
寄附の申込みが済むと、それで税金が軽くなったつもりになりがちです。ですが寄附と控除のあいだにはもうひとつ手続きがあり、そこを踏まないと税金は動きません。何を、どこへ、いつまでに出すのか。順路を先に押さえておきましょう。
寄附と控除のあいだにある手続き
ふるさと納税は、選んだ自治体へ寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から原則として全額控除される制度です。控除には上限があり、超えた分は自己負担になります。
自己負担の2,000円は寄附1回ごとではなく、1年間(1月から12月)の寄附金総額に対して1回分です(国税庁)。
見落としやすいのが、控除が自動では受けられない点です。国税庁は、控除を受けるには寄附をした年分の確定申告が必要だと案内しています。ただし条件を満たす人は、申告をせずに済ませられます。

確定申告で受けるときの出し方
確定申告なら、原則として寄附をした翌年の3月15日までに住所地の所轄の税務署へ申告します。ただし、確定申告義務がなく還付を受けるためだけに申告する場合は、還付申告として寄附した年の翌年1月1日から5年間提出できます。添えるのは、寄附先の自治体が発行した寄附金の受領証です。
受領証は寄附のたびに届き、寄附先が多いほど枚数がかさみます。令和3年分の確定申告からは、国税庁長官が指定した特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」を受領証に代えて添付できます。年間の寄附額がまとめて載り、電子データでも受け取れます。
確定申告をすると、寄附をした年の所得税から控除され、これに加えて翌年度分の住民税が減額されます。
ワンストップ特例で受けるときの出し方
確定申告をしない人には、申請書を出すだけで控除が受けられる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」があります。使えるのは確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の場合に限られます。
申請書は寄附ごとに、寄附先の自治体へ出します。同じ自治体へ年に2回寄附したなら2回とも出します。提出期限は寄附した年の翌年1月10日(必着)です。年末の寄附では、申込みのときに「申請書はどこへ、いつまでに届けばよいか」を確かめてください。
引っ越しなどで申請書に書いた内容が変わったときは、寄附した翌年の1月10日までに変更の届出を出します。ワンストップ特例が適用されると所得税からの控除は行われず、全額が翌年度分の住民税から控除されます。
特例が消えてしまう場面
ワンストップ特例は、申請後の事情でなかったものとして扱われることがあります。自治体の案内で挙げられているのは、医療費控除などで確定申告や住民税の申告をしたとき、5団体を超える自治体に申請したとき、翌年1月1日の住所が申請書と違うのに変更を届け出ていないときの3つです。
無効になるのは、はみ出した分だけではありません。国税庁も、確定申告をする人はワンストップ特例で申請した分も含めて寄附金控除額を計算する必要があるとしています。放っておけば控除は受けられません。まだ確定申告をしていない人は、その年の寄附をまとめて書き入れて申告します。すでに寄附金控除を入れずに確定申告をした人は、更正の請求で寄附金控除を追加します。
効いてくるのは翌年度分から
寄附で終わりにせず、確定申告なら原則として翌年3月15日まで、ワンストップ特例なら寄附ごとの申請書を翌年1月10日までに提出するところまで進んで控除が動きます。確定申告義務がなく還付を受けるためだけに申告する人は、5年間の還付申告期間も確認しておきましょう。住民税が軽くなるのは翌年6月以降に納める分からです。寄附をしたら受領証と申請書の控えをひとまとめにして、提出のときまで手元に置いておきましょう。


