※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事お金の価値観診断を更新「旅行・レジャーのお金のかけ方診断」2026年7月

お盆の帰省で「この土地どうする?」兄弟でもめない相続の進め方と分け方

税金 相続・贈与
お盆の帰省で「この土地どうする?」兄弟でもめない相続の進め方と分け方
お盆の帰省で「この土地どうする?」兄弟でもめない相続の進め方と分け方

お盆で兄弟が実家に集まったとき、親から「この土地、将来どうする?」と聞かれたら、すぐに答えられるでしょうか。不動産は現金のように簡単には分けられず、仲の良い兄弟でも意見が割れることがあります。大切なのは、いきなり「誰がもらうか」を決めないこと。もめにくい話し合いの順番と、土地の4つの分け方を整理します。

「長男なんだから、この家はお前でいいよな?」

お盆で久しぶりに兄弟が実家へ集まったAさん。食事をしながら親の今後について話していると、父親からこんな話が出た――というケースを考えてみましょう。

「この家と土地、お前たちは将来どうするつもりだ?」

兄は「自分が住んでもいい」と言い、弟は「誰も住まないなら売ればいい」と答えます。まだ相続が起きたわけではないため、その日は結論を出さずに話が終わりました。

しかし、実際に相続が始まってから同じ話をすると、土地の評価額やそれぞれの取り分、親の介護への貢献などが絡み、話が複雑になることがあります。

兄弟の仲が良くても、不動産は現金のようには分けられません。だからこそ、お盆のように家族が集まる機会に、まず何を確認しておくべきかを知っておくことが大切です。

いきなり「誰が土地をもらうか」を話さない

土地の相続について話すなら、まず確認したいことは3つあります。遺言書があるか、相続人は誰か、財産は全部でどのくらいあるか。土地だけを見て「兄が土地、弟が預金」と決めても、後から別の預金や借金が見つかれば前提が変わってしまいます。

また、土地の価値も「親が昔買った値段」では判断できません。分け方を考える前に、不動産と預貯金、有価証券、借金などを含めた財産全体を把握しておく必要があります。

その土台ができて初めて、

  • 土地そのものを分ける「現物分割」

  • 1人が取得して他の兄弟へお金を渡す「代償分割」

  • 売却して現金を分ける「換価分割」

  • 兄弟で持ち合う「共有分割」

という選択肢を比較できます。Aさん兄弟の場合も、先に「売る・売らない」を決めるのではなく、父親の希望と財産全体を確認するところから始めるのが順番です。

お盆の帰省で「この土地どうする?」兄弟でもめない相続の進め方と分け方

土地の分け方4つと向き・不向き

土地の分け方には、大きく4つの方法があります。それぞれ長所と注意点が異なるため、家族の状況に合うものを選びます。

現物分割は分筆して各自が単独で持てる一方、分けたあとの土地の価値に差が出て不公平になりやすい点に注意します。代償分割は、たとえば実家を継ぐ長男が、他の兄弟へその分に見合う現金を渡して調整する方法で、住み続けたい家を残せますが、支払う側にまとまった資力が要ります。換価分割は現金化してから分けるため公平にしやすい反面、売却に時間がかかると後述の相続税の期限に間に合わないおそれがあります。共有分割は当面の結論を先送りできますが、次に述べるとおり弊害が大きく、あくまで一時的な手段と考えるのが無難です。

共有のまま放置しないための注意点

「とりあえず全員の共有名義に」という選択は、一見もめずに済むように見えて、あとで動けなくなる典型です。

共有名義の不動産は、売却などの重要な決定に共有者全員の同意が必要です。誰かひとりでも反対すれば売れず、時間が経つほど相続で共有者が増えて話がまとまりにくくなります。持分が細分化する前に、方針を決めておくことが大切です。

現物分割で境界をはっきりさせる場合は、土地家屋調査士に測量を依頼して境界を確定させます。測量には一定の費用と数か月の期間がかかるため、分け方の見通しが立った段階で早めに動くと安心です。

土地を売却して分ける換価分割では、売却にかかる費用を誰がどう負担するかも先に話し合っておきます。一般には相続分の割合に応じて負担しますが、あいまいなまま進めると精算の段階で新たな不満が生まれます。

期限で追い込まれないための時間の管理

相続には、知らないと不利になる期限がいくつもあります。もめて長引くほど、この期限に追われて選択肢が狭まります。

相続放棄をするなら、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。財産の全容がつかめず判断できないときは、期間の伸長を申し立てることもできます。相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内が原則です。期限を過ぎると延滞税などがかかることがあります。

さらに近年の制度変更にも注意が必要です。相続で不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務づけられ、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。遺産分割が成立した場合にも、これによって不動産を取得した相続人は、成立日から3年以内に分割内容に応じた登記申請が必要です。すぐに登記が難しいときは、簡易に義務を果たせる相続人申告登記という仕組みも用意されています。

分割の話し合い自体にも時間の目安があります。相続開始から10年を過ぎると、原則として特別受益や寄与分を反映した具体的相続分での分け方を求めにくくなり、法定相続分または遺言による指定相続分を基準とした分割になります。ただし、10年以内に家庭裁判所へ遺産分割の請求をした場合などは例外です。相続人全員が合意できる場合も、特別受益や寄与分を反映した分け方は可能です。また、令和5年4月1日前に始まった相続には経過措置があり、少なくとも令和10年3月31日までは、10年を過ぎていても具体的相続分を主張できる場合があります。もめて先延ばしにするほど、主張できたはずの取り分を通しにくくなる点は押さえておきたいところです。

専門家をどの段階で入れるか

土地の相続は、手続きと感情の両方がからみます。行き詰まる前に、場面ごとに合う専門家へ相談すると解決が早まります。

話し合いがまとまらない、法的な権利関係を整理したいときは弁護士が頼りになります。相続登記や遺産分割協議書の作成は司法書士、相続税の申告や節税の相談は税理士が専門です。境界や測量に関わることは土地家屋調査士が担います。誰に頼めばよいか迷う段階では、お住まいの自治体の無料相談窓口や公証役場、法務局の窓口から入ると、次の一歩が見えてきます。

早い段階で第三者が入ると、感情的なやりとりを避けやすくなります。費用はかかりますが、こじれてから裁判で争う負担に比べれば、早めの相談のほうが結果的に軽く済むことが少なくありません。

もめない相続は、順番と期限から

土地の相続でもめるのは、仲が悪いからではなく、進め方と分け方を知らないまま話し合いに入ってしまうからです。まず遺言の有無・相続人・財産を確認し、家族に合う分け方を選びましょう。共有名義の放置を避け、相続放棄や相続税、相続登記の期限を意識して動くことが大切です。迷ったら早めに専門家へ相談を。お盆の集まりは、その第一歩を切り出す良い機会です。

《編集部》
この記事は役に立ちましたか?
+0
編集部

執筆者: 編集部 編集部

読者の皆様のマネースキルアップにつながる情報をお送りしていきます。 リリース窓口:contact@manetatsu.com 運営会社:株式会社イード

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事