※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事お金の価値観診断を更新「旅行・レジャーのお金のかけ方診断」2026年7月

お盆の帰省で親の保険を見直したら。「共済は安い」が正解とは限りません

保険 生命・医療保険
お盆の帰省で親の保険を見直したら。「共済は安い」が正解とは限りません
お盆の帰省で親の保険を見直したら。「共済は安い」が正解とは限りません

お盆の帰省を機に、親の保険証券を見直す家庭もあるでしょう。「共済は保険より安い」と思われがちですが、年齢によって保障額が下がる商品もあり、掛金だけでは判断できません。最新調査では、県民共済・生協等への支払額が増える一方、民間保険やJA共済は減少。必要な保障と加入条件を踏まえ、共済と保険の違いを整理します。

共済と保険。仕組みも所管・監督も別もの

死亡や入院に備える手段として並べて語られることの多い共済と保険ですが、成り立ちからして別ものです。共済は、同じ地域や職業などの組合員が掛金を出し合い、死亡や重度障害、入院、通院、手術で生じる経済的な負担をお互いに補い合う仕組みを指します。運営するのは非営利の団体で、決算により剰余金が生じたときは割戻金として組合員に戻ります。ただし割戻金の額は共済金の支払い状況などで変わり、一定割合が総代会の決議で出資金に振り替えられる場合もあります。掛金が年齢や性別を問わず一律のものもあり、月1,000円、月2,000円といったわかりやすい設計が多いのも共済の顔です。

一方の保険は、生命保険会社が扱う金融商品です。契約者が保険料を払い、被保険者が死亡や高度障害、入院、介護状態などになったときに、受取人が保険金や給付金を受け取ります。加入には健康状態や職業の告知・診査が基本で、保険料は保障内容と年齢・性別で変わります。保険会社は、時代やニーズに合わせた商品を次々に出せる強みがあります。

違いを一枚に並べると、輪郭がはっきりします。

お盆の帰省で親の保険を見直したら。「共済は安い」が正解とは限りません

表の最後の行だけ、補っておきます。生命保険契約者保護機構は「共済・少額短期保険業者・特定保険業者等は保護機構の会員ではありません」としており、共済は対象外です。ただしこれは会員かどうかの話で、破綻したら何も残らないという意味ではありません。JA共済は「仮に、窓口となっているJAの経営が困難になり破綻するような場合でも、共済契約は他のJAとJA共済連が共同して、またはJA共済連が単独でお引き受けすることにより、保障を継続してまいります」と説明しています。対象外なのは共済だけでもなく、少額短期保険業者も同じ立ち位置です。

なお、この表の共済欄は、この記事で扱うこくみん共済 coop・JA共済・都道府県民共済の3つを念頭に置いたものです。消費生活協同組合の設立認可事務は原則として都道府県が行い、地域または職域が地方厚生局の管轄区域を超える組合は厚生労働省が所管します。共済には漁業協同組合や中小企業等協同組合が行うものもあり、根拠法と所管はそれぞれ違います。

見落としやすいのが言葉です。共済で受け取るお金は「共済金」、支払うお金は「掛金」と呼びます。保険の「保険金」「保険料」と混ぜたまま資料を読むと、同じ言葉を探して迷子になります。

主な共済は3つ。正式名称のずれに注意

主な共済は、こくみん共済 coop(全労済)、JA共済、都道府県民共済の3つです。こくみん共済 coop は「全国労働者共済生活協同組合連合会」のことで、死亡や入院に備える「こくみん共済」、火災や地震に備える「住まいる共済」、車の事故に備える「マイカー共済」を扱います。JA共済は農業協同組合(JA)とJA共済連が共同で行う総合保障で、人に関する「終身共済」「医療共済メディフル」、家に関する「火災共済」、車に関する「クルマスター」までラインナップが広がります。

ここで取り違えが起きやすいのが都道府県民共済です。「全国生活協同組合連合会(全国生協連)のこと」と説明されることがありますが、正確ではありません。全国生協連は「県民共済・都民共済・府民共済・道民共済・全国共済の元受団体です」と自ら位置づけており、実際に契約する窓口は東京都民共済生活協同組合のような各都道府県の生協です。呼び名も全国一律ではなく、神奈川県は「全国共済」と呼びます。都道府県民共済をひとつの名前でくくると、自分の地域の窓口にたどり着けません。

商品名も正式なものを押さえておくと探し物が早くなります。都道府県民共済が扱うのは「生命共済」「傷害保障型共済」、そして火災や地震に備える「新型火災共済」です。「火災共済」という呼び方はJA共済の商品にもあるため、略した名前で検索すると別の共済の話が混ざります。

2024年度調査が示す、掛金と保険料の動き

掛金の話になると必ず引かれるのが、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」です。最新版は2024(令和6)年度調査で、本編は2025年1月に発行されました。2人以上世帯の世帯年間払込保険料は、民保が35.4万円(前回35.9万円)、JAが19.9万円(前回22.8万円)、県民共済・生協等が8.4万円(前回7.6万円)となっています。

この3つの数字は、同じ方向を向いていません。民保もJAも前回調査から下がっているのに対し、県民共済・生協等だけが上がっています。調査は前回との差も併記しており、JAは2.9万円の減です。「県民共済・生協等が上がり、民保とJAが下がる」という動きになっていますが、この数字だけで「共済は保険より安い」かどうかを判断することはできません。

