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退職しても住民税は追いかけてくる。「無職なのに約40万円」の納付書が届くワケ

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フリーランスの税金は種類が多い。7月の予定納税から、払う順番で整理する
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「退職しました、しばらくゆっくりします」。そう思っていた矢先に住民税の納付書が届き、「無職で収入ゼロなのに、なぜ?」と絶望する。カラクリは、住民税が"去年の稼ぎ"にかかる後払いの税金だから。前年に所得があれば、辞めても支払い義務は消えません。退職後の住民税がどう届き、どう納めるのかを順番に整理します。

退職後も住民税を払い続ける仕組み

まず押さえておきたいのが、住民税は「前年の所得」に対してかかる税金だという点です。その年に納める住民税は、前の年の1月から12月までの所得をもとに計算されます(東京都主税局「個人住民税」)。つまり、いま収入がなくても、前年に働いて得た課税対象となる所得があれば、その分の住民税を翌年に納めることになります。

この仕組みがあるため、退職して給料が入らなくなっても、住民税の請求は後からやってきます。「もう働いていないのに、なぜ税金が来るのか」と感じやすいのは、この後払いの性質が理由です。前年分の精算が翌年に回ってくる、と考えておくと戸惑いにくくなります。

退職を控えている方は、辞めたあとにも前年分の住民税が残っている前提で、手元の資金を見ておくと安心です。収入が途切れる時期と納付が重なることもあるため、あらかじめ心づもりをしておきたいところです。

給与天引きから納付書への切り替わり

在職中の住民税は、多くの場合「特別徴収」という方法で納めています。これは、会社が毎月の給与から住民税を差し引いて、本人に代わって納める仕組みです。給与所得者は、6月から翌年5月までの毎月の給与から特別徴収されるのが原則です(東京都主税局「個人住民税」)。

退職すると、この給与天引きが続けられなくなります。そこで登場するのが「普通徴収」です。普通徴収は、市区町村から送られてくる納税通知書、いわゆる納付書を使って、本人が自分で納める方法です。退職を境に、会社任せだった納付が自分の手に移る、と捉えておくとわかりやすくなります。

気になるのが、まだ納め終えていない残りの住民税の扱いです。この残額をどう納めるかは、退職した時期によって変わります。次で具体的に見ていきます。

退職した月で変わる残りの住民税の納め方

退職の時期は、大きく三つに分かれます。それぞれ残額の徴収方法が違うので、自分がどれにあたるかを確認しておくと動きやすくなります(東京都主税局「特別徴収にかかる手続きについて」)。

1月1日から4月30日までに退職した場合は、残りの住民税がまとめて徴収されます。最後に支給される給与や退職金などが残額を上回るときは、本人の申し出がなくても、5月31日までに支給される給与や退職金から一括で特別徴収される決まりです。手取りが思ったより少なくなることがあるため、退職金の見込みを立てるときに気をつけたい点です。

5月中に退職した場合は、その月分を最終月分として特別徴収で納めて完了します。

6月1日から12月31日までに退職した場合は、特別徴収できなくなった残りの税額が普通徴収に切り替わり、本人が納付書で直接納めます。この場合でも、本人が希望して申し出れば、残額を給与や退職金からまとめて特別徴収してもらうこともできます。まとめて払うか、後日届く納付書で分けて払うかを選べる、と考えておけば十分です。

普通徴収の納期と夏に届く納付書

普通徴収に切り替わると、市区町村から納付書が届きます。ここで気になるのが、いつ、いくらの請求が来るのかという点でしょう。普通徴収は年4回に分けて納めるのが基本で、納期は第1期が6月末、第2期が8月末、第3期が10月末、第4期が翌年1月末とされています(東京都北区「普通徴収の納期限」)。具体的な納期限は自治体によって多少異なる場合があるので、届いた納付書に記された期限を確認しておくと確実です。

いまは7月で、ちょうど住民税の納付シーズンの只中です。6月末の第1期に続いて、まもなく8月末の第2期がやってきます。退職して普通徴収に切り替わった方のもとには、この納期に合わせて納付書が届く流れになります。届いた納付書は、金融機関やコンビニのほか、eLマークやeL-QR・eL番号がある納付書であれば、地方税お支払サイトのクレジットカード等や、eL-QR対応のスマートフォン決済アプリで納められる場合があります。

ここで見落としやすいのが、1回あたりの負担感です。給与天引きのときは12か月に分けて少しずつ引かれていたものが、普通徴収では年4回にまとまるため、1回の金額が大きく感じられます。金額そのものが増えるわけではありませんが、支払いのリズムが変わる点は頭に入れておきたいところです。

再就職したときの特別徴収の手続き

退職後に転職して新しい勤務先に入る場合は、住民税を再び給与天引き、つまり特別徴収に戻すこともできます。その際は、勤務先を通じて「特別徴収への切替申請書」などを市区町村へ提出する手続きが必要です。手続きは会社の担当部署が窓口になることが多いので、入社時に相談しておくとスムーズです。

たとえば、退職して数か月は普通徴収の納付書で自分で納め、再就職後の分から特別徴収に切り替える、という進め方ができます。すでに納期限を過ぎた分や過年度に相当するものは、特別徴収への切り替えができない点に注意しておきましょう。

退職から次の勤務先までに間が空くときは、その間の住民税は普通徴収で納めておき、落ち着いてから特別徴収への切り替えを検討すれば問題ありません。

退職後の住民税でつまずきやすい点

最後に、退職後の住民税でつまずきやすい点をまとめておきます。どれも仕組みを知っていれば慌てずにすむものばかりです。

まず、納付書がなかなか届かないと感じることがあります。前年の所得をもとに税額を計算し、退職の届け出を受けて普通徴収に切り替える手続きには時間がかかるため、退職からしばらく経ってから届くことがあります。届かないからといって支払いが不要になるわけではないので、心配なときは住んでいる市区町村の窓口に確認しておくと安心です。

次に、引っ越し前の自治体から請求が来ることがあります。住民税は毎年1月1日時点で住んでいた市区町村が課税するため、その後に引っ越しても、前の自治体から納付書が届く場合があります。宛先が今の住まいと違っても、慌てずに納めれば問題ありません。

そして、収入が途切れて納付が難しいときは、ためこむ前に相談するのが肝心です。放っておくと延滞金がかかることがありますが、事情によっては納付方法の相談や、徴収猶予・換価の猶予の申請に応じてもらえる場合があります。まずは市区町村の窓口に早めに声をかけておきましょう。

退職後の住民税は、順番を知れば怖くない

退職後の住民税は、前年の課税対象となる所得にかかる後払いだという性質さえつかめば難しくありません。給与天引きから納付書へ切り替わること、辞めた月で残額の納め方が変わること、普通徴収は年4回に分けて納めること。この三つを知っておけば、納付書が届いても落ち着いて対応できます。いまは7月と、ちょうど納付シーズンです。届いた通知書の納期と金額を確かめ、迷ったときは市区町村の窓口に相談すれば一つずつ進められます。

《編集部》
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