※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事飲食料品の消費税が8%→1%に!2027年4月から2年限定の負担軽減策を高市首相が表明

「入院で数十万円払う」は勘違い? 窓口負担を限度額まで抑える方法

ライフ 社会保障
「入院で数十万円払う」は勘違い? 窓口負担を限度額まで抑える方法
「入院で数十万円払う」は勘違い? 窓口負担を限度額まで抑える方法

お盆に帰省すると、突然親から「来月手術することになった」などと言われることがあります。その瞬間に頭をよぎるのが、まとまった医療費です。ですが、高額療養費制度は「あとから返ってくる制度」だけではありません。事前に手続きをすれば、窓口で払う金額自体を限度額まで抑えられるケースがあります。

お盆の帰省で直面した、親の入院と医療費の不安

「入院や手術になったら、窓口でまとまったお金を用意しないといけないの?」お盆に実家へ帰省した際、親の入院と手術の予定を知り、そう不安を口にしたのは、都市部で働く40代の会社員でした。親は数週間の入院が見込まれ、医療費はかなりの額になりそうだといいます。

久しぶりに顔を合わせた親の体調に驚くと同時に、頭をよぎったのがお金のことでした。健康保険が効くとはいえ、入院や手術が重なれば、窓口での支払いは大きな負担になりがちです。いったん全額を立て替えて、あとから戻ってくるのを待つしかないのか。すぐに動かせる蓄えがあるわけでもなく、気が重くなったそうです。

ところが調べてみると、窓口での支払いを最初から一定額までに抑える方法があると分かってきました。鍵になるのが「高額療養費制度」と「限度額適用認定証」、そして「マイナ保険証」です。まずは、その関係から順に整理していきます。

高額療養費制度と、限度額適用認定証の関係

医療費の負担が重くなりすぎないよう、公的な医療保険には「高額療養費制度」が設けられています。同じ月にかかった医療費の自己負担が一定の上限額(自己負担限度額)を超えたとき、その超えた分があとから払い戻される仕組みです。上限額は加入者の年齢と所得に応じて段階的に定められており、窓口での負担割合も、年齢や所得によって1割から3割まで違います。なお、この上限額そのものも、令和8年(2026年)8月からの月ごとの上限額の見直しや年間の上限の新設、令和9年(2027年)8月からの所得区分の細分化といったかたちで、段階的な見直しが予定されています。

ただ、この払い戻しには時間がかかります。医療機関から出される診療報酬明細書(レセプト)の審査を経てから支給されるため、実際に払い戻されるのは診療を受けた月から3か月以上あとになるのが一般的です。つまり、いったんは窓口で高い金額を支払う必要があり、そこが冒頭の不安の正体でした。

そこで役立つのが「限度額適用認定証」です。これは、医療費が高額になりそうなときに、窓口で支払う金額をあらかじめ自己負担限度額までに抑えるための証明書です。高額療養費制度が「払ってから戻す」仕組みなのに対し、認定証は「はじめから限度額までしか払わない」ようにするもの、と考えると分かりやすいでしょう。

窓口負担を抑える2つの道筋

窓口での支払いを限度額までに抑える道筋は、いまは大きく2つあります。1つはマイナ保険証を使う方法、もう1つは従来どおり紙の限度額適用認定証を用意する方法です。

マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」なら、原則として限度額適用認定証の事前申請は必要ありません。オンライン資格確認に対応した医療機関の窓口で、「限度額情報の表示」に同意すると、限度額情報が医療機関に提供され、窓口での支払いが自己負担限度額までにとどまります。認定証を取り寄せる手間がなく、急な入院でも間に合いやすいのが利点です。ただし、低所得者に該当する場合の「限度額適用・標準負担額減額認定証」など、別途申請が必要なケースもあります。

一方、マイナ保険証を使わない場合や、オンライン資格確認に対応していない医療機関を受診する場合などは、事前に限度額適用認定証を申請し、資格確認書などとあわせて窓口に提示する必要があります。ただし、70歳以上75歳未満では所得区分によって限度額適用認定証の手続きが不要な場合もあるため、親の年齢と所得区分に応じて加入先に確認しておきましょう。どちらの道筋でも、窓口での支払いが限度額までに抑えられる点は変わりません。

「入院で数十万円払う」は勘違い? 窓口負担を限度額まで抑える方法

限度額適用認定証の申請の進め方

紙の認定証を用意する場合、申請先は加入している健康保険によって変わります。会社員や公務員などが加入する健康保険(協会けんぽや健康保険組合、共済組合など)では、加入先に「限度額適用認定申請書」を提出します。多くは郵送で申請でき、勤務先の総務や人事を通して手続きすることもあるため、まずは職場に確認しておくとスムーズです。

自営業の人などが加入する国民健康保険では、住んでいる市区町村の窓口が申請先になります。申請方法は自治体によって異なります。申請の際は、本人確認書類などが求められるので、何が必要かを事前に問い合わせておくと、書類の不足による二度手間を防げます。

いずれの場合も、認定証が手元に届くまでには一定の日数がかかります。入院や手術の予定が決まっているなら、早めに動くのが肝心です。なお、マイナ保険証を使えば原則としてこの申請そのものが不要になる点は、あらためて押さえておきたいところです。

申請でつまずかないための注意点

限度額適用認定証にはいくつか気をつけたい点があります。まず、認定証が有効になるのは申請した月からで、それより前の月にさかのぼって窓口負担を抑えることはできません。前の月に払いすぎた分は、あとから高額療養費として払い戻しを受けるかたちになります。

あわせて、窓口負担を限度額までに抑えられるのは、健康保険が効く診療分に限られる点も知っておきましょう。入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療にかかる費用、保険の効かない自由診療などは高額療養費や認定証の対象にならず、限度額とは別に支払うことになります。

医療費が同じ月ごとに計算される点にも注意が必要です。自己負担限度額は1日から月末までの1か月単位で判定されるため、入院が月をまたぐと、同じ総額でも月ごとに上限が適用され、負担が増えることがあります。また、直近の1年間に高額療養費の支給が3か月以上あった場合は、4か月目から「多数回該当」として上限額がさらに下がる仕組みも用意されています。さらに、同じ月に同じ世帯(同じ公的医療保険)の複数の人や複数の医療機関の自己負担を合算して限度額を計算できる「世帯合算」もあり、70歳未満では原則2万1,000円以上の自己負担が合算の対象になります。

認定証が退院までに間に合わないこともあります。その場合はいったん窓口で支払い、あとから高額療養費を申請します。支給まで時間がかかるため、当面の支払いに充てる資金を無利子で貸し付ける制度を設けている保険もあります。なお、認定証は有効期限が切れたときや、退職などで資格がなくなったときには返す決まりになっています。困ったときは、加入している健康保険や病院の窓口に相談すると安心です。

親の入院は突然やってくる。抑え方を先に知っておく

親の入院や手術は、多くの場合、前ぶれなく訪れます。だからこそ、窓口負担を限度額までに抑える方法を先に知っておくと、いざというときに落ち着いて動けます。マイナ保険証があれば原則として申請なしで済み、なければ早めに限度額適用認定証を用意しておきましょう。この2つの道筋を押さえておけば、まとまった立て替えに慌てずにすみます。迷ったら、加入している健康保険や病院の窓口に相談してみましょう。

《編集部》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

編集部

執筆者: 編集部 編集部

読者の皆様のマネースキルアップにつながる情報をお送りしていきます。 リリース窓口:contact@manetatsu.com 運営会社:株式会社イード

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事

特集