コロナ禍の世界で感じるのは、「人生は、いつ何が起こるかわからない」です。

何十年も返済し続ける住宅ローンとなれば、より慎重にならざるを得ません。

今まで以上に、「万が一」時の対応を考えねばならなくなりました。

私は住宅ローンの選択肢の中で「補欠」だったフラット35の、「危機対応の強さ」に注目しています。

補欠だったフラット35の強み

金融機関が貸し出す住宅ローンのシステムと比較しながら、フラット35の強みを検証します。

変動金利に比べて金利が高く、使い勝手の悪いフラット35ですが「危機対応」の強さを知ってください。

コロナ禍後「フラット35」に注目

コロナ禍の現在、100年に1と言われる「人智を超えた事態」になっています。

感染防止策の経済活動制限により、失業や収入減少が大きな問題になり、住宅ローン返済を滞納される方が増えています。

コロナ禍以降の住宅ローンについて、私はフラット35を注目しています。

理由は何が起こるかわからない状況の中で、金利の決定権を、

・ 銀行などの金融機関は、金融機関が握っている

・ フラット35は、借主が主導権を持っている

具体的に例を挙げれば、

・ フラット35は、優遇金利制度を採用していないので、金利が変わらない

・ フラット35は全期間固定金利

・ 景気変動で政策金利や他の金利があがっても、金利が変わらない

・ フラット35を提供する住宅取得支援機構は国の独立行政法人で、万が一時の救済制度が明確

「金利は高いけど、審査が通りやすいフラット35」

住宅業界ではこのようなイメージが強いのです。

適合証明が必要などの手間や費用も掛かりますが、それでもフラット35をおすすめします。

フラット35は金利が変わらない

フラット35は、優遇金利制度を採用していないので、金利が変わりません。

住宅ローンの種類

1. 住宅金融支援機構が運営するフラット35(住宅ローンシェア10%)

フラット35は、金融機関やモーゲージバンクなどが融資した住宅ローンを、住宅金融支援機構が譲り受けます。

融資、返済などの手続きは窓口の金融機関、モーゲージバンクを通して行いますが、貸出先は独立行政法人 住宅金融支援機構です。

2. 銀行などの金融機関が直接貸し出す住宅ローン(住宅ローンシェア90%)

金融機関が貸し出す住宅ローンの9.5割は10年以下の変動金利です。

住宅ローン全体では、8.5割が変動金利です。

金融機関の住宅ローンは二重構造

元来は基準金利(店頭金利)にて、貸し出されますが、給料や公共料金を貸出金融機関に指定します。

与信能力の高い人は金利が優遇されます(優遇金利)。

基準金利 – 優遇金利 = 貸出金利

実際には、ほとんどの方が優遇金利が適用された契約をしています。

基準金利(店頭金利)の実例

次の表の事例は、ある地方銀行の利率を示したものです(2020年5月31日現在)。

地方銀行の利率

※ 10年以上のローンは、優遇金利がない場合もある

優遇金利の危うさ

金融機関にとって住宅ローンの返済を1度でも滞納する人は、与信能力の高い人ではありません。

個人信用情報機関に滞納の記録が登録されると、金融機関は与信能力に不安を感じます

1度でも滞納があった場合、継続して優遇金利を適用するかどうかは金融機関の判断です。

金融機関が優遇金利を適用しないと、住宅ローンの返済は基準金利で計算されます。

実例を示します(優遇金利が2%を想定)

住宅ローンの返済は基準金利で計算

・ 月当たり3万の支払い増

・ 年間36万の支払い増

もし、金融機関から優遇金利を適用してもらえないと、家計は破綻してしまいます。

フラット35は金利が変わらない

フラット35には、約定金利以外の金利はありません

原則的に返済ができなくても、契約上返済金利があがることはありません

※ 滞納の際には、遅延損害金を請求される可能性はあります。

フラット35の全期間固定金利が今後さらによい理由

フラット35の固定金利は全期間にわたるものですが、それゆえに今後はますます心強い存在になりそうです。

その背景を見ていきましょう。

経済の不安定化

新型コロナウィルス感染予防のため、各国で経済活動が制限されました。

日本でも消費税増税と重なって、今年に入ってGDPは軒並み低下しています。

リーマンショックを超える不況になるとも言われているのです。

今までのような「安定した金利状態」が変わるかもしれません

先行き不透明な住宅ローン金利

現在、いわゆるマイナス金利政策が続いています。

貸手(金融機関等)の調達金利はゼロに近く、貸し出される住宅ローンも歴史的な低金利状態です。

よって住宅ローンが今後、大きく下がることはないと思います。

現在、住宅ローン金利に大きな変動はありません。

今後、コロナ関係で急激な景気の変動があった場合には、金利が上がるかもしれません。

変動金利は返済が続く間、6か月ごとに金融機関が金利を設定できます。

期間固定金利は、契約期間終了時に金融機関が金利を設定します。

フラット35は、契約した金利が変わることがありません

住宅金融支援機構は国の独立行政法人である安心感

フラット35の安心感

住宅金融支援機構が発表した、コロナ対応は迅速で明快

フラット35は住宅金融支援機構が債権者(貸主)です。

住宅金融支援機構は世界中にいる新型コロナウィルスによる住宅ローン返済困難者に対し、以下の対応を発表しました。

相談先、返済特例(メニュー)、手続きの流れを明確に提示しています。

概略を次に紹介します。

返済方法の変更メニュー

・「返済特例」返済期間の延長

・「中ゆとり」一定期間、返済額を低減

・ ボーナス返済の見直し

返済特例の概要(適用条件)

・ 年収が機構への年間返済総額の4倍以下

・ 月収が世帯人数*6.4万以下

・ 住宅ローンのの年間返済額の返済負担率が一定以上で収入減少割合が20%以上

手続きの流れ

・ 返済中の金融機関か住宅金融支援機構各支店に相談

・ 返済方法変更申請

・ 審査

・ (適用可能の場合)金銭消費貸借契約の変更契約

参照:住宅金融支援機構

金融庁から指導があってもばらつく金融機関の対応

銀行などの金融機関の対応はホームページなどで発表されていません

返済困難者に前向きな対応をするよう、金融庁から各金融機関に指導されているようです。

金融庁からのおねがい

≪画像元:金融庁(pdf)≫

ただし、強制力があるわけではないと思われます。

返済猶予などの対応がされているようですが、ケースバイケースのようです。

組織の強さ

返済猶予などの対応は、金融機関の経営状態によっても左右されるようです。

特にマイナス金利の影響で地方銀行の経営は苦しい状況です。

住宅ローン返済困難者に対して返済猶予などをしたくとも、経営状態が芳しくなく対応できない金融機関もあるようです。

フラット35を運営する住宅取得支援機構は、国の独立法人ですので安心感があります。

メリット、デメリットを知って選ぶ

上手に使えばいいところがたくさん

フラット35は金融機関の住宅ローンに比べて使い勝手が悪い面があります。

・ フラット35は団信が金利に入っていない(金利に含めるプランもある)

・ 事務手数料や保証料が高い

・ フラット35を扱うモーゲージバンクの店舗が少ない(特に地方)

・ 適合証明に費用が掛かる

※ 費用は掛かりますが、適合証明を取得するとたくさんのメリットがあります。

金利は1.3%程度で、お手頃感はあります。

また、インターネット上で手続きが完結する融資も増えてきました。

住宅ローンを選ぶ際には、ぜひ候補に入れてほしいと思います。(執筆者:金 弘碩)