近年、集中豪雨・台風・土砂災害・大雪などの自然災害による被害が増加しています。

自然災害は予測が難しく、気をつけていても避けられないことがほとんどです。

万一のときに住まいを守るための「火災保険」、いつ加入したか覚えていますか。

今回は、火災保険の見直しタイミングと、自分の家にあった補償の見極め方について詳しくお話します。

火災保険の見直し

火災保険を見直すタイミングはいつか

以前、火災保険に関する記事を執筆し「家族構成の変化」や「増改築・リフォームをおこなったとき」は見直しタイミングの1つだとお話しました。

しかしながら、家族構成の変化や増改築・リフォームは、頻繁に起こるものではありません。

ご自身の環境が変わっていなくても、家を取り巻く環境が変わっていたら、見直しのタイミングです。

自然災害に不安を感じたタイミング

ここ数年の大雨被害や台風被害、地震被害など、「今までこんなことはなかった」地域でも「考えられない」ような自然災害による被害が起こっています。

「うちは大丈夫かしら」と頭をよぎったのなら、1度お手持ちの火災保険証券を確認してみましょう

火災保険は、一般的に長期契約を結ぶことが多い保険です。

加入したときには想定していなかった災害に対する補償は、つけていない可能性があります

新しい保障がでたタイミング

想定していなかった災害による被害が増えたことで、保険会社が新商品を発売している可能性もあります

また、支払基準の改定もおこなっているでしょう。

一般的に、新商品が発売されただけでは、お手持ちの契約に反映はされません

更新時に、新商品込みの契約に切り替える必要があります。

近所で被害が出ている災害についての補償や、不安に感じている災害に対する補償が新発売されたときも、見直しを検討するタイミングです。

保険料改定のタイミング

保険料の改定は、通常ニュースリリースなどで公式発表されています。

または、契約している保険会社の担当者から知らされるかもしれません。

例えば、契約している保険会社が1月に料金の値上げをおこなうと発表しているのならば、前年12月中に切り替えることも視野に入れましょう

火災保険は、長期間、おそらく家がある限り継続することになる保険です。

例え、数百円の差であっても、12か月、5年間、10年間と積み重ねると大きな差になります

先払いしている場合は、戻ってくる金額の確認をしておく

戻ってくる金額の確認

切り替える手順は、値上げ前に新規契約を結び、成立後、もともとの保険を中途解約します。

元契約の保険料を前払い(年払い・一括払いなど)している場合は、「解約返戻金(未経過保険料)」が戻ってきます。

ただし、残月数が短い場合は戻りがないこともあります。あらかじめ、確認しておきましょう。

満期・更新のタイミング

災害に不安を感じ、ちょうど欲しかった補償が新発売されているけれど、まだまだ更新まで期間が残っているからもったいないと思う人もいるのではないでしょうか。

当然、過去のほうが保険料は安く、長期契約でさらに割引されています

しかしながら、現在のほうが補償内容は改定され、よりよくなっています。

自分にとって必要な補償を見極めることで、省ける「無駄」が見えてくるかもしれません。

自分に必要な補償を見極める3つのステップ

火災保険は、ベース補償にさまざまな補償や特約を組み合わせることができる自由度の高い保険です。

既存のプランのまま加入している人は、不要な補償をつけている可能性もあります

本当に必要な補償を見極めて、自分の家専用の保険を組み立てましょう。

【ステップ1】リスクを見極める

水災や雪災などがニュースで話題になり不安を感じていても、地域によっては被災リスクが低いところもあります。

お住まいの市区町村役所や一部の保険会社などで、地域のハザードマップ(災害予測地図・防災地図)がもらえます。

また、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」では、WEB上で公開されている地域のハザードマップを検索できます。

実際に自分が住んでいるところの災害予測をしておくことが、重要です。

居住環境によるリスクも考慮する

例えば、マンション高層階に住んでいる場合は「浸水被害」に備える必要はありません。

地上あるいは地下に駐車場がある場合は自動車の水没が不安ですが、通常、自動車が受けた被害は車両保険でまかなうため、火災保険の変更は不要です。

火災保険では、自然災害だけでなく「自動車が衝突した場合の損害」や「盗難」などに備える補償、ソーラーパネルが破損したときの修理費補填なども用意されています。

耐震・耐火などを含めた建築構造、オール電化や喫煙者の有無、近隣の状況など、さまざまな視点で被害を予測しておきましょう

地震保険(原則セット)

