10月25日に東証への上場を控えるJR九州。郵政やLINE以来の大型上場案件として、市場の注目度は日に日に高まっています。JRグループのIPOとしては実に19年ぶり。JR東海以来の上場案件です。
果たしてJR九州は本当に「買い」と言えるのでしょうか。
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目次
上場済み3社の現在価格は総じて初値超え
これまでにJR関連で上場した会社は3社。
JR東日本(9020)
初の上場事例となったJR東日本(9020)は1993年に上場し、初値で50%を超える上昇を見せています。当時の時代背景や年代の違いを考えると、この上昇はあまり参考にならないでしょう。
JR西日本(9021)
1996年10月上場のJR西日本(9021)、翌年に上場したJR東海(9022)は初値ではほとんど上昇していません。実に、1枚あたり数千円程度の利益。IPOとしては物足りない結果に終わっています。
JR東海(9022)
公募価格に対し約5倍の上昇
既上場のJR3社には特筆すべき点もあります。それは、現在価格が総じて公募価格を超え、大幅上昇していると言うことです。特にJR東海(9022)に関しては公募価格に対し約5倍の上昇。JR西日本(9021)に関しても倍近い価格での推移が続いています。
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初値上昇しにくい大型IPO
