※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事お金の価値観診断を更新「旅行・レジャーのお金のかけ方診断」2026年7月

「この実家、兄弟で半分ずつ?」相続した不動産、実は4つの分け方がある

投資 不動産投資
「この実家、兄弟で半分ずつ?」相続した不動産、実は4つの分け方がある
「この実家、兄弟で半分ずつ?」相続した不動産、実は4つの分け方がある

お盆で久しぶりに実家へ集まった兄弟。親から突然「この家、将来どうする?」と聞かれたら、すぐに答えられるでしょうか。現金なら半分ずつにできますが、家や土地はそうはいきません。不動産相続で知っておきたい4つの分け方と、それぞれの落とし穴を整理します。

「この家、2人で半分ずつにすればいいだろ?」

親が亡くなり、実家と預貯金を兄弟2人で相続することになったAさん。預貯金なら半分ずつにできますが、問題になったのが実家だった――というケースを考えてみましょう。

「兄が実家をもらえばいいんじゃないか」

そう話してみたものの、実家にそれなりの資産価値があれば、兄だけが多く相続することになります。

「家を残しながら公平に分ける方法はない?」
「売って現金にしたほうが簡単?」
「とりあえず兄弟の共有名義にしておけばいい?」

不動産は現金のように簡単には分けられません。しかし、相続で使われる分け方は大きく4種類あります。それぞれの違いを知ると、Aさん兄弟のようなケースでどんな選択肢があるのかが見えてきます。

不動産の分け方は4種類。「半分ずつ」だけではない

不動産は、現金のようにきれいに等分できない財産です。たとえばAさんの父親が、評価額5,000万円の実家と3,000万円の預貯金を残したとします。相続人が兄弟2人だけなら、合計8,000万円を4,000万円ずつ受け取れば、金額上は公平です。しかし、実家だけで5,000万円あります。そこで考えられるのが、4つの分け方です。

「この実家、兄弟で半分ずつ?」相続した不動産、実は4つの分け方がある

先ほどのAさん兄弟なら、Aさんが5,000万円の実家、弟が3,000万円の預貯金を相続し、Aさんが自分のお金から弟へ1,000万円を支払えば、それぞれ4,000万円になります。これが「代償分割」です。

ところが、Aさんに1,000万円を用意する余裕がなければ、この方法は簡単には選べません。ならば実家を売って4,000万円ずつ分けるのか。それとも、とりあえず兄弟で2分の1ずつ共有するのか。

「公平に分けたい」「実家を残したい」「現金を用意できる」――何を優先するかによって、選ぶ方法が変わってくるのです。

4つの分け方のデメリットと注意点

見落としやすいのが、それぞれの分け方に潜むデメリットです。特徴だけでなく短所も知ったうえで選ぶと、あとで後悔しにくくなります。

現物分割は手続きが比較的簡単な一方、土地を分けると形状や道路への接し方によって不公平感が生まれやすくなります。分割した境界線上に建物があれば解体が必要になったり、そもそも分筆できない土地もあったりします。

代償分割は不動産を残せて不満も出にくい反面、不動産の評価が欠かせず、取得する人にまとまった代償金の支払い能力が求められます。あわせて注意したいのが、代償金はあくまで遺産分割の一環として支払うものだという点です。国税庁の説明では、代償分割は、相続財産を現物で取得した人が他の共同相続人などに対して債務を負担する方法です。協議内容が分かるよう、遺産分割協議書には代償分割である旨や金額、支払い方法を明記しておくと安心です。

換価分割は現金で公平に分けられ、維持管理費もかからなくなります。ただし買い手がつかなければ売却価格を下げざるを得ず、売却益が出れば譲渡所得税がかかる場合もあります。思い入れのある家や土地を手放すことになる点も、家族で確認しておきたいところです。

