2023年4月1日から、自転車に乗る際は、ヘルメットの着用が努力義務となっています。
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致死率約2.3倍増
警視庁のデータによると自転車による死亡事故の中で約7割の方が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを着用していない場合、着用している場合と比べると致死率が約2.3倍も高くなっています。
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≪画像元:警視庁≫
ついつい今までの習慣でヘルメットを着用していない高齢者の方をよく見かけます。
しかし、命を守るためには、ヘルメット着用が望ましいです。
東京都の条例では、高齢者の親族や同居人は、自転車に乗った時のヘルメットの着用などの助言をするように努めなければならないと決められています。
昨今の高齢者の自転車事情は、高齢者だけの問題ではなく、家族のサポートも必要という時代といえます。
今回は、安全に自転車に乗るために準備が必要な物について、ご紹介していきます。
高齢者におすすめのヘルメットとは
自転車用のヘルメットとして、望ましいのは、安全性を示すマークである、SGマークやJCFマークがついている物です。
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≪画像元:警視庁≫
一般的なヘルメットをイメージされると、服装に合わない・かっこ悪い等でかぶりたくないなと、着用を躊躇されると思いますが、おしゃれで、ぱっと見、帽子と変わらない物もあります。
帽子風 ふだん着ヘルメット
硬い印象のヘルメットは街乗りの際には抵抗があるという方は多いものです。
帽子デザインになっているヘルメットはほかにもいろいろと販売されています。
キャップ風 カジュアルヘルメット
ありそうでなかったキャップタイプのヘルメットです。
外からは、ヘルメットが見えない為、とてもおしゃれです。
¥7,433
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
両方ともツバがついた帽子の中に、ヘルメットが入っているタイプです。
反射材がついて、軽量コンパクト設計になっています。
ヘルメットをかぶるとおしゃれではない為、いやだと思われる高齢者の方もいますが、帽子風のヘルメットであれば、目立つことなく被ることができ、走行中の安全を確保することができます。
身体を守る為に身に着けるものですので、買ったは良いがなんだか気に入らない、いちいち被るのが面倒などとなり、結局かぶっていないとならない為にも、安全性が高く気に入った物を購入しましょう。
自治体によっては、ヘルメット購入の補助がある
SGマークなど、しっかりとした安全性の示されたヘルメットは高額です。
しかし、自治体によっては、ヘルメットの購入代金の補助を行っています。
【例】兵庫県 自転車ヘルメット購入応援事業
住所地が兵庫県の65歳以上の方、子育て世代、学生を対象に、SGマーク・JCFマークなどがついている安全基準を満たしたヘルメットを対象としています。
給付額は、ヘルメット1個につき上限4,000円分となっています。
補助があることで、安全性とデザイン性が高い高額なヘルメットを購入してみようかと思われる方もいるのではないでしょうか。
また、補助金を利用すると金銭的に余裕がなくて購入できなかった方も、ヘルメットを購入できるようになります。
家族内の高齢者の方が、金銭的なことを理由に購入を渋っている場合は、お住まいの地域にヘルメット購入補助があるか確認し、ある場合は補助があることを伝えましょう。
そして、一緒に購入と手続きを行い、安全な自転車運転ができるようにしていきましょう。
条例で自転車保険の加入を義務づけている自治体も
自転車による交通事故も、問題となってきています。
自動車と自転車の事故であっても、自転車側の過失が大きいと判断される場合もあります。
また、自転車事故の加害者となった場合に、高額な賠償金が生じる可能性もあります。
自治体によっては、加害者の経済的負担を軽減する為に、条例で自転車損害賠償保険などへの加入を義務付けています。
自転車に乗る場合、誰でも事故を起こす可能性があり、これからは自転車保険への加入を推奨される流れとなってくことが考えられます。
自転車保険は、自転車事故に備えた単独の保険商品や自動車保険や火災保険などの特約にあります。
【例】損保ジャパン UGOKU
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≪画像元:損保ジャパン≫
自動車保険よりも、自転車保険や特約は安価になっています。
今後も、条例で自転車保険の加入が義務になっていく県が増えていく流れが予想されます。
いざという時のために入っておく方が安心です。
それぞれの保険で、補償内容等が異なりますので、よく比較検討することをおすすめします。
参照:内閣府 特集自転車の安全利用の促進について・アディーレ法律事務所 自転車事故の損害賠償最高額はどれくらい?自転車事故に関する注意点・京都府
万全な対策で自転車運転を見守る
自転車は、手軽な移動手段として、高齢者にも利用されています。
下肢の運動にもなり気分転換もできる自転車を危ないからと言って、一概に高齢者から取り上げてしまうのは、良くありません。
運転をさせないというのではなく、安全に自転車運転ができるようにヘルメットを購入したり、自転車保険に入ったりといった準備をサポートしていく方が、高齢者の生活のハリを保つことにつながります。
ヘルメット購入や自転車保険加入のサポートを行った後も、安全運転できているか、自転車を安全に乗ることができる心身状態なのかを確認しながら、高齢者の自転車運転を見守ることが、事故防止にもなります。
高齢者の安全な自転車運転ができるように、サポートを心掛けていきましょう。