
夏フェスやライブ、推しの新曲・グッズ情報が続く季節。うれしい予定が増える一方で、遠征費や限定品の出費に家計が追いつかない人も。推し活を我慢せず続けるには、予算の分け方と買い方を先に整えることが大切です。
先に「使っていい額」を決めておく
推し活の出費が膨らむいちばんの理由は、上限を決めないまま「その都度」お金を出してしまうことにあります。だからこそ最初に決めたいのが、ひと月、あるいはイベント単位で「推し活に使ってよい金額」です。金額そのものは人によって違ってかまいません。大切なのは、使う前に枠を決めておくことです。
ここで具体的に考えると、ライブやイベントのある月とない月では、必要な額がまったく変わります。たとえば「通常月はグッズ代まで」「遠征のある月は交通費と宿泊費まで含めてこの範囲」というように、月ごと・イベントごとに枠を分けておくと、無理なく続けられます。年に何度かの大きな出費が読めているなら、その分だけ毎月少しずつ積み立てておくのも手です。
生活費と分けて「使いすぎ」に早く気づく
枠を決めたら、次に効いてくるのが「生活費と推し活費をはっきり分ける」ことです。同じ財布・同じ口座から出していると、家賃や食費と推し活のお金が混ざってしまい、どこまで使ったのかが見えなくなります。見落としやすいのが、この「見えないうちに膨らむ」パターンです。
分ける方法はシンプルで、推し活専用のサブ口座やプリペイドカードを1つ用意し、月のはじめに決めた額だけをそこへ移すやり方があります。以降の推し活の支払いはそこからだけにすれば、残高が減っていく様子がそのまま「あといくら使えるか」の目安になります。残りが少なくなればブレーキが自然にかかり、使い切ったらその月はいったん打ち止め、と判断しやすくなります。上限を超えそうなときに早く気づける仕組みを、先に作っておくのがコツです。
買い方を変えると、出費は自然に減る
予算を守るうえで意外と大きいのが、グッズの「買い方」です。とくに気をつけたいのが、同じような物を重ねて買ってしまう重複買いと、限定・期間限定という言葉に押される衝動買いです。ランダム封入のグッズで「コンプリートしたい」と集め始めると、狙いを絞らないまま出費だけが青天井になりがちです。
防ぐコツは、買う前にワンクッション置くことです。ほしい物をすぐ決済せず、いったんカートやお気に入りに入れて一晩あけてから見直すだけで、勢いで買う分がかなり減ります。あわせて、いま持っているグッズを一度棚卸しして「本当に足りない物」だけに絞ると、似た物のダブり買いを避けられます。全部そろえることよりも、自分がいちばんうれしい物を選ぶ、と決めておくと満足度は下がりません。
二次流通・レンタル・デジタルという選択肢
新品を定価で買うだけが推し活ではありません。ここで視野に入れたいのが、フリマや買取といった二次流通、そしてレンタルやデジタルの活用です。使わなくなったグッズをフリマや買取に出せば、次の推し活の資金にまわせますし、部屋にため込みすぎることも防げます。
たとえば、遠征のときだけ必要になる衣装や機材はレンタルで済ませる、現物のグッズを増やしたくないときは配信やデジタル特典で楽しむ、といった使い分けができます。手元にモノを増やさない選び方は、収納にも家計にもやさしい方法です。ただし、安く手に入れられる手段には、あわせて知っておきたい落とし穴もあります。
安く手に入れるときこそ、気をつけたいトラブル
節約のつもりで使った手段が、かえって損につながることがあります。とくに注意したいのが、フリマ・二次流通での偽物やすり替え、チケットの高額転売、オンライン購入での前払いトラブルです。
フリマサービスでは、有名メーカー品が正規品かはっきりしなかったり、返品の際に商品をすり替えられたり、代金を払ったのに商品が届かなかったりといった相談が寄せられています。国民生活センターも、こうしたトラブルに注意するよう呼びかけています。取引の前に出品者の情報を確認し、心配なときは運営事業者の鑑定サービスや補償制度が使えないか調べておくと安心です。困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや)」や、お住まいの自治体の消費生活センターに相談できます。
チケットについても知っておきたいことがあります。人気公演のチケットが定価を大きく超える価格で転売されていることがありますが、「特定興行入場券」の不正転売は、チケット不正転売禁止法(2019年〈令和元年〉6月14日施行)で禁じられています。反復継続の意思をもって定価を超える価格で転売する行為は違法で、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。高額な転売チケットは、法律の面でも、入場を断られたり券が使えなかったりする面でも避けるのが安全です。どうしても都合がつかないときは、興行主が用意する公式のリセール(正規の再販)を使いましょう。オンラインで買うときは、極端に安いだけの見慣れないサイトや、前払いしか選べない支払い方法には慎重になるのが賢明です。
推しを長く応援するための、お金の置き方
推し活を無理なく続けるコツは、我慢して額を削ることよりも、「お金の置き方と買い方」を整えることにあります。先に使っていい額を決め、生活費と分けて残高で使いすぎに気づき、買い方を工夫し、二次流通やレンタルも取り入れる。この順で仕組みを作っておけば、応援する楽しさを手放さずに家計とも折り合えます。
そのうえで、安く手に入れる手段にはトラブルもあることを頭の片隅に置き、あやしいと感じたら立ち止まる。もし取引でつまずいたら、消費者ホットライン「188」や消費生活センターに相談すれば、一人で抱え込まずに済みます。好きな気持ちは大切にしながら、お金とのつき合い方だけ少し整えて、長く推しを応援していきましょう。