共有分割は話し合いがまとまらないときの最終手段になりますが、後々の負担が大きい方法です。大規模なリフォームや不動産全体の売却など、共有物の大きな変更・処分には原則として共有者全員の同意が必要です。軽微な変更や管理は持分価格の過半数で決められる場合がありますが、共有者どうしの意見が割れると進めにくく、さらに相続が起きるたびに持分が細分化していきます。共有者の一部が自分の持分だけを売ってしまう恐れもあり、将来の火種を残しやすい分け方といえます。

不動産を分けて相続するまでの5ステップ

実際に不動産を分けるには、決まった順路があります。まず遺言書を確認し、次に財産を調べ、そのうえで話し合い、書類を整えて登記する、という流れです。順番に見ていきましょう。

まず遺言書の有無を確認します。有効な遺言書や遺産分割協議書で分け方が決まっている場合は、原則として遺産分割が不要になるためです。平成元年以降に作成された公正証書遺言は、全国の公証役場で有無や保管公証役場を検索できます。自筆の遺言書が見つかった場合は、原則として家庭裁判所で検認という手続きが必要になります。

次に相続財産の内容と評価額を調べます。不動産だけでなく、預貯金や有価証券の価値も確認します。借金などのマイナスの財産も含めてすべてを把握しないと、公平な相続はできません。

財産の範囲が固まったら、相続人全員で遺産分割協議を行い、分け方を決めます。話し合いがまとまったら遺産分割協議書を作成し、相続人全員の実印を押して、全員分の印鑑証明書を添付します。

そのうえで相続登記に備えて必要書類を揃えます。登記申請書、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、住民票の除票、遺産分割協議書と印鑑証明書、相続関係説明図、固定資産税評価証明書、登録免許税分の収入印紙などが主なものです。ここで押さえておきたいのが、相続登記が令和6年(2024年)4月1日から義務化されている点です。不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。施行日より前に相続した未登記の不動産も対象で、令和6年(2024年)4月1日より前に不動産の取得を知っていた場合は令和9年(2027年)3月31日までに登記を済ませる必要があります。

最後に法務局で相続登記を申請します。登記完了予定日は申請先の法務局が公表しており、申請内容や混雑状況によって前後します。

意見が割れたときの進め方と評価の基準

話し合いだけでは分け方がまとまらないこともあります。そんなときに頼りになるのが、家庭裁判所の遺産分割調停です。裁判官や調停委員を交え、相続人全員の合意を目指して話し合いを進める手続きです。

申立てには、被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が必要です。申立先は、相手方のうち1人の住所地を管轄する家庭裁判所か、当事者が合意で定めた家庭裁判所になります。調停の進み方や期間は事案によって異なります。調停が不成立になった場合は自動的に審判へ移り、裁判官が分け方を判断します。

分け方を決める前提として、不動産の評価も欠かせません。不動産の金額は、基本的には当事者の合意で決めます。金額を決める方法の例として、固定資産税評価額、相続税評価額(路線価など)、公示価格、不動産業者による査定額などがあります。固定資産税評価額は固定資産税評価証明書に記載され、路線価は国税庁が公表する財産評価基準書の路線価図・評価倍率表で確認できます。

なお、被相続人の介護をすべて担った、家業を無償で手伝ったなど、通常期待される程度を超えて財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人には、法定相続分を超える取り分が寄与分として認められる場合があります。代償分割を選びたいのに代償金が用意できないときは、自宅を売却したあとも住み続けられるリースバックのような方法や、金融機関のローンを検討する余地もあります。

分け方は「公平さ」と「残したいか」で選ぶ

不動産の分け方に、唯一の正解はありません。手元に残したいなら現物分割や代償分割、公平さを優先するなら換価分割、すぐに決められないなら共有分割と、家族の事情によって最適な方法は変わります。とくに共有分割は、次の相続でもめる火種になりやすい点に注意が必要です。迷ったら、弁護士や司法書士、税理士などの専門家に早めに相談し、後悔のない分け方を選びましょう。

《編集部》
この記事は役に立ちましたか?
+1
編集部

執筆者: 編集部 編集部

読者の皆様のマネースキルアップにつながる情報をお送りしていきます。 リリース窓口:contact@manetatsu.com 運営会社:株式会社イード

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事