
「なんだか前より小さくなった気がする」。食品を手にしたときの違和感は、価格据え置きのまま内容量が減る「実質値上げ」かもしれません。値札だけでなく、量と単価を見ることが、家計を守る買い物の第一歩です。
まず見るべきは「内容量」
ステルス値上げを見抜く一番のポイントは、値段ではなく内容量を見ることです。パッケージに表示されている「○グラム」「○個入り」が、以前より少なくなっていないか確認してみましょう。
例えば価格が198円のままでも、内容量が250グラムから220グラムに減れば、100グラム当たりの価格は約79円から約90円へ上昇します。「値段は同じだから変わっていない」と思っていても、実際には1割以上高くなっているケースもあります。
単価表示を見ると「本当の値段」が分かる
スーパーでは値札に「100グラム当たり○円」「100ミリリットル当たり○円」と表示されていることがあります。この数字を比べれば、内容量が違う商品同士でも本当に安い商品が分かります。総額だけを見るより、単価を見る習慣を付けることで、ステルス値上げにも気付きやすくなります。
「リニューアル」の表示もチェック
パッケージが新しくなった商品は、内容量も変更されている場合があります。もちろん、すべての商品が内容量を減らしているわけではありません。ただ、デザイン変更のタイミングで容量や個数が見直されるケースもあるため、「新しくなりました」という表示を見かけたら、内容量も合わせて確認してみると安心です。
なぜステルス値上げが増えているのか
背景には、原材料価格や物流費、人件費などのコスト上昇があります。一方で、企業側は何度も価格を上げると、消費者が買い控えてしまうことを懸念しています。
帝国データバンクも、店頭価格をさらに引き上げることで購入点数の減少につながりかねないとの危機感を背景に、近時は価格を据え置いたまま容量を減らす「実質値上げ」で対応するケースが多くみられると分析しています。メーカーにとってはコスト増への対応策ですが、消費者にとっては気付きにくい負担増でもあります。
「実質値上げ」は調査上も「値上げ」
実質値上げは、単なる印象ではありません。帝国データバンクが公表している「食品主要195社」価格改定動向調査でも、「価格据え置き・内容量減による『実質値上げ』」は対象に含まれています。値札が変わらなくても、中身が減れば実質的には値上げという考え方です。
これからの買い物は「価格」と「量」をセットで見る
値上げというと、どうしても値札ばかりに目が行きがちです。しかし、これからは価格だけではなく、「内容量」と「100グラム当たりの単価」まで確認して初めて、本当の値段が見えてきます。
値札は変わっていないのに、以前より早く食べ終わる。そんな違和感を覚えたら、一度パッケージの内容量を確認してみてください。ほんの少し視点を変えるだけで、"見えない値上げ"に気付きやすくなり、日々の買い物でもより納得のいく選択ができるようになるはずです。


