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自宅売却時に発生する譲渡所得税とは?マイホーム特例の節税効果を解説

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自宅売却時に発生する譲渡所得税とは?マイホーム特例の節税効果を解説

不動産を売却した際には利益に対して税金がかかるため、売却代金を全額使ってしまうと税金を支払えなくなる可能性があるので注意が必要です。

ただし、売却したのが自宅であれば、マイホーム特例を活用することで利益3,000万円まで無税にできます。

本記事では、不動産売却時における利益の算出方法と、マイホーム特例の効果について解説します。

マイホーム特例の要件や譲渡所得税について理解しよう

不動産の売却代金には譲渡所得税が課される

不動産の売却代金は、譲渡所得税の対象となります。

不動産の譲渡所得税は不動産を売却した際に発生する利益に対して課される税金で、売却益(譲渡所得)は次の計算式で求めます。

<譲渡所得の算式>

売却代金-(取得費-減価償却費+譲渡費用)-特別控除額=譲渡所得(売却益)

売却代金が売却不動産を購入したときの金額よりも小さい場合、計算上の利益は発生しませんので、不動産を売却したとしても譲渡所得税は課されません。

一方、譲渡所得が算出された場合には、利益に税率を乗じて譲渡所得税を計算し、確定申告で納めることになります。

譲渡所得税は最大で売却益の約4割を支払うことになる

給与所得や事業所得などは、所得金額が大きいほど適用される税率は高くなるのに対し、不動産の譲渡所得は所有期間で適用税率が決まります

<不動産譲渡所得の適用税率>

区分

短期譲渡所得

長期譲渡所得

所有期間

売却した年の1月1日時点で5年以下

売却した年の1月1日時点で5年超

所得税

30%

15%

住民税

9%

5%

復興特別所得税

0.63%

0.315%

合計

39.63%

20.315%

不動産を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える不動産を売却した場合には、「長期譲渡所得」に該当し、合計20.315%の税率が適用されます。

適用税率は一律なので、給与所得等に対して適用される総合課税の最低税率(5%)に比べると、利益が小さいときの税率は高いです。

一方、総合課税は課税所得金額が4,000万円以上になると所得税の税率が45%になりますが、不動産の長期譲渡所得は4,000万円以上でも所得税の税率は15%と変わりません。

不動産を売却した年の1月1日時点で所得期間が5年以下の場合、「短期譲渡所得」として譲渡所得税を計算します。

短期譲渡所得の合計税率は、長期譲渡所得の約2倍となる39.63%なので、売却益が同額だったとしても、所有期間の違いだけで税負担は倍増します。

所有期間の判定は売却した年の1月1日を基準とするため、売却した日に所有期間が5年を超えていたとしても、その年の1月1日時点で所有期間が5年以下であれば短期譲渡所得の対象になるのでご注意ください。

自宅を売却する際は減価償却費の計算に要注意

不動産の譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算しますが、売却不動産に建物が含まれている場合、建物の建築代金や購入代金等をそのまま取得費として計上することはできません

建物は、所有期間に応じて減価償却費相当額を差し引かなければならず、所有期間が長いほど減価償却費相当額は大きくなります。

<建物の減価償却費の計算式>

建物の取得価額×0.9×償却率×経過年数=減価償却費相当額

※非事業用の建物を売却した際の計算式

<非業務用建物の償却率>

区分

償却率

木造

0.031

木骨モルタル

0.034

(鉄骨)鉄筋コンクリート

0.015

金属造1(※1)

0.036

金属造2(※2)

0.025

※1「金属造1」・・・軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3mm以下の建物

※2「金属造2」・・・軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3mm超~4mm以下の建物

2,000万円で購入した土地を2,000万円で売却したときは利益が発生しないので、譲渡所得税として納める額はゼロです。

しかし、2,000万円で購入した土地・建物を2,000万円で売却したときは、取得費から減価償却費相当額を差し引くことになるため、譲渡所得税が課される可能性が出てきます。

建物の減価償却に注意しよう

自宅を売却した際のマイホーム特例

不動産の譲渡所得には、売却不動産の種類等に応じて特例制度が用意されており、マイホーム特例は自宅を売却した際に適用できる制度です。

売却益が3,000万円までなら無税になり、利益が3,000万円を超えた場合には、超過部分に対してのみ譲渡所得税が課されます

自宅を売却した際に利益が3,000万円を超えるケースは稀ですので、特例の適用要件をクリアすれば、多くの方は譲渡所得税を支払わずに済みます。

マイホーム特例の適用要件

マイホーム特例の主な適用要件は、次の通りです。

<マイホーム特例の基本的な適用要件>

  • 売却した物件に住んでいた

  • 住まなくなってから3年以内に売却した

  • 第三者に売却した

※詳細な要件は、国税庁ホームページ等をご確認ください。

参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)

マイホーム特例は、生活の拠点として住んでいた自宅を売却した際に適用できる制度なので、居住用の物件であったとしても、別荘などを売却した際には適用できません

売却前に自宅から転居した場合でも、転居が売却時点から3年以内であれば適用できる可能性があります。

一緒に住んでいる家族に対して売却した場合、実際にお金のやり取りが行われていたとしても、マイホーム特例は適用できません

マイホーム特例の適用漏れのないよう要件を確認しよう

マイホーム特例を適用するためには確定申告手続きが必須

マイホーム特例は、確定申告書に特例を適用する旨を記載し、必要書類を揃えて提出することで適用されます。

特例の適用要件をすべて満たしていても、確定申告書を提出していない場合や、特例を適用する旨を記載していないときは、マイホーム特例を受けたことにはなりません。

確定申告書を提出するタイミングは、不動産を売却した日の翌年2月16日から3月15日の期間です。

令和6年分の所得税の確定申告期間は曜日の関係で、令和7年2月17日(月)から3月17日(月)となるので、令和6年中に売却した不動産から利益が発生する際は、忘れずに手続きを行ってください。

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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