことも可能です。
介護保険が示す在宅介護の流れとしては、
というものです。
特に地域で利用できるものを積極的にケアプランに取り入れていくことが進められていますので、地域で利用できるものがないか、ケアマネジャーや民生委員などに相談してみましょう。

6. 介護保険のサービスを使用しないことでお金がもらえることもある
要介護度4~5の方で、1年以上介護サービスの利用なく自宅介護をしている同居家族の方には、家族介護慰労金が支給されます。
支給金額は、市町村によって異なりますが、1年分でおおよそ10万円です。
あてはまる場合は、市町村の窓口に問い合わせましょう。
また、他におむつなどの購入補助が受けられる場合もあります。
受けられる補助がないか、ぜひ市町村の窓口に相談してみましょう。
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ポイントを押さえて介護費の負担を見直そう
介護をしていく中で、かかるお金を少しでも減らしたいと思った時に改善できるポイントについて紹介しました。
介護はいつまで続くかはっきりとしないものです。できれば、金銭面で無理することなく続けていきたいと思われる方が大半ではないでしょうか。
安易にサービスを変えることはおすすめしませんが、利用限度額を超えている、金銭面に不安があり、サービスの見直しを検討しているなどの方は、ぜひ参考にしてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)