確定申告の時期になると、

「必要書類は何か、介護サービスの利用は医療費控除の対象にはなるのか、ならないのか…」

と考える人は多いのではないでしょうか。

「今から考えてももう遅い」という思いから、調べることをあきらめてしまう人もいることでしょう。

介護サービスの利用では、主に医療系のサービスは医療費控除の対象です

医療費控除の対象となる介護サービスは、福祉系、医療系、医療と福祉を合わせて利用した場合など複雑に決められています。

今回は、医療費控除の対象となる介護サービスと、過去にさかのぼって申告できるかどうかについても紹介します。

介護費全てが医療費控除の対象となるもの

車いすに乗る老人とそれを押す女性

かかった介護費すべてが医療費控除の対象となるサービスは次のとおりです。

介護予防系

・ 介護予防訪問看護

・ 介護予防訪問リハビリテーション

・ 介護予防居宅療養管理指導

・ 介護予防通所リハビリテーション

・ 介護予防短期入所療養介護・訪問看護

要介護系

・ 訪問リハビリテーション

・ 居宅療養管理指導

・ 通所リハビリテーション

・ 短期入所療養介護

その他

・ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合のみ)

・ 複合型サービス(生活援助中心型の訪問介護の費用を除く)

領収書の保管は必要か

上記の介護サービスについては、かかった費用の全てが医療費控除になるので、サービス提供事業所から発行された領収書を保管しておきましょう

これまでは「医療費控除に必要だから」と、病院や薬局などでもらった領収証を確定申告に備えて保管しておいたものです。

確定申告の時期になると、急いで探したりするなどなかなか手間がかかる作業でした。

しかし現在は、健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」を添付することで申告が可能になっています。

以前とは異なり、医療費控除のための準備が簡素化されているので、

「医療費のお知らせ」と介護サービスの領収書を準備しておく

とよいでしょう。

施設系サービスと医療費控除

老人介護施設・施設でくつろぐ母

上記以外の介護サービスでも対象になるサービスはあります

例えば、施設系のサービスです。

参考までに以下に簡単に挙げておきます。

・介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設、介護医療院は月額利用料の全額

・特別養護老人ホーム、指定地域密着型介護老人福祉施設では月額利用料の1/2

その他にも、介護サービス種類の組み合わせによって医療費控除の対象になる場合もあるので「介護サービスは医療費控除の対象にならない」とあきらめずに調べてみましょう。

過去にさかのぼって申告することは可能か

確定申告し忘れた医療費や、医療費控除の対象となる介護サービス利用料がある方もいるかと思います。

実は、医療費控除は5年前までさかのぼって確定申告できます

そのため、ふいに出てきた病院や通所リハビリの領収書なども捨てずにおきましょう。

ただし、6年以上さかのぼることはできないので注意が必要です。

あきらめずに申告してみる

「介護と医療は別物で、医療費控除の対象に介護サービスが該当するとは全く思っていなかった」

という方にとって耳より情報になっていると幸いです。

また、過去にさかのぼって申告することもできるので、今まで知らなくて損をしていたという方もあきらめないで、5年以内であれば申告してみてはどうでしょうか。

もしも、領収書を紛失してしまっていても、多くの介護事業所では介護請求ソフトを取り入れているので、事情を話せば再発行してくれる事業所もあるかもしれません。

確定申告はインターネットでもできる時代になりました。

知識とツールをフル活用して、チャンスを生かしてみましょう。(執筆者:老人ホーム施設長 佐々木 政子)