自宅での介護、続けていくことが難しくなってきている気がするけれど、今から施設に入るとお金が続くか不安がある、そんなお悩みを持たれている方もいるのではないでしょうか。
在宅介護の負担が大きくなってきたという場合でも、介護サービスによる頻繁な見守りや支援を利用することで、家での生活を可能にできることがあります。
今回は、施設入所の前に検討してほしいサービスや制度をご紹介します。
目次
多方面からのフォローが充実の小規模多機能型居宅介護
金銭的な問題や要介護度の関係で通所介護や訪問介護を必要な回数を利用できていない方は、小規模多機能型居宅介護の利用をおすすめします。
小規模多機能型居宅介護(以下:小規模多機能)とは、通い・訪問・泊りが1か所の施設で受けることができる介護サービスです。通いはデイサービス、訪問は訪問介護、泊まりは、ショートステイにあたります。
どのサービスも、同じ小規模多機能勤務の職員によって提供される為、安心感があるというメリットがあります。
通いと泊りは、1日の利用人数が決められています。
小規模多機能としての定員にあたる、登録利用者数も決められています。
各施設の状況によりますが、午前中通い、夕方訪問、朝訪問、午後通いなど各サービスを組み合わせることができます。
希望するサービスを細かく組み合わせることができるので、要介護度が重くさまざまな手助けが必要な方はもちろん、1人暮らしで頻回な見守りや入浴などのちょっとした手助けが必要な方にもおすすめです。
利用料金は要介護度によって異なりますが、通い・訪問・泊りをどのように組み合わせても、1か月固定料金になります。
費用の注意点としては、泊まりの宿泊費や食費、通いの食費などは自費の為、利用した分だけ費用が掛かるという点です。
健康に不安のある方は「看護小規模多機能型居宅」
また、小規模多機能のサービスに訪問看護の機能を加えた看護小規模多機能型居宅という介護サービスもあります。
この介護サービスは訪問看護が利用できるので、健康状態に不安がある方や医療の必要が高い方におすすめです。
頻回な訪問を希望するなら定期巡回・随時対応型訪問介護看護
要介護から利用できる訪問介護・訪問看護のみの介護サービスです。要支援では利用できません。
通常の訪問介護で認められていない安否確認のみの訪問や365日24時間、緊急時の対応が可能です。
1人暮らしで、毎日の安否確認や服薬の確認、緊急時が心配などの方におすすめです。
また、短時間の身体介助が中心の支援となるので、頻回なおむつ交換等が必要な方にも利用しやすいサービスです。
訪問介護のみでの利用や訪問介護と訪問看護を組み合わせた形で利用することができます。
利用料金は月額定額のため、何度利用しても料金は同じです。
訪問介護のみの利用、訪問介護と訪問看護両方の利用では料金が異なり、訪問介護・訪問看護の両方を利用する方が金額は上ります。
参照:あすならホーム(pdf)
障がい者手帳を持っている方は、障がい福祉サービスと併用可
障がい者手帳を持っている方は、介護サービスで足りない部分を、障がい福祉サービスを利用できる場合があります。
市町村の担当部署で、障がい福祉サービスを利用する手続きとケアプランにどんな障がい福祉サービスを利用するのか記載し、市町村の担当部署に認められることで利用できます。
介護サービスにない内容もあるので、現在の障がい支援区分でどのようなサービスを受けられるか確認が必要です。
またその際は、担当のケアマネージャーと介護サービスと障がい福祉サービスをどのように組み合わせるのか良いのか相談しましょう。
介護サービスと障がい福祉サービスを併用することで、在宅生活を続けられる可能性がある方もいますのでぜひ検討してみてください。
参照:大阪市(pdf)
在宅生活を続けるために
今回は、施設入所の前に、在宅生活を続けるための方法を見てきました。
在宅での介護を続けていくために無理は禁物ですが、施設入所の前に在宅生活において金銭面、介護面での負担が少ない方法を考えてみるのも1つの方法です。
介護サービスをどのように利用していくかは、介護を担っている方の事情によってそれぞれ違います。
施設入所を決める前に、ご自分にあった在宅での介護サービスの利用方法をもう一度見直してみることも忘れないようにしましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)