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超高齢化社会の現代

親の介護は多くの方が遭遇する試練です。
心身ともに弱り表情をかえていく親とのかかわり、病気との戦い、この先いつまで続くのか、先の見えない生活に経済的な不安も募ります。
そんな中でも気持ちよく毎日を暮らすには、周囲の人たちとのより良い関係こそが不可欠です。
どのようにコミュニケーションをとればよいのか、考えてみましょう。
ケアマネジャーには、しっかり「伝える」、「聞く」、「受け入れる」
いくら年老いても、人一人の生活を家族だけで支えていくのは、無理がでてきます。
そこで頼りになるのが、ケアマネジャーです。
あなたや親を含めたご家族にどんなサービスが必要なのか、求めるニーズを把握しケアプランを作成し、適切なサービスが受けられるように自治体や各事業者に依頼するのが役割です。
介護保険でカバーされる範囲は多岐に渡り、ディサービス、ショートステイ、訪問介護、訪問リハビリテーション、訪問看護、住宅改修、福祉用具のレンタルや購入補助までさまざまです。
筆者父の場合
癌を患い自宅看取りをした筆者の父は、実際に数多くのサービスを使用しました。
・ 手すりをトイレや廊下に設置
・ 介護タクシーで病室のベッドから一歩も歩かず、ストレッチャーで自宅に戻る
・ 訪問介護
・ 病状が進行すると訪問看護、訪問診療で痛みの緩和や救急時をサポート
・ お風呂に自力で入れなくなってから、入浴サービスを利用し寝室でお風呂に入れてもらう
・ 電動の介護用ベッドをレンタルするなど
家族だけでは知識がなく、お得に使う術もわからないので、そこまでしてあげられなかったと思います。
そのため、ケアマネジャーとの相性はとても大切です。

求める介護の状況は、家庭それぞれに違います
ベストマッチしたプランを考えてもらうためには、経済状況や家族関係など普通は他人には話さない、言いたくないところも場合によっては打ち明ける必要があります。
そこまで話せる信頼感が持てるか、見極めなければなりません。
さらに、
・ 対応が誠実
・ 知識や情報が豊富
・ 気軽に相談できる
・ 対応がはやい
・ サービスを押しつけない
などは要チェック事項です。
コミュニケーションで大切な3つのポイント
介護の主役はご本人と家族です。
ケアマネジャーに希望だけを丸投げするのは、いただけません。
2. 介護のスペシャリストからよりよい知恵と情報を得るためにもしっかり「聞く」
3. ケアマネジャーの提案を「受け入れる」柔軟性を持つ

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日々の暮らしをサポートするヘルパーには、感謝を忘れずに
実際に毎日の暮らしを助けてくれるのが、介護ヘルパーです。
その仕事内容は、
・ 食事介助、入浴介助、排泄介助、または歩行介助などの「身体介護」
の2種に分類され、それぞれの家庭のニーズに合ったものが提供されます。
ヘルパーは高齢者の身体介助のスペシャリストです。
勉強熱心なヘルパーは、専門的な知識が豊富です。
日常の何気ないちょっとしたこと、例えばお年寄りの重い体をすっと起こす方法やオムツのことなど、知れば役に立つ知恵を持っていることがあります。
介護生活に慣れないうちは特に、プロのやり方を観察し教えを乞うことも暮らしをよりよくする秘訣といえるでしょう。
介護が長引くと家族も疲れる
介護が長くなればなるほど、状況は厳しくなり家族には逃げ場がなくなり、余裕も失われます。
筆者は、元気なヘルパーの方の「こんにちは~」という声や手際よさに、滅入る気持ちが救われるように感じ、力を取り戻せたという記憶があります。
ただ、ケアマネジャーが利用者ごとに1人担当がつくのとは異なり、ヘルパーは複数が従事されるのがほとんどです。
同じ業務にあたっても人それぞれ力加減は異なります。
直接体に触れることがあるため、お年寄りにも「合う、合わない」が比較的出やすいかもしれません。
けれどもヘルパーと家族は、お年寄りを支える両輪です。
仕事とは言え下の世話のようなシンドイこともしてもらっているのだから、感謝の言葉を忘れずに、思いを丁寧に伝えることが大切です。

抱え込まず、しっかり伝達
手がかかるといえば、子どもが小さい頃も同じではあります。
しかしお年寄りの介護生活には、子どもの成長のように明るいニュースが乏しくなります。
ケアマネジャー、ヘルパー、親戚、兄弟と必死に支えあわなければつぶれてしまいます。
だからこそ、介護生活にはコミュニケーションが不可欠、伝え合う努力が必要です。(執筆者:吉田 りょう)
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