
共働きで世帯収入はあるのに、気づけば毎月の貯金が少しずつ減っている――。そんな悩みを抱える子育て世帯は少なくありません。家計を立て直すポイントは、節約の量ではなく「何から手を付けるか」です。まずは、家計改善の基本となる順番を整理してみましょう。
「気づいたら、貯金が毎月減っていました」
「共働きで、それなりに稼いでいるつもりなんです。でも気づいたら、貯金が毎月少しずつ減っていました。」共働きで子育て中の30代の夫婦が、そんな不安を口にします。
夫婦とも正社員で、世帯の収入は決して少なくないといいます。それでも家計簿をつける習慣はなく、足りない月は貯金から補ってきました。ボーナスでいったんは持ち直しますが、年間で見れば預金は少しずつ目減りしています。物価の上昇も重なり、このままで大丈夫なのかという不安が消えないといいます。
共働きでも赤字になる、その理由
収入があるのに赤字になるのは、めずらしいことではありません。共働き世帯では「相手も管理しているだろう」とお互いに任せ合い、家計の全体像を誰も把握していない、ということが起こりがちです。
二人分の生活には、それぞれのスマホ代や保険、使わなくなったサブスクなどが積み重なります。子育て期は教育費や食費も増えていきます。一つひとつは小さくても、把握しないまま重なると、収入が増えても手元に残らない家計になっていきます。
まずは「なぜ足りないのか」を数字で見えるようにすることが、立て直しの出発点です。
立て直しの第一歩は、収支の「見える化」
金融庁も、家計管理の基本は「収入と支出を把握し、収支を黒字にして、その黒字分を貯める」ことだと説明しています。順番にすると、まず把握、次に見直し、最後に貯蓄です。この順路を外さないことが大切です。
最初にすることは、1か月の収入と支出をすべて書き出すことです。家計簿アプリでもノートでもかまいません。何にいくら使っているかが見えると、「思ったより通信費が高い」「使っていないサービスがある」といった、削れる支出が自然と浮かび上がってきます。
ここで大事なのは、いきなり食費を切り詰めないことです。我慢から入ると長続きしません。効果が大きく、生活の満足度を下げにくいところから手を付けるのが、無理なく続けるコツです。
固定費から順に。見直す費目と着眼点
削る順番にもコツがあります。効果が大きいのは、毎月決まって出ていく固定費です。住居費や通信費、保険料、サブスクなどがこれにあたります。固定費は一度見直せば、その効果が翌月以降もずっと続きます。食費や日用品などの変動費は、固定費を整えてから取りかかると負担が軽くなります。

固定費と変動費を整えたら、余った分を後から貯金に回すのではなく、給料日に先に貯蓄分を取り分ける「先取り貯蓄」に切り替えます。残ったお金でやりくりすれば、意志の力に頼らずお金が残りやすくなります。
足りないときの頼り先。借入は最後の手段に
見直しても一時的に足りない月はあります。そんなとき、カードローンなどの借入はあくまで一つの手段ですが、頼りすぎると利息の負担で家計がさらに苦しくなります。使うとしても金額と返す時期を決め、短期間にとどめるのが原則です。
一人で抱え込まず、相談できる窓口もあります。お住まいの地域には、生活の立て直しを支援する自立相談支援機関等があり、家計の「見える化」や支援計画の作成などについて相談に応じてもらえます。家計全体を見直したいときは、ファイナンシャルプランナーや金融機関の窓口も選択肢になります。
焦らず、順番に手を付ければ立て直せる
毎月わずかな赤字でも、放っておけば貯金は静かに減っていきます。けれど立て直しの道すじは決まっています。まず1か月の収支を書き出して現状を把握し、固定費から順に見直して、最後に先取り貯蓄へ。共働きなら、夫婦で数字を共有するだけでも景色が変わります。我慢比べではなく、順番の問題です。今月の支出を書き出すところから、始めてみましょう。


