※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

【付加年金】2年で元がとれる別名「お宝年金」 仕組み・対象者・メリットと留意点を解説

税金 年金
【付加年金】2年で元がとれる別名「お宝年金」 仕組み・対象者・メリットと留意点を解説

「付加年金」とは

付加年金とはどんなしくみなのか

「お宝の公的年金」とは、マネー雑誌や情報サイトなどで時々紹介されている「付加年金」のことです。

ここでは、なぜ「お宝年金」と呼ばれるのか、その所以や仕組み、加入条件などを深堀りして触れてみます。

付加年金」は、国民年金の老齢基礎年金部分に上乗せされる公的年金のことで、対象者は第1号被保険者(国民年金の任意加入者も含む)のみです。

なぜ「お宝年金」と呼ばれるのか

この年金は、毎月400円の保険料を納付、その支払い総額が2年間で受け取る年金額と同額です。

つまり、

「2年分の年金受給額」=「保険料の納付総額」
年金受給時から2年間で支払総額の元を取れて、しかも一生涯にわたって受給額が変わらない

ためにそう呼ばれているのです。

シンプルな「国民年金」の仕組み

国民年金には、

主に退職後に受取る「老齢基礎年金」

障害になった時に受取る「障害基礎年金」

遺族に対して受給される「遺族基礎年金」、「死亡一時金」、「寡婦年金」

などがあります。

国民年金は、20歳以上60歳未満で日本国内に住所のあるすべての人(外国人も含む)が加入しなければなりません。

国民年金の被保険者は、第1号被保険者~第3号被保険者のいずれかに属します。

国民年金被保険者の分類

第1号から第3号の呼称は、国民年金に付けられた分類です。

【第1号被保険者】

フリーランス、自営業者、農林水産業者、アルバイト、学生などが該当し、保険料は加入者自身が負担します。

【第2号被保険者】

サラリーマンや公務員などの給与所得者で厚生年金保険の加入者が該当し、保険料は事業主と被保険者が折半します。

【第3号被保険者】

第2号被保険者に扶養される配偶者が該当し、保険料負担はありません

具体的にはサラリーマンや公務員と結婚して専業主婦となった人が対象です。

計算の仕組みも簡単

「付加年金保険料」は毎月定額400円で、これを国民年金の保険料に上乗せして納めます。

そして、「付加年金保険料」を納付することで「200円 × 納付月額」が将来受け取れる年金に加算されるのです。

払込期間は原則20歳~60歳までの40年間が上限です。

【納付総額の計算式】400円 × 12か月 × 納付年数

納付額の算出方法は上記の通りなので、たとえば「付加年金」を40年間フルに支払った場合には、

【納付総額】400円 × 12か月 × 40年 = 19万2,000円

です。

一方、給付額の算出方法は次の通りです。

【給付額の計算式】200円 × 12か月 × 納付年数

これに当てはめると、

【毎年の給付額】200円 × 12か月 × 40年=9万6,000円

この9万6,000円が、将来の年金に加算されて毎年支給されます

このように、

加入年数が何年であろうと支払った保険料総額は、年間支給される額の半分になる仕組み

なので、2年で元がとれます

【付加年金保険料の支払った総額に対しての年金として毎年給付される金額を比較】


加入できる人

前述のとおり第1号被保険者および国民年金の任意加入者が保険料を自ら支払っている場合に「付加年金」に任意に加入できます。

したがって、すべての人が加入できる訳ではありませんが、現在はサラリーマンである人もこの制度を知っておいて決して損ではありません

たとえば、サラリーマンの夫が60歳前で早期退職し、フリーランスや個人事業主として独立・開業などした場合には、第1号被保険者として「国民年金」への加入が求められるからです。

同様に妻が60歳未満で専業主婦の場合には、妻も第1号被保険者として「国民年金」の加入が必須です。

つまり、この場合では夫と妻、それぞれが保険料を負担する必要があります。

その際に「付加年金」は「国民年金」とセットで加入が可能です。

働かない場合も同様です。

加入方法

住所地の市区町村の窓口で申込できます。

納付場所と方法

保険料の支払いは「国民年金」と同様ですが、納付場所は市区町村・金融機関・郵便局・コンビニなどの窓口、納付方法は金融機関の口座振替、クレジットカード、スマホやパソコンから簡単に納付可能なペイジー (Pay-easy) などの方法があります。

納付に関する3つのメリット

納付に関しては公的年金と同じ扱いですが、次のように3つのメリットがあります。

メリット1. 納付に関わる手数料が無料

メリット2. 前納割引制度が活用できる

メリット3. 保険料の全額が所得控除(社会保険料控除)の対象となり節税対策になる

前納できる期間は

2年
1年
6か月

から選択できます。

たとえば、口座振込で1年分を前納した場合は100円(割引率約2%)の割引で4,700円です。

留意点

留意点もあります

留意点1. 付加年金は、国民年金の加入が条件です

留意点2. 付加年金は、※国民年金基金との重複加入ができません

留意点3. 受給開始は老齢年金と同様、原則65歳からです

留意点4. 老齢基礎年金の繰上げまたは繰下げを受給する場合は、付加年金の受給額も同率で増減します

留意点5. 老齢基礎年金の受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間等を合算)の120か月または満額受給の上限期間(480か月)に満たない60歳~65歳未満の人は任意加入できます

ただし、1965年4月1日以前の生まれで受給資格期間(120か月)を満たしていない場合には、70歳未満(70歳の誕生日の前日)まで任意加入ができます

留意点6:付加保険料の特例納付制度は2019年3月で終了しています

この制度は、付加年金保険料を過去10年間に遡って納付ができる制度で2016年4月から3年間の時限措置でした。

※国民年金基金とは、第1号被保険者(任意加入者含む)が加入できる年金制度で、納付額は月額上限6万8,000円(個人型確定拠出年金の掛け金と合算して6万8,000円以内)、掛け金は所得控除(社会保険料控除)の対象です。

「付加年金」は費用対効果が非常に高いので、筆者が携わっている相談業務のなかで加入資格を有する顧客にたいしては、金銭的な余裕の有無にかかわらずこの年金をすすめています。(執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志)

《小林 仁志》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

小林 仁志

執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志 小林 仁志

オフィスアセットポート 代表 山梨県生まれ。電器メーカーに入社後本社および米国・シンガポール・マレーシア等の事業所に勤務。在職中は財務経理を中心に総務人事・経営戦略・内部監査等の職種を経験したほか、同社の子会社監査役を務め2011年退任、2012年4月より独立系FPとして事業活動を開始。専門分野においては、特に団塊世代の年金・医療保険・税金等のリタイアメントプランや旅行とお金のプラン、住宅ローンや保険の見直し、株式・投資信託等の資産運用など。 <保有資格>:CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、総合旅行業務取扱管理者、登録ロングステイアドバイザー(ロングステイ財団)、他 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集