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これからの認知症介護には地域で支える「認知症サポーター」をうまく活用しよう

シニア 介護
これからの認知症介護には地域で支える「認知症サポーター」をうまく活用しよう

現在、認知症の方も地域で暮らしていく仕組み作りが行われています。

認知症になると、できないことが増えていきますが、他者の助けがあれば、まだまだできることもあります。

認知症による困りごとがある場合には、介護保険のサービスを利用することができますが、身体が元気で、身の回りのことが何とかできる認知症の方は、介護度が低く、安全な生活や本人のサポートをするためのサービス量が確保できない場合もあります。

そのような時には、地域で認知症の方をサポートしてくれる「認知症サポーター」を利用することをおすすめします。

今回は、認知症の方を地域で支える「認知症サポーター」について紹介していきます。

地域で暮らしていく仕組み作り

認知症サポーターとは

認知症サポーターとは、認知症サポーター養成講座を受講し、そこで得た認知症に対する正しい知識と理解によって、地域で認知症の人やその家族をできる範囲で手助けしていく人のことです。

認知症サポーターになるには「認知症サポーター養成講座」を受講する必要があります

認知症サポーターは、地域社会だけではなく認知症の方にとって、手助けが必要になる銀行やスーパーなどの従業員にもいます。

認知症サポーターは、認知症の方ができないことをサポートし、認知症の方が地域で生活していく手助けを行います

認知症の方の買い物を手伝ったり、家族が認知症ではないかと思い、どうしたら良いか迷っている方の相談に乗ったり、認知症の方も参加できる場を増やすなど、いろいろなことを行っています。

認知症サポーターを活用することで、認知症になってもその人らしい生活を送ることができます。

認知症の方の支援では、プロである介護サービスを使うことも必要ですが、サービスを利用していない時間をどのように過ごしていくかも重要です。

買い物や服薬、通院など、認知症になっても今まで行ってきた生活習慣は続いていきます。

すべてを介護サービスでサポートすることは難しいほか、家族のフォローを得られない方もいます。

地域で今までどおり生活していく上で、認知症サポーターを利用していくことがポイントとなります。

参照:厚生労働省 認知症サポーター

実際に認知症サポーターを活用するには

地域で認知症の方を支える際には、認知症サポーター養成講座の次の段階である「ステップアップ講座」を受講した認知症サポーターが支援の中心となり、地域包括支援センターやかかりつけ医、スーパーや金融機関などと連携して、「チームオレンジ」として行っていきます。

地域で認知症の方を支える

≪画像元:認知症サポーターキャラバン チームオレンジ

チームオレンジの立ち上げや各専門機関との連携は「コーディネーター」と言われる人が行います。

コーディネーターは、認知症市域支援推進員や市区町村担当課職員が兼務している場合があります。

チームオレンジには、本人やその家族、コーディネーターや認知症サポーター、かかりつけ医や地域包括支援センター、スーパーや金融機関など、様々な人が所属し、地域で認知症の方がその人らしく暮らしていけるように、サポートしていきます。

まさに、地域まるごとで、認知症の人の生活を支えていく仕組みと言えます。

家族が認知症になるということは誰にでも起こりえることです。

お互いの支え合いが必要な時代になってきているのです。

介護サービスだけでは、介護度によって利用できるサービス量に限りがあります。

また、サービスを利用すればするほど、お金もかかります。

介護サービスで、認知症の方の生活すべてをサポートすることは難しいことです。

チームオレンジや認知症サポーターを活用することで、介護サービスではカバーしきれない認知症の方の生活をカバーすることができます

では、実際に取り組まれているチームオレンジの例を見ていきます。

地域のチームオレンジ活用例

チームオレンジ

≪画像元:認知症サポーターキャラバン チームオレンジ

認知症の方やその家族、それぞれの悩みがあります。

チームオレンジや認知症サポーターを利用することで、さまざまな人から支援が受けられる為、今まで思いつかなかった解決法が見つかったり、思わぬところからの力添えをしてもらえたりします

〇瀬戸市のチームオレンジの取り組み

認知症の方のやってみたいことややりたいことに対して、オレンジサポーターができる事をマッチングさせ、個別の支援活動を行っています。

個別活動例

認知症の方の「足腰が弱ると家族に迷惑がかかるので、歩くのを続けたい」という願いをオレンジサポーターとともに散歩をすることで、実現させている。

相談対応ができる居場所づくり例

病院内に月2回、誰でも訪れることができる認知症に関する相談対応可能な居場所を開設しています。

また、開設日にはハンドマッサージ教室などを実施し、訪問しやすくしています。

各市区町村でも、チームオレンジとして、認知症の普及啓発活動を行うほか、認知症カフェなどに同行する取り組みが行われています。

チームオレンジからの支援があることで、したいことをあきらめることなく続けることができたり、認知症への不安や悩みが軽減します

介護サービスではなく、近隣の認知症サポーターの力を借りる為、介護サービスの利用に抵抗のある認知症の方もサポートを受け入れやすいという傾向があります。

参照:瀬戸市 認知症サポーター・チームオレンジ

まずは利用について相談しに行きましょう

認知症になると、1人ではできないことも出てきますが、誰かの手助けがあれば今まで通りの生活を継続していくことができます

認知症の方のサポートは、家族だけで抱えこむと大変です。

本人が家族以外の人を嫌がるからなど、サポートを利用できずに困っている家族の方もいるかと思います。

また、金銭的な余裕がなく介護サービスの利用料金が気になり、サービス利用に踏み出せない方もいるでしょう。

しかし、家族だけで介護を続けて共倒れになってしまったり、何か大ごとが起こってしまっては、大変です。

チームオレンジや認知症サポーターは、認知症の方やその家族の希望、生活事情に寄り添った支援をおこなっています。

最初の一歩として、地域包括支援センターや担当窓口にチームオレンジや認知症サポーターの利用について相談しに行くことをおすすめします。

《佐々木 政子》
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佐々木 政子

執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子 佐々木 政子

ケアマネージャーを7年経験して、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロです。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきたいと思います。我が家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう! 寄稿者にメッセージを送る

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