※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事お金の価値観診断を更新「旅行・レジャーのお金のかけ方診断」2026年7月

お盆の帰省で親の家計が気になったら。扶養は「税」と「保険」で条件がまるで違う

ライフ 社会保障
お盆の帰省で親の家計が気になったら。扶養は「税」と「保険」で条件がまるで違う
お盆の帰省で親の家計が気になったら。扶養は「税」と「保険」で条件がまるで違う

お盆に実家へ帰ると、親の暮らしや家計がふと気になるものです。年金だけで足りているのか、医療費はどうしているのか。そんなときに浮かぶのが「親を扶養に入れる」という選択肢です。ただし、税金の扶養と健康保険の扶養は、収入条件や同居・別居の扱い、得られる効果が異なります。二つの違いを整理します。

親の扶養には「税金」と「健康保険」の二種類

「親を扶養に入れる」と言うとき、実は二つのまったく別の制度が混ざっています。一つは税金の扶養で、所得税や住民税が軽くなる仕組みです。もう一つは健康保険の扶養で、親が自分で保険料を払わずに医療を受けられる仕組みです。

大切なのは、この二つは条件も手続きも別々だという点です。税金の扶養に入れられても、健康保険の扶養には入れないことがありますし、その逆もあります。まずはそれぞれの入口を分けて考えると、迷わずに済みます。

手続きの窓口も違います。税金の扶養はご自身の勤務先の年末調整や確定申告で、健康保険の扶養は勤務先を通じた届け出で申請します。以下では、税金、健康保険の順に、入れる条件と気をつけたい点を見ていきます。

税金の扶養に入れる条件と控除の額

まず税金の扶養から見ていきましょう。親を税金上の扶養に入れると「扶養控除」が使え、その分だけ所得税と住民税が軽くなります。

入れるための条件は、大きく三つです。親とご自身が生計を一にしていること、親の年間の合計所得金額が一定額以下であること、そして親が事業専従者として給与を受けていないことです。ここでいう所得要件は、まず所得税と住民税を分けて確認します。

所得税では、令和7年分は合計所得金額が58万円以下(収入が給与だけなら年収123万円以下)です。令和8年分の所得税では、令和8年12月1日施行の改正により、年末調整・確定申告で見る扶養親族の所得要件が合計所得金額62万円以下(令和8・9年分で収入が給与だけなら年収136万円以下)となります。令和8年11月までの給与等・公的年金等の源泉徴収事務には変更がないため、手続きの時期で扱いが変わる点に注意しましょう。

住民税は翌年度課税のため、実際の年度の扱いは自治体の案内も確認すると安心です。ここで見落としやすいのが、生計を一にするとは同居に限らないという点です。別居していても、生活費や療養費を定期的に仕送りしていれば、生計を一にしていると認められます。

気になるのが、親が年金で暮らしている場合の判定です。

年金収入は、公的年金等控除を差し引いた後の金額で所得を見るため、年金額そのものと所得要件を単純に比べるわけではありません。年金と給与の両方があるときはさらに計算が複雑になるので、迷ったら勤務先の担当や税務署に確認すると確実です。

控除の額は、親の年齢と同居しているかどうかで変わります。所得税では、その年の12月31日時点で70歳以上の親は「老人扶養親族」となり、同居していない場合の控除額は48万円、同居している場合は「同居老親等」として58万円です。70歳未満なら一般の扶養親族として38万円になります。

住民税では金額が異なり、一般の扶養親族は33万円、老人扶養親族は38万円、同居老親等は45万円です。同居の判定では、老人ホームへの入所は同居に含まれない一方、入院が結果として長期にわたる場合は同居として扱われる、という点も覚えておくと安心です。

健康保険の扶養に入れる条件と年齢の壁

次に健康保険の扶養です。こちらに入れると、親はご自身が加入する健康保険の被扶養者となり、親自身が保険料を負担せずに医療を受けられるようになります。

収入の条件は税金とは別に決まっていて、親の年間収入が130万円未満であることが基本です。ただし、親が60歳以上の場合や障害者の場合は、180万円未満まで認められます。ここでいう年間収入は、これから先の見込み額で見る点、そして年金も収入に含まれる点に注意してください。

さらに、同居か別居かで追加の条件がつきます。親と同居している場合は、原則として親の収入が被保険者であるご自身の収入の半分未満であることが条件です。

ただし、親の収入がご自身の収入の半分以上であっても、ご自身の年収を上回らず、日本年金機構が生計維持の状況を総合的に見て、ご自身が生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは、被扶養者になることがあります。別居している場合は、親の収入がご自身からの仕送り額より少ないことが求められます。

仕送りは、金額と記録が確認できるよう、銀行振込など形に残る方法で続けるのが安心です。

見落としやすいのが、年齢による線引きです。

親が75歳になると後期高齢者医療制度の対象となり、この制度の被保険者は健康保険の被扶養者にはなれません。つまり75歳以上の親は、収入がいくら低くても健康保険の扶養には入れない、ということです。65歳以上75歳未満でも、一定の障がいがあり、申請により後期高齢者医療広域連合から認定を受けた人は、後期高齢者医療制度の対象になる場合があります。

この場合でも税金の扶養には年齢の上限がないため、条件を満たせば扶養控除は使えます。

扶養に入れる前に確かめたい注意点

扶養に入れる前に、いくつか確かめておきたい点があります。ここを押さえておくと、あとで「思っていたのと違った」と慌てずに済みます。

まず、医療費の自己負担の上限です。医療費が高額になったときに払い戻される「高額療養費」の自己負担の上限は、年齢や所得区分によって変わります。健康保険では、被保険者・被扶養者ともに、被保険者の標準報酬月額などを基にした区分で自己負担限度額が決まる場合があります。親を健康保険の扶養に入れることで、親がもともと低い上限の適用を受けていた場合には、かえって上限が上がることがあります。

次に、親自身にとって有利かどうかの見極めです。親が働いていて自分の健康保険を持っている場合や、国民健康保険で保険料の軽減・自治体独自の医療費助成を受けている場合など、無理に扶養へ移すとかえって不利になるケースもあります。扶養に入れることが常に得とは限らない、という視点を持っておくと判断を誤りません。

そして、二つの扶養は連動しないという点です。税金の扶養に入れたからといって、健康保険の扶養にも自動で入るわけではありません。

それぞれの条件を別々に確認し、必要な手続きをそれぞれ行う必要があります。

帰省のうちに、親と確かめておく順番

親を扶養に入れるかは、税金と健康保険の二つを分けて順番に確かめるのがこつです。まずは親の年間の収入と年齢を把握し、次に税金の扶養、健康保険の扶養の順にあてはめてみましょう。お盆で実家に集まるこの時期は、親の年金額や医療の状況をさりげなく聞いておく良い機会です。数字を細かく詰める前に、どちらの扶養に入れそうか見当をつけておくだけでも手続きは進めやすくなります。迷うときは税務署や協会けんぽ、年金事務所の窓口に相談ください。

《編集部》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

編集部

執筆者: 編集部 編集部

読者の皆様のマネースキルアップにつながる情報をお送りしていきます。 リリース窓口:contact@manetatsu.com 運営会社:株式会社イード

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事

特集