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「7月は納税に泣く」フリーランスへ。何を・いつ・どの順で納めるか

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「7月は納税に泣く」フリーランスへ。何を・いつ・どの順で納めるか
「7月は納税に泣く」フリーランスへ。何を・いつ・どの順で納めるか

確定申告を終えてひと息ついた7月、税務署から「予定納税」の通知が届いて戸惑った。フリーランスなら、そんな経験のある方もいるかもしれません。SNSでも「国保と予定納税に泣く7月」と悲鳴に近い声が並びます。会社員と違い、税金は自分で種類を知り、自分のタイミングで納めるもの。何を、いつ、どの順で納めるのかを、7月のいまから順に整理します。

フリーランスが納める税金の種類

まず、フリーランスに関わる税金の全体像をつかんでおきましょう。柱になるのは、所得税、住民税、個人事業税、消費税の4つです。

このうち、ほぼすべての方に関わるのが所得税と住民税です。所得税は1年間のもうけ(所得)にかかる国の税金で、確定申告で自分で計算して納めます。住民税は、その所得をもとに市区町村と都道府県へ納める地方税です。

個人事業税と消費税は、人によってかかります。個人事業税は、地方税法で定められた業種(法定業種)を営む方が対象で、もうけから年290万円の事業主控除を差し引いたうえで課税されます(東京都主税局「個人事業税」)。なお、個人事業税では所得税の青色申告特別控除は適用されず、税額計算では所得金額に加算されます。消費税は、後で触れるように売上の規模やインボイス登録の有無で、納める立場かどうかが決まります。

あわせて忘れたくないのが、税金と並んで自分で納める国民健康保険料と国民年金保険料です。これらは税金そのものではありませんが、フリーランスの手取りを大きく左右する固定的な支出です。しかも住民税や国民健康保険料は前年の所得をもとに決まるため、稼げた年の翌年に負担が重く感じられる点は、先に知っておくと安心です。

7月にやってくる予定納税というしくみ

7月に届く「予定納税」の通知は、フリーランスがつまずきやすいところです。これは、前年の実績をもとに、その年の所得税および復興特別所得税の一部をあらかじめ前払いする制度です。

対象になるのは、前年分をもとに計算した「予定納税基準額」が15万円以上になる方です(国税庁「No.2040 予定納税」)。対象の方には税務署から通知が届き、原則として予定納税基準額の3分の1の額を、第1期分と第2期分の2回に分けて納めます。

納める時期は決まっています。第1期分は7月1日から7月31日まで、第2期分は11月1日から11月30日までです。つまり、確定申告の時期だけでなく、年の途中にも納税のタイミングがある、と考えておくと資金の準備がしやすくなります。

ここで見落としやすいのが、減額してもらえる場合があることです。廃業や休業、業況不振などで、その年の見込みが前年より下がりそうなときは、税務署へ「減額申請」を出せます。第1期分をふくむ減額申請の期限は7月15日までなので、心当たりがあれば早めに動くのがおすすめです。なお、令和8年度税制改正における基礎控除の見直しは、予定納税額や減額申請の申告納税見積額の計算では考慮されず、確定申告の際に最終的な年間の所得税額で精算されます。

税金を左右する控除と青色申告

同じもうけでも、納める税金は「控除」で変わります。控除とは、税金の計算のもとになる所得から差し引ける金額のことで、種類を知っているほど手元に残るお金が変わってきます。

代表的なのが所得控除です。だれもが対象になる基礎控除のほか、支払った国民健康保険料や国民年金保険料を差し引ける社会保険料控除など、いくつもの種類があります。基礎控除などの金額は令和7年度・令和8年度の税制改正で見直されており、令和8年度改正分は原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。確定申告のときは最新の要件を確認しておくと安心です。

フリーランスならぜひ押さえたいのが、青色申告特別控除です。日々の取引を複式簿記で記帳し、貸借対照表などを添えて期限内に申告することなどを満たすと55万円の控除が受けられます。さらにe-Taxで申告する、または優良な電子帳簿保存を行うなどの要件を満たすと、最大65万円を所得から差し引けます(国税庁「No.2072 青色申告特別控除」)。55万円または65万円の要件に該当しない青色申告者は、10万円の控除が受けられます。使うには事前に「青色申告承認申請書」を税務署へ出しておく必要があるため、これから始める方は申請の段取りから確認しておきましょう。

フリーランスができる節税の段取り

節税と聞くと難しく感じますが、やることの順番はシンプルです。「経費を正しく計上する」「青色申告を使う」「共済を活用する」の順で見ていきましょう。

まず土台になるのが経費です。仕事に使った通信費や交通費、消耗品などを漏れなく計上すると、もうけが正しく圧縮され、その分だけ税金の計算のもとが小さくなります。日ごろから領収書やレシートを整理しておくことが、いちばん確実な節税の一歩です。

次が、先ほどの青色申告です。特別控除が受けられるだけでなく、赤字を翌年以降に繰り越せるなどの利点もあります。

さらに検討したいのが、共済制度の活用です。廃業や引退に備える小規模企業共済や、取引先の倒産に備える経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、加入要件を満たす個人事業主も対象です。小規模企業共済の掛金は全額が所得控除の対象になり、経営セーフティ共済の掛金は個人の場合、事業所得の必要経費に算入できます。掛け方や限度額は制度ごとに決まっているので、加入前に運営元の案内で確認しておくと確実です。

自分だけで判断が難しいときは、相談先を頼るのが近道です。青色申告会や商工会議所、税理士など、フリーランスの申告になじんだ相談先があります。

納めるときにつまずきやすい点

最後に、実際に納めるうえでつまずきやすい点をまとめておきます。

まず、消費税です。基準期間(個人の場合は前々年)の課税売上高が1,000万円を超えると、消費税を納める課税事業者になります(国税庁「No.6501 納税義務の免除」)。売上がこれ以下でも、インボイス制度の適格請求書発行事業者に登録している場合は納税義務が生じます。また、特定期間(個人の場合は前年の1月1日から6月30日まで)の課税売上高が1,000万円を超える場合なども、納税義務は免除されません。登録の有無とあわせて確認しておきましょう。

次に、納税のスケジュールです。所得税と復興特別所得税の確定申告は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに行います。住民税や個人事業税、国民健康保険料は、申告のあとに自治体から通知が届き、年の後半にかけて納めていく流れです。

そして、いちばんの落とし穴が資金繰りです。住民税や国民健康保険料は前年の所得をもとに決まるため、稼げた年の翌年にまとめて効いてきます。売上が入ったらすべて使い切らず、税金と保険料の分をあらかじめ別の口座に取り分けておくと、納付のたびに慌てずにすみます。

7月を起点に、払う順番で構える

フリーランスの税金は種類が多く時期もばらばらですが、所得税と住民税が柱で、人により個人事業税や消費税が加わるという大枠をつかめば見通しはよくなります。7月は予定納税の節目です。通知が届いたら金額と期限を確かめ、見込みが下がっていれば7月15日までの減額申請も検討しましょう。あとは経費の整理や青色申告を一つずつ積み重ね、迷ったときは青色申告会や税理士など身近な相談先に頼りながら進めれば、税金は無理なく管理できます。

《編集部》
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