地震保険は、原則、火災保険加入時にセットされています。

しかしながら、外すこともできるため加入していない人もいるかもしれません。

地震や噴火、それによって起こった津波による損害は、地震保険でなければ補償されません

また、地震によって発火あるいは拡大した火災も、地震保険が補償します。

火災保険では、地震による被害は補償対象外です(一部の費用保険金を除く)。

これまで地震が少ないとされていた地域も、大地震の被害を受けることがあります。

地震保険は、つけておくことをおすすめします

地震保険

【ステップ2】守りたいものを見極める

どんなリスクがあるのかを確認した次は、そのリスクに備えた補償を考えます

火災保険の必須補償は「火災、落雷、破裂・爆発」に関する補償です。

そこに、次のような補償を選び、組み立てます。

・ 風災・雹災・雪災の補償

・ 水災の補償

・ 建物外部からの衝突、水濡れの補償

・ 盗難、集団行動などに伴う暴力行為による損害などの補償

・ 不測かつ突発的な事故による汚損・破損の補償

どんなときに補償されるのか、補償例で確認を

例えば、台風被害に備えたい場合は「水災」「風災」どちらを選択すればいいのでしょうか

【補償例】

・風災補償:暴風によって飛んできたものによって、屋根に穴が開いてしまった場合

・水災補償:豪雨によって洪水が起こり床上浸水、半数以上の家財が汚損した場合

名称だけではわからない点もあるので、パンフレットや公式サイトなどで、補償例を見ておくと選びやすくなります

個々の事情に合わせたさまざまな特約

その他、家族構成や自宅環境に合わせてさまざまな特約も選択できます。

・ 類焼損害特約:自宅建物から出火した火事が、近隣住宅に延焼してしまった場合の補償

・ 個人賠償責任補償特約:自分や家族が、他人にケガを負わせたり他人のものを破損したりした場合の補償

・ サイバーリスク特約:スマートハウスのネットワーク構成機器・設備がサイバー攻撃を受けた場合の補償 など

【ステップ3】新規契約する価値があるかを見極める

ステップ2で組み立てた補償内容の「見積書」を依頼しましょう。

多くの損害保険会社が、WEB上で簡易見積作成サービスをおこなっています

必要な補償を、「安心できる補償金額」で見積もることが重要です。

損害保険は、会社による補償内容の差がほとんどありません

独自の特約やサービス内容などを中心に比較検討するといいでしょう。

長期契約で残り期間が十分に残っている場合の追加ステップ

見積もることが重要

保険は、新しいものほど補償がよくなっています

ただし、自然災害による被害が増加しているぶん、保険料が高くなっているのも事実です。

今後も、しばらくは上がり続けるでしょう。

一般的に、損害保険は生命保険のように部分的な見直しができず、新しい補償を得るためには「新規契約+旧契約の解約」をおこなって保険を切り替えなくてはなりません。

しかしながら、一部の補償については、別途追加や単独契約ができるものもあります。

切り替える前に、確認しておくと安心です。

別途契約できる補償

「個人賠償責任補償」など、一部の特約は、別の損害保険に付加できます

個人賠償責任補償特約は、1つ加入しておけば家族全員が補償対象になる特約です。

自動車保険・自転車保険・傷害保険など、比較的短期間で契約している保険への追加を検討してみてはいかがでしょうか。

単独契約できる補償

「家財保険」を単独で扱っている損害保険会社もあり、火災保険に家財補償をつけていない場合は、個別で「家財保険」の契約ができます

家財保険に「水災」や「風災・雹災・雪災」などの補償をつけることができます。

ただし、補償対象は家財のみで、建物の損害は補償されません

マンションなど建物自体の破損リスクが低い場合は、家財だけに追加しておくのも1つの手です。

参照:損保ジャパン楽天損保ソニー損保

※2020年10月時点の法令・情報にのっとって執筆しています。

安心のために、必要な補償を十分にもつことが大切

自然災害のニュースを見ていると、心が痛みます。

家は、安心する場所であってほしいです。

できる限りの防災対策をとることも大切ですが、万一被害に遭ったときに「元に戻せる保険」を持っておくことも、安心のための準備です。

保険の補償内容をしっかりと把握すれば節約にもつながり、最低限の出費で万が一の備えができます。

自身のライププランにあわせ、無駄のない保険選びをしてください。(執筆者:仲村 希)