
失敗しない家づくりのポイントのこれまでの4つは
でした。今回は最後の5つ目です。
それは、タイトルにも入れた「覚悟をする」です。
目次
1つめの覚悟:家を持つ覚悟
マネーサイトなのに「覚悟」なんてちょっとそぐわない気もしますが、家を持つということを考えるとこれがもしかしたら一番重要かもしれません。
今の家賃と同じくらいの返済額だからそれほど大変ではないとしても住宅ローンを借りるならそれは「負債」です。生命保険もそうですが、月々の支払額で考えると「払っていける」と感じますが、総支払額は何千万円の買い物です。将来、支払いが苦しくても保険は途中解約ができますが、住宅ローンは完済する以外に逃れる方法はありません。
もちろん保険は毎月の支払いと引き換えに「保障」を得ています。住宅ローンも毎月の支払いと引き換えに「不動産」という資産を得ています。いづれも垂れ流して何も得られていないわけではありません。
でも、バランスシート(貸借対照表)の視点で考えるとローンの返済中は資産と同時に負債があります。もしかしたら一時的には債務超過の家計になっているかもしれません。
「だから家を買うのはやめましょう」と言うつもりはありません。
なぜなら僕は家は損得で考えるものではないと思っているからです。賃貸か持家かという論点は常に存在していますが、損をしても家を持ちたい人は持ちたいのです。これまでの相談者の中には収入も少ないし、自己資金も少ないけど家を持ちたいという方がいました。そんな方に
とお話をしたこともあります。その場では「そうですね。2,3年お金を貯めます」となっても、少しすると建売を購入しようとしていたりします。
「家を持ちたい」という気持ちは損得や不安をあおることではなくなりません。損得ではなく「なぜ、家を持ちたいのか?」これの答えを家族が共通認識として持つことが実は一番重要です。そしてこの共通認識があるからこそ「覚悟を持って」住宅ローンを借りて返済ができる訳です。こちらもだからこそ家を買っても大丈夫な家計を作るお手伝いをするようになります。そういう訳で一つ目の覚悟は「家を持つ」という覚悟です。

2つめの覚悟:住宅ローンと完済まで付き合う覚悟
正直、FPがキャッシュフロー表を作成しても将来のことはあくまでも予測です。どこかで想定外の状況が生まれる可能性もあります。融資の審査をする銀行だって、融資を申し込んできた本人の将来の返済能力なんて正確には判断できません。判断できないからこそ担保も取るし、生命保険だってかけます。家を買うならライフプランの変化がある時には将来の見通しを再チェックすることが重要です。
前述したように「住宅ローン」は途中でリタイヤできない「借金」です。住宅ローンの為に生活をするわけではありません。自身が希望する生活のための住宅ローンです。
家の購入には実は勢いが必要です。これはハウスメーカーで営業をやっていて感じたことでもあります。慎重過ぎる人ほど「買うタイミング」を逃します。勢いだけの人ほど「あれ、こんなはずじゃなかった」が発生しています。それは住宅ローンが「借金」だという認識がなく、「家賃」の延長のような感覚でいて、余りにも簡単に家を買うからです。
安易に借入額を増やし、ライフプランの変化で支払いが苦しくなるなんてストーリーになっています。そういう方には「借金」だという感覚が欠如していると感じることがあります。「払えなくなったら、売ればいいよね」というノリです。もちろん解決策としてそれもありかもしれませんが、それなら賃貸でもいいのでは? と思います。だから二つ目は「住宅ローンは借金だと自覚して完済まで付き合う」覚悟です。
家が人生すべて
お取引のある工務店の社長がこんなことを言っていました。
これは工務店の立場として、「家をみんな建てようよ」という売込みではなく、間取りの作り方ひとつで家族の成長が変わるという実体験に基づいた話をしています。
小さなお子さんがいる家族が家を建てる、購入するケースが多いですが、お子さんの成長も家族のコミュニケーションも間取りの作り方で大きく変わっていくという実体験のお話をされていました。
ここでは詳しいお話は割愛しますが、家族の未来は家で大きく左右されると考えると「覚悟」して検討した方が良さそうです。損得を超えたところに家づくりや住まいの購入のポイントはあるのだと思います。
家はお金の話だけでは結論が出ない、奥の深いものなのかもしれません。ここまで書いてきた5つのチェックポイントが皆さんの家づくりにお役に立てれば幸いです。(執筆者:佐藤 陽)