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ファイナンシャルプランナーのセミナー受講時の注意点

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ファイナンシャルプランナーのセミナー受講時の注意点

  先日、退職後の家計管理についてのセミナーで質問をいただいた。「いろんなセミナーに行っていますが、どれも先々の不安の種を教えていただけるようなセミナーでした。しかし今日は違いました。そんな考え方でいいのでしょうか?」

  実際はもうちょっと違う言葉であったが、大体こんな内容であった。

  「年を取ると入院する機会が増えるから、しっかり保険に入りなさい」
  「今後インフレが懸念されるから、預貯金だけでなく投資をしなさい」
  「退職後に貯蓄が底をつくと大変だから、生活を切り詰めなさい」

  このようなメッセージを過去のセミナーで受け取られたのだろう。全部、間違ってない。ファイナンシャルプランナーという人たちの常識に近いメッセージだと思う。

  ただ、それぞれ、別のメッセージも同時に発信してほしかった。発信していたのかもしれないが、届き切らなかったのかもしれない。

こんな風に発信することもできる

  「年を取ると入院する機会が増えるから、しっかり保険に入りなさい」

  →その前に、ストレスを貯めない食生活や定期的な健康診断を心がけて、病気やケガを予防したり、公的な保険制度についても知っておこうよ

  「今後インフレが懸念されるから、預貯金だけでなく投資をしなさい」

  →無理して投資を始め、日々ドキドキしながら過ごした結果のインフレ対応と、多少の目減りは生活費として覚悟した上での生活を天秤にかけてみようよ

  「退職後に貯蓄が底をつくと大変だから、生活を切り詰めなさい」

  →お金は使うためにあるもの。何にお金をかけるかは、人生観で変わって当然。生きてく上で大切にしたい想いとかモノとかに、しっかりお金を割り当てればいい

自分のなかで噛み砕いて消化することが大事

  以前、ばあちゃんの遺言は「株には手を出すな」だった、という方にお会いした。それはそれでいいじゃないか。ベストかどうかは別として、選択肢は世の中にたくさんある。ベターな選択肢を探せばいいし、そのお手伝いをするのがファイナンシャルプランナーだ。

  不特定多数を対象とするセミナーでは、最大公約数的な話をせざるを得ない。でも、自分は他人とは違うし、標準とか普通なんてものはない。それに、どの立場からのセミナーなのか、ここもポイントである。ファイナンシャルプランナーは中立公正な立場からアドバイスをする、ということになっている。しかし、中立公正なんて不可能だ。幻想である。

  私自身、その時に自分なりに正しいと判断したことに基づいて話をさせていただいているが、自分の考えが唯一無二の正しい考えであるなんて思っちゃいない。

  今後「中立公正」なファイナンシャルプランナーのセミナーを受講する方には、「こうでなくてはいけない」という聴き方ではなく「この考え方、ヒントになるかも」と、選別しながら参加されることをおすすめしたい。

  以上、自分の立場を棚上げした上でのアドバイスでした。

《古川 みほ》
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古川 みほ

古川 みほ

暮らしのお金の保健室 帝京大学非常勤講師、NPO法人FPネットワーク神奈川理事長。旅行会社、電話会社、損害保険会社、投資顧問会社、生命保険会社、保険代理店に勤務後、2000年に独立。知識やデータだけでは解決できない、ライフプランや家計にまつわる相談、講師、FP養成講座テキスト等執筆活動を行っている。不安や迷いやグチをしっかり聴き、相談者ご自身で解決できる力を蓄えるため、必要に応じて手とり足とりサポートできることが持ち味。 <保有資格>:ファイナンシャルプランナー(CFP®、1級ファイナンシャルプランニング技能士 ※登録名「仲井間 美穂」)、社会教育主事、2級キャリア・コンサルティング技能士 寄稿者にメッセージを送る

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