国民年金制度には+アルファの「付加年金」という制度があります。

国民年金から支給される老齢基礎年金は40年間漏れなく保険料を納めた場合、65歳からもらえる額は年額で約78万円です。

月額に換算すると、6万5,000円です。

この額が多いか少ないかは別に議論するとして、+アルファの年金があるのであれば、1度は活用を検討してもよいでしょう。

そこで、今回は国民年金制度の+アルファの「付加年金」にフォーカスをあて、解説します。

付加年金

付加年金とは

1970年10月から設けられた制度で、厚生年金の加入者と比較すると、国民年金のみの加入者は老後の年金額が低額という点が否めません。

そこで、後者の年金額が少しでもUPさせるために設けられた制度です。

よって、私的年金と位置付けられるiDeCoとは異なり、誰でも加入できる制度ではありません

付加年金の保険料を納められる人は?

次の3通りの方です。

・ 国民年金の第1号被保険者

・(65歳までの)任意加入被保険者

・ 農業者年金の被保険者

保険料は月額400円となり、実際にもらうときは200円×付加保険料納付済期間の月数となります。

付加年金は老齢基礎年金と同様に、自身が亡くなるまでもらえます

よって、メディアでは

「2年で元がとれる年金」

としてたびたび取り上げられることが多い年金です。

60歳から5年間任意加入制度を活用した場合

例えばフリーランサーとして生計を立てていた国民年金の第1号被保険者は60歳以降については、国民年金の第1号被保険者であり続けることはできません。

そこで、60歳から5年間任意加入制度を活用した場合を検証してみましょう。

60か月×400円=2万4,000円(納めるべき保険料)

60か月×200円=1万2,000円(65歳から受け取れる付加年金・年額)

上記のように、2年で「元が取れる」ということです。

付加年金

付加年金を納められない人とは

国民年金第1号被保険者であっても、産前産後休業期間中の免除を除く免除制度を受けている方の場合、付加年金は納められません。

また、国民年金基金に加入している場合も付加保険料は納められません。

同じ「免除」であっても、産前産後休業期間中の免除が除かれた背景として、他の免除制度は収入が枯渇している等の理由があるために免除の要件を満たしている反面、産前産後休業期間中は必ずしも収入が枯渇しているとは言えませんので、除かれているとういことです。

また、生涯にわたって国民年金第1号被保険者であった方、同じく生涯にわたって国民年金の第3号被保険者であった方、双方、もらえるのは国民年金からの老齢基礎年金のみです。

しかし、国民年金第3号被保険者は扶養されているという位置づけであるため、付加保険料を納められる対象者には含まれていません。

付加年金はいつからもらえるの?

老齢基礎年金と同じタイミングでもらえます。

一般的には65歳から老齢基礎年金が受給開始となりますので、そのタイミングから自身が亡くなるまでもらえるということです。

他方、繰り上げ請求をした場合は老齢基礎年金と同様に同時に支給されますが、付加年金にも減額率が適用されます

また、繰り下げ請求の場合も老齢基礎年金と同様に同時に支給され、付加年金にも増額率が適用されます。

付加年金の注意点

付加年金には老齢基礎年金のように最低10年は保険料を納めなければならないというルールはありませんが、そもそも老齢基礎年金の受給権がない場合は付加年金も発生しません。

また、老齢基礎年金が全額支給停止となった場合も付加年金も支給停止されます。

年金手帳

対象になる人は活用を検討しよう

報酬額によって年金額もUPする厚生年金には、通常の保険料とは別に+アルファで保険料を納めて老後の年金を増やすという選択肢はありません。

他方、国民年金は厚生年金と異なり、各人ごとの収入に関わらず、保険料は(毎年度見直しはありますが)同じ額ですので、全く同じ月数の保険料を納めている場合、年金額に差がつきません。

付加保険料の前提として、あくまで年金額が(厚生年金加入者と比較し)低額になりがちな国民年金第1号被保険者のために設けられた制度ですので賢く活用してみましょう。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)