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「私を火葬する人がいない」。決めなければ市区町村、決めるなら死後事務委任契約

シニア 葬儀
「私を火葬する人がいない」。決めなければ市区町村、決めるなら死後事務委任契約
「私を火葬する人がいない」。決めなければ市区町村、決めるなら死後事務委任契約

両親を見送り、次は自分の番だと気づいた一人っ子で独身の人が引っかかるのが「火葬は誰がするのか」です。頼む相手がいなければ市区町村が動く決まりはありますが、それは埋葬か火葬だけの話です。自分で決めておくための契約と、費用の預け方を見ていきます。

両親を見送った一人っ子で独身の50代の不安

「私のときは、誰が火葬してくれるんだろう」。一人っ子で独身、両親を相次いで見送った50代の会社員は、喪主を務めた帰り道で立ち止まりました。親戚づきあいは薄く、同居する人もいません。

墓地、埋葬等に関する法律9条は、火葬を行う人がいないか分からないときは、死亡地の市町村長(特別区では区長)が火葬を行うと定めています。費用には行旅病人及行旅死亡人取扱法が準用され、まず本人が遺した金銭や有価証券から充て、足りなければ相続人、相続人から弁償を得られなければ扶養義務者の負担です(同法11条)。

9条にあるのは埋葬か火葬を行うことだけです。葬儀の形まで希望を通すなら、頼む相手を先に決めておくことです。

頼む相手と内容を決める「死後事務委任契約」

火葬の申込みや支払いなどの事務を、信頼できる人や専門家に頼んでおく契約が死後事務委任契約です。民法656条の準委任にあたり、頼まれた側を受任者と呼びます。公正証書で作るのが適当とされています(日本公証人連合会)。

落とし穴は民法653条です。委任は委任者の死亡で終わるのが原則のため、「委任者が死亡しても本契約は終了しない」旨を契約書に明記するのが望ましいと、2024年6月に国が定めた高齢者等終身サポート事業者ガイドラインも示しています。財産の分け方は遺言の領分で、死後事務委任契約では決められません。

実行の場面では、受任者が契約書を示して火葬許可証を受け取り、火葬を申し込んで費用を精算します。ただし死亡届を出せる人は戸籍法87条で決まっていて、同居の親族や同居者、家主のほか、別居の親族、後見人、任意後見受任者などです。受任者が当たらないなら届出人も決めておくと安心です。

葬儀社との生前契約と、費用の預け方

葬儀の中身を葬儀社と先に決めるのが生前契約です。ただし葬儀社は死亡を知らせる人がいて初めて動けます。厚生労働省の2025年2月の調査に載る青森市や豊島区などには、契約先を登録し、死亡時に警察・消防・医療機関・福祉事務所へ共有する終活登録の事業があります。

前述のガイドラインは、事業者が契約に基づき預託金を受け取った場合、死後事務に要した費用を預託金から精算できるとし、運営資金と分けて管理し、管理状況を定期的に報告するのが望ましいとしています。支援内容、預託金の扱い、残金の行き先を契約書に書いてもらうのが確認点です。

「私を火葬する人がいない」。決めなければ市区町村、決めるなら死後事務委任契約

頼む相手がいなくても、市区町村の福祉担当窓口が入口

頼める人も費用の備えもないなら、まず市区町村の福祉担当窓口や福祉事務所に相談してください。葬祭を行う扶養義務者がいない人が亡くなり、遺した金品で葬祭費用をまかなえないときは、葬祭を行う人に葬祭扶助が出ることがあります(生活保護法18条)。誰が火葬し、費用はどこから出るのか。この2つを紙に残すだけで不安は小さくなります。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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