先日、楽天証券におけるNISAでの国内ETF買付代金ランキングを見ていると、個人投資家の驚くべき実態が映し出されていました。

NISAランキングなので、「長期保有向けの銘柄」が並ぶのかと思いましたが「短期での利ザヤ狙いの銘柄」が多かったのです。

今回の記事では、ランキングの内容を紹介しながら、NISAでの投資に向いている銘柄、向いていない銘柄について解説します。

NISAでの運用に「向いていない銘柄

NISAでの国内ETF買付代金ランキング

2020年7月1日~31日の楽天証券におけるNISAでの国内ETF買付代金ランキングより、上位5銘柄を抜粋します。

上位5名銘柄は次の通りでした。

1位:
日経ダブルインバース上場投信

2位:
純金上場信託

3位:
NEXT FUNDS日経レバレッジ・インデックス連動型上場投信

4位:
楽天225ダブルベア

5位:
NEXT NOTES 日経TOCOM 原油ダブルブルETN

ランキングにあがっている銘柄は値動きが激しく、個人投資家が扱うには難しい銘柄が多いのです。

空売りやレバレッジ、逆張り思考で利益を出そうと考える個人投資家が多いのか、投資よりも投機的な思考が伺えます

次に、ランキング1~3位の銘柄を順に説明します。

1位:日経ダブルインバース上場投信とは

日経ダブルインバースの言葉を分解して考えてみます。

インバース(inverse):「逆」という意味

ダブル:2倍の値動きを目指す

つまり、日経ダブルインバース上場投信とは、日経平均株価と逆の動きを2倍でする上場投信(ETF)ということです。

日経平均株価が1%上がった際に、反対に2%下がるという仕組みを持つ商品です。

もし、日経平均株価が1%下がれば、2%上がります。

日経平均株価が下がる見込みがある場合に日経ダブルインバース上場投信に投資すればよいと思われるかもしれませんが、

日経ダブルインバース上場投信は長期の投資には不向き

です。

日経ダブルインバース上場投信は、

日経平均株価1日の動きに対して−2倍で推移しますが、複数日の株価推移が−2倍というわけではない

ためです。

日経ダブルインバース上場投信は、短期売買で利益を狙う商品なのです。

2位:純金上場信託とは

純金上場信託
≪画像元:楽天証券

純金上場信託とは、金(GOLD)の理論価格を目指すETFです。

金価格は2020年に入ってから上昇しており、2020年8月6日に金価格が最高値をつけました。

純金上場信託は東証で売買できるため、個人投資家でも簡単に金に投資できます。

金価格の上昇を背景に純金上場信託に人気が集まったのでしょう。

3位:NEXT FUNDS日経レバレッジETFとは

NEXT FUNDS日経レバレッジETFは、日経平均株価の2倍の動きをするETFです。

日経ダブルインバース上場投信と似ていますが、逆の動きをする銘柄ではありません

また、日経ダブルインバース上場投信と同様に、相場の流れをうまくとらえられた場合には大きな収益を期待できます。

しかし、相場を読み間違えた場合には損失が大きくなります

NISAでの買付はどのような銘柄がよいか

3つの銘柄から分かるように、NISAでの国内ETF買付ランキングに名を連らねている銘柄群には、短期集中で利益を出すタイプのものが目立ちました。

しかしながら、NISAは金融庁が「家計の安定的な資産形成の支援」を目的に導入した制度であり、短期での利ザヤ狙いの商品には不向きです。

また、NISA内で取引した銘柄は特定口座で預かっている銘柄と損益通算したり、3年間の損失繰越控除(確定申告が必要)を適用できません

本来であれば、投機的な性格を持つ銘柄はNISAで取引すべきではありません。

「証券会社の買付ランキングにランクインしている銘柄=人気があり、安心して買える銘柄」と考えてしまいそうですが、実は個人投資家には扱い難い銘柄がランクインしている場合も多く、ランキングを頼りに銘柄を選ぶ際には注意が必要です。(執筆者:元証券ウーマン 安田 小夏)