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「所得税・住民税が支払えない」事態に発展することがあるのはなぜか

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「所得税・住民税が支払えない」事態に発展することがあるのはなぜか

所得税・住民税は、その年に得た所得金額に応じて課される税金ですので、所得金額を超える額を支払うことにはなりません。

しかし、所得税・住民税が支払えない事態に発展するケースもありますので、今回は所得税等が滞納になる理由について解説します。

所得税等が滞納してしまう理由

所得に対して税金が課されることを認識できていない

消費税は商品を購入する際に課されますので、税金を支払っている感覚があると思います。

それに対し、所得税や住民税は所得を得た瞬間に支払うものではないため、税金が課される意識を持つことは難しいです。

会社員であれば税金は天引きされるので、基本的には自ら所得税や住民税を支払いませんが、相続した不動産を売却したなど、突発的に所得が発生した場合には申告と納税が必要となります。

不動産を売却した場合、譲渡所得税が数百万円となることも珍しくないため、売却代金を使い切ってしまっていると納税資金が不足し、滞納してしまうケースに陥ります。

所得の発生時期と納税時期がズレている

滞納する理由の一つとして多いのが、所得を得たタイミングと納税のタイミングが一致していないことです。

所得税と住民税の申告期限は翌年3月15日となっていますので、税金を支払う要因となった所得を得てから3か月半以上経過しています。

所得税は申告期限と納期限が同日なので、所得の発生時期から支払い時期までの期間は比較的近いですが、住民税の支払いは第1期が翌年6月、その後8月・10月・翌年1月と続きます

申告した当初は税金を支払うことを覚えていたとしても、時間が経過するにつれて意識が薄れ、住民税の納期直前になって支払いが必要なことを思い出すケースもあるため、納税資金をプールしておくことが大切です。

予定納税の存在

予定納税とは、その年に納める税金を前払いする制度で、前年分の所得金額や税額等が一定金額を超えた場合、予定納税の対象者となります。

予定納税はその年に2回あり、予定納税基準額の3分の1の金額を第1期分として7月1日から7月31日までに、第2期分は11月1日から11月30日までに納めなければなりません。

予定納税で支払った額は確定申告で精算しますので、払い過ぎがあれば還付されます

しかし、税金を前払いする資金が手元にない場合、予定納税を支払うことができず滞納となってしまうこともあるのでご注意ください。

自分の納税額を概算で予測することが大切

滞納を回避するためには、その年に納める所得税・住民税を概算でも問題ないので、把握することが大切です。

所得税の税率は「課税所得金額」を基準に行いますので、個人事業主であれば前年の確定申告書の控えを参考に計算することをおすすめします。

住民税は一律10%となっているため、課税所得金額に比例して納税額が多くなる点と、年4回の支払い期限を忘れずに覚えておきましょう。

予定納税は、一定の要件を満たせば減額申請を行うこともできますので、経営不振等により支払いが難しくなった場合は、減額申請手続きを行うことも選択肢に入れてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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