もうひとつ、区分の線引きも押さえておきたいところです。調査には「*全生保は民保(かんぽ生命を含む)、簡保、JA、県民共済・生協等を含む」という注記があり、民保にはかんぽ生命が含まれます。そもそもこの調査が示すのは、生命保険に加入している2人以上世帯が実際に払っている額の平均であって、同じ保障を並べて値札を比べたものではありません。額の差をそのまま「割安さ」と読むと、保障の中身が違うことを見落とします。


都民共済 総合保障型で見る、保障額と加入の条件

共済のわかりやすさは、金額の並びを見ると伝わります。東京都民共済の「生命共済 総合保障型」は、月掛金の型ごとに保障が決まっています。病気入院は入院1日目から対象です。

お盆の帰省で親の保険を見直したら。「共済は安い」が正解とは限りません

右の2列を飛ばさないでください。左側に挙げた金額は、1型が「18歳~65歳までの保障を抜粋」、2型と4型が「18歳~60歳までの保障を抜粋」したものです。つまり「月2,000円で400万円」は、その年齢帯での話にすぎません。60歳になって初めて迎える4月1日以降は、2型の病気死亡は230万円、4型は460万円になります。掛金は変わらないのに保障額だけが下がるわけで、掛金が一律であることと、保障が一生同じであることは、まったく別の話です。1型だけは18歳から65歳まで200万円が続きます。

その先も押さえておきましょう。総合保障型が続くのは65歳までで、2型と4型は65歳になって初めて迎える4月1日以降に熟年型へ移り、85歳まで保障が続きます。ただし移った先で保障内容は変わります。共済のわかりやすさは、この年齢の区切りとセットで理解しておくものだと考えてください。一生涯そのままの形で続く終身保険とは、設計の思想が違います。

そして金額より先に確かめたいのが、入れるかどうかです。「持病があると入れない」「5年以内に入院していると入れない」といった説明を見かけますが、後半は正確ではありません。「5年以内」は入院ではなく、慢性疾患が治ってからの期間の要件で、東京都民共済の健康告知では「慢性疾患が治ってから5年以内である」が該当項目に並びます。入院の側は期間そのものが違い、「過去1年以内に、病気やケガで連続14日以上の入院」が対象です。手術についても「手術を受け、治ってからまだ1年以内である」であれば該当します。

そして、該当したら即アウトでもありません。公式は「ただし、内容によって一部条件付きでご加入いただける場合があります」としており、花粉症は告知の対象から除かれています。項目に当たりそうでも、あきらめる前に組合へ確認してください。

「5年」と「入院」を結びつけて覚えていると、加入できる可能性がある人が最初からあきらめてしまいます。加えて、年齢と地域の条件も入り口にあります。東京都民共済の総合保障型は「お申し込みの日(申込書受付日、郵送の場合は消印日)において、東京都にお住まいか、または勤務地がある満18歳~満64歳の健康な方」が対象です。ただし、1型は満18歳~満59歳の健康な方が対象です。先ほどの表の年齢帯は保障額が適用される範囲の話で、こちらは入り口の話ですから、混ぜないでください。JA共済のように、農業者以外が加入するには出資金の支払いが必要なケースもあります。

共済が向く場面、保険が向く場面、そして併用

共済が向くのは、最低限の保障があればよいと考えている方、毎月の支払いを抑えたい方、契約中の保険に少額の保障を足したい方です。ただし、どれだけの保障が要るかは、扶養している人がいるか、住宅ローンなどの債務があるか、貯蓄がどれくらいあるかで変わります。独身だから共済で足りる、という決め方はできません。保障がセットで決まっている分、迷う時間が短く済むのは共済の実利です。

保険が向くのは、手厚い保障が欲しい方、貯蓄性も持たせたい方、自分の事情に合わせて細かく選びたい方です。死亡・高度障害の保障ひとつ取っても、一定期間を守る定期保険、一生涯続く終身保険、満期に生存していれば満期保険金を受け取れる養老保険と性格が分かれます。外貨建て保険のような商品もあります。

健康に不安がある方も、保険側の選択肢を早々に切り捨てないでください。「引受基準緩和型」(「限定告知型」とも呼びます)や「無選択型」といった商品があります。生命保険文化センターの資料では「引受基準緩和型」「限定告知型」「無選択型」が使われており、「引受緩和型」「無告知型」という表記は出てきません。ただし呼び方は一律ではなく、JA共済には「引受緩和型終身共済」という商品名もあります。資料を探すときは、その団体が使っている呼び方で当たった方が近道です。

そして、どちらか一方に決めなければならない決まりはありません。共済で土台を作って足りない部分を保険で足す、保険を主軸にして共済で少額を上乗せする、どちらの組み方もできます。入院や通院の支払い条件は共済でも保険でも違うので、いま入っているものと並べて確かめておきましょう。なお、保障が重なっていること自体が無駄とは限りません。定額で給付されるタイプなら、支払いの条件を満たせばそれぞれから受け取れます。必要な保障額を超えていないか、掛金と保険料の負担に見合っているかで判断してください。

「どちらが安いか」より「何を埋めたいか」

共済と保険は、所管・監督も根拠法令も、お金の呼び方まで違う別の仕組みです。掛金が一律のものもありわかりやすい共済、選択肢が広い保険という軸は変わりません。ただ「共済は安い」かどうかは、2024年度の2人以上世帯の数字だけでは判断できません。県民共済・生協等に払う額は増え、民保とJAは減っています。まずは自分に足りない保障がどこかを決める。そのうえで年齢の条件と加入の条件を確かめる。この順番なら、迷う時間は短くて済みます。

《編集部》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

編集部

執筆者: 編集部 編集部

読者の皆様のマネースキルアップにつながる情報をお送りしていきます。 リリース窓口:contact@manetatsu.com 運営会社:株式会社イード

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事

特集