一昔前と違い、ペットは家族の一員としてとても大事にされています。
高齢者の方も犬や猫などのペットを飼っている方も少なくありません。
ひとり暮らしの高齢者の方がペットを飼っていた場合に問題となるのが、急な入院などの際にペットのお世話をどうするかです。
近所に家族が住んでいればお世話に通えますが、離れて住んでいた場合など毎日のお世話は難しいものです。
家族の家に一旦引き取ると言う選択もありますが、ペット禁止のマンションやアレルギーなどで、引き取れないと言うことも考えられます。
今回は、お世話に困った時、頼りにできるペットの預かりやお世話サービス等を紹介します。
目次
かかりつけの動物病院の預かりサービス
かかりつけの動物病院がある場合は、その動物病院でも預かりサービスや併設のペットホテルなどがないか確認してみましょう。
預ける場合には、1年以内の診察歴やワクチン接種などが必要になる場合があります。
料金は、預かる動物の種類や大きさによって異なります。
例 1泊2日の場合
ネコ・小型犬 3,500円
中型犬 4,500円
参照:ペットホテルしっぽ動物病院
散歩をしてくれたり、フードやおやつが持ち込みできるところもあります。
かかりつけの動物病院であれば、万が一、預かり中にペットに体調不良が現れた場合でも、別料金とはなりますが対応してもらえる為、飼い主や家族も安心して預けることができます。
ペットを預ける際にはワクチン接種や診察歴があるか等確認が必要となりますので、普段から飼い主に、かかりつけの動物病院や診察歴、ワクチン接種歴を確認しておきましょう。
動物病院でのワクチン接種や診察など、おざなりにしている高齢の飼い主の方もいますが、いざという時に動物病院での預かりが使えず、遠くの家族が毎日通って世話をすることになってしまいます。
普段からの少しの意識で、金銭的・時間的な損を回避できることがあります。
日頃からペットの動物病院の情報を共有するなどをしておきましょう。
魚など、動物病院で預かりが難しい場合はペットシッター
魚など、預かりが難しい場合はどうしたら良いのでしょうか。
ペットが神経質の場合も長期間ペットホテルなどに預けることもためらってしまうことでしょう。
さらに数匹ペットを飼っている場合には、ペットホテルなどに預けると金額が高くなってしまいます。
そのような場合は、自宅でペットの世話をしてもらえるペットシッターがおすすめです。
例 60分利用した場合
60分の基本コース、小型犬1匹 3,000円、2匹目から1,200円、小動物1匹3,000円、小動物の追加料金600円です。
参照:日本ペットシッターサービス 料金プラン
魚など、飼い主以外にはお世話がよく分からないペットに関して、プロのペットシッターがお世話してくれると一安心です。
また、ペットシッターにお世話を教えてもらうことで、家族でお世話ができるようになったり、自宅に移動する方法が見つかることもあります。
複数匹飼っている場合は、ペットシッターを利用することでペットの環境を変えず、ペットホテルに複数匹預けるよりも料金が安くすみます。
ペットシッターは、自宅でペットの環境を変えることなく、お世話を継続できることが魅力です。
24時間見てもらえるわけではありませんが、1日1回様子を見てもらいお世話をしてもらえるだけでも家族の負担が軽減します。
ペットシッターがいない時間のペットの安否が気になる場合は、ペットモニターなどの利用を検討してみるのも1つの方法です。
また、飼い主が家にいない間に他人が家に入ることになる為、不安に思われることもあるかもしれません。
そのため、事前準備として何社か利用し、信頼できるところを選んでおくこともおすすめです。
動物保護をしているNPO法人などの団体の引き取り保護
飼い主が長期間にわたり自宅に戻れなかったり、家族にアレルギーがあり預けられない、金銭的な負担が難しいという場合は、NPO法人などの動物保護を行っている団体の引き取り保護を利用する方法もあります。
犬猫だけでなく、ウサギやハムスター、インコなども引き取り可能な団体もあります。
引取り後は里親募集を行い、里親に引き取られるまでは団体で過ごしますので、その間は面会可能な場合もあります。
引き取りの際には、飼育費の一部として、寄付をお願いされる場合が多いです。
例 犬猫の場合
成犬 小型1頭につき、2~10万円 中型 5~25万円
成猫 1匹につき5万円
高齢犬 1頭につき10~40万円
高齢猫 10~15万円
この他、ワクチン接種や避妊手術で別途費用がかかる場合もあります。
猫 ワクチン代 3,000円など
参照:NPO法人 みなしご救援隊 犬猫譲渡センター 引取り・保護にかかる費用
飼い主にとってペットは大切な家族ですので、きちんと面倒を見ることが当然ですが、どうしてもお世話することができなくなる場合もあります。
最終手段として、団体の引き取り保護も考えておくことも必要になることもあるでしょう。
お住まいの近くにある団体の引き取り保護時の寄付金額や引取り後の状況等を確認し、万が一の時に備えておくことも、重要です。
万が一の時に備えて話し合っておきましょう
今回は、いざという時にペットを預ける方法をご紹介してきました。
それぞれに、メリット、デメリットがあるほか、ペットの種類や性質で取れる手段も変わってきます。
注意点としては、ペットが他害の可能性が高いと預かりやお世話サービスの利用が難しくなってしまうという点です。
外で飼っている場合は、近所の人に見守りや餌やりをお願いできる時もあるかもしれませんが、他害があるとそれも難しくなってしまいます。
飼い主は他害を問題と思っていない場合でも、家族が飼い主にいざという時に預かりサービス等を利用できない、ペットにとっても良い状況ではないことを話し、専門家に他害について相談するようにしましょう。
ペットも大事な家族です。
途切れなくお世話をしていく為に、ペットを飼っている高齢者の家族は事前にペットの情報を飼い主と共有し、飼い主がいない時のお世話の方法を決めておくことをおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)