
秋になると、ふるさと納税の話題が増えます。自己負担は2,000円だけ、と覚えている人は多いはずです。ただ、その2,000円で収まるかどうかは、自分が納めている住民税の額で決まります。しかも2025年10月1日以降は、ポイントで取り返す手も使えなくなりました。ふるさと納税は、誰にとっても得な制度ではありません。
減税ではなく、先に払って後から戻る仕組み
自分で選んだ自治体へ寄付をすると、その額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から差し引かれます。効くのは寄付をした年の所得税と翌年度の住民税です。ワンストップ特例を使うと所得税からの控除はなく、全額が翌年度の住民税から引かれます。
先に払って、あとから納める税金が減ります。もともと納める税金がある人でなければ効きません。税額そのものが軽くなるわけではなく、納める先の一部が移ります。
自己負担が2,000円で止まる2つの条件
差し引かれる額は、所得税分と住民税の基本分、住民税の特例分の3つに分かれます。このうち特例分には天井があり、住民税の所得割額の2割を超えられません。国税庁も、特例分は所得割額の20%を限度とすると説明しています。
もうひとつが、控除の手続きが成立していることです。ワンストップ特例が使えるのは、確定申告の必要がない給与所得者等で、寄付先が5団体以内のときだけ。医療費控除などで確定申告をしたり、住民税の申告をしたりすると、申請済みの特例は無効になります。そこでふるさと納税を書き忘れると控除は受けられません。気づいたら更正の請求で申し直せます。
納める税がない人には、差し引く先がない
見落としやすいのが、住民税の所得割が生じていない人です。控除は所得割の額から差し引くもので、地方税法は控除額が所得割の額を超えるときは所得割の額までと定めています。差し引く元がなければ控除も0です。
所得税も同じです。課税される所得がなければ、寄付額から2,000円を引いた分を差し引いても税額は動きません。所得税も住民税の所得割もない人には、返礼品を寄付額で買うのと変わりません。

2025年10月1日以降、ポイントで取り返せなくなった
仲介サイトが付けるポイントで自己負担の2,000円を埋める使い方は、2025年10月1日以降、閉じました。総務省の告示が改められ、寄付に伴って寄付者へ経済的利益を提供する事業者を通じて寄付を募ることが、自治体側の基準として禁じられたためです。対象はサイトのポイントに限りません。
ただし、決済で通常つくものに相当するポイントは除かれています。返礼品にも上限があり、自治体が調達にかけられる費用は寄付額の3割以下です。5,000円の寄付なら1,500円までです。少額の寄付ほど自己負担に見合いにくくなります。
寄付の前に見るのは、住民税の通知書1枚
損をするかどうかを分けるのは、返礼品の選び方ではなく、自分が住民税をいくら納めているかです。手元の通知書で所得割の額を確かめてください。0なら今年は見送り、額が出ているなら上限を超えない範囲に収めます。迷ったら自治体の窓口で確かめられます。


