会社を退職すると大勢の方は「失業保険(基本手当)」を受給されると思います。
しかし、「失業保険(基本手当)」を受給中の社会保険はどのようにされていますか。失業保険(基本手当)の給付額によっては、社会保険上の「扶養」から外れる可能性があります。
どのような場合に外れてしまうかみてみましょう。
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目次
「失業保険(基本手当)」について
失業保険(基本手当)の手続きと流れについて、以前の記事にて紹介させていただきました。
失業保険(基本手当)は、離職日(退職日)の翌日から1年間が受給期間となります。職業安定所(ハローワーク)に書類を提出した日から1年間ではないので注意が必要です。
そして、離職理由によっては、失業保険(基本手当)がすぐに受給できるわけではなく、3か月間の給付制限期間などがあります。
「失業保険(基本手当)」と「健康保険の被扶養者」について
退職し、次の職を探している間などには、国民健康保険に加入せずに配偶者や親などの「健康保険の被扶養者」になることが多いと思います。
しかしながら、「健康保険の被扶養者」になるには、年間収入130万円未満(60歳以上は180万円未満)という収入要件があります。
失業保険(基本手当)を受給すると、この年間収入130万円未満という収入要件をオーバーしてしまう方がいます。
それは、失業保険(基本手当)日額が3,612円以上(60歳以上は5,000円以上)であり、その失業保険(基本手当)受給期間中は、「健康保険の被扶養者」となることはできません。
参考
130万円 ÷ 360日 = 3,611.11…円となり、3,612円以上
180万円 ÷ 360日 = 5,000円となり5,000円以上
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失業保険(基本手当)の給付制限期間中の「健康保険の被扶養者」
失業保険(基本手当)受給期間中は、「健康保険の被扶養者」となることはできませんが、給付制限期間中は、失業保険(基本手当)が支給されず無収入状態であるため、「健康保険の被扶養者」になることができます。
しかし、給付制限期間が終わり失業保険(基本手当)の支給開始した場合は、「健康保険の被扶養者」から抜ける手続きをしなければいけません。
退職後の社会保険について
退職後の社会保険は主に次の3通りが考えられます。
(2) 今までの会社の「健康保険の任意継続制度」を活用する
(3) すぐに「国民健康保険」へ加入する
(1) の場合、今までの収入が高かった場合は、「国民健康保険料」が高くなってしまう可能性があると思います。
また、(2) は「健康保険の任意継続制度」を活用することにより、「国民健康保険」の保険料より安くなる場合がありますので、しっかりと計算をしてどのパターンがよいか考える必要があるでしょう。
詳しくは「会社退職後の「健康保険の任意継続制度」と「国民健康保険」はどちらが良いのか」をご参照ください。
このように、給付制限が3か月間ある方は特に注意をして、どの社会保険がよいかをしっかりと考えることにより、失業保険(基本手当)の手取額が変わることになりますので注意が必要でしょう。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)