所得税は所得に対して課される税金なので、学生や専業主婦(主夫)など収入のない人は確定申告手続きをする必要はありません

一方で、突発的な収入やアルバイト・パート収入のある場合、どのような条件を満たすと申告をしなければならないのかが分かりにくい部分もあります。

本記事では、収入はある方のうち、確定申告手続きが必要ないケースを紹介します。

副収入 アルバイト_パート収入がある方 年金受給者で 「確定申告が必要ない」ケース

アルバイト・パートの収入が年間103万円以下

アルバイト・パート収入については、年間103万円以下であれば申告不要です。

アルバイトやパート収入は給与所得に該当し、収入から給与所得控除として最低55万円(令和2年分以降)を差し引くことが可能です。

また、所得税には基礎控除として、原則として48万円(令和2年分以降)の控除額がありますので、

給与所得控除額と基礎控除額を合計すると103万円

になるのです。

103万円以下の給与収入であれば所得税が課される金額が0円になり、納税金額は発生しないので、確定申告が不要になるというわけです。

なお、給与所得控除は、給与所得に該当する場合にのみ適用されるため、一時所得や雑所得などの他の所得からは控除できません

会社の年末調整で納税計算が完了している

給与所得が103万円を超えた場合には納税する所得税が発生する可能性があるのですが、会社の年末調整で所得税の計算が完了していれば確定申告手続きは不要です。

年末調整とは、会社が年間の収入と扶養控除や配偶者控除などの所得控除を計算して、所得税の過不足を調整する制度のことです。

多くの会社では、毎年10月から12月くらいの期間に年末調整を行い、所得税の過不足を精算します。

・ 医療費控除

・ 一部の寄付金控除

・ 適用1年目の住宅ローン控除

については年末調整で計算することはできないため、確定申告が必要です。

また、2か所以上の会社から収入がある場合にも、原則として確定申告をしなければなりませんのでご注意ください。

所得20万円以下の申告不要制度の注意点

所得税の納税においては、年間の所得金額を合計して納める税金を計算します。

確定申告では複数の所得金額を合計する必要があるため、サラリーマンが副業を行っている場合には原則として申告が必要です。

ただし、

給与所得の年末調整が完了している人で、給与所得以外の所得が20万円以下のケースにおいては、申告しなくても大丈夫

です。

たとえば、副業として原稿料を得た場合に原稿料が20万円以下であれば確定申告は不要だということです。

一方で、住宅ローン控除など確定申告書を提出する際には、20万円以下の所得についても合わせて申告しなければなりませんので、申告漏れに気をつけてください。

年末調整

年金400万円以下の人も確定申告は不要

公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下の場合には、所得税の確定申告は必要ありません。

400万円以下の年金収入であっても申告することで還付金を得られる方には、確定申告をしたほうがよい場合があります。

また、

年金400万円の申告不要制度は所得税に対してであり、400万円以下の年金収入であっても住民税の申告は必要になる

ケースもあるためご注意ください。

なお、住民税の申告書の提出先は、住んでいる市区町村の役所です。

還付申告手続きは任意

申告不要条件に該当する場合であっても、確定申告をすることで税金が戻ってくるケースがあります。

確定申告書を提出して税金がいくら戻ってくるのかは、収入や受けられる所得控除の種類によって異なります。

年末調整をしていない給与所得者は、確定申告によって還付金を受け取れる可能性があるので、一度計算してみてください。

還付金額が数百円であれば、交通費や手続きをするコストのほうが高くなりますので、あえて還付申告をしないも「アリ」です。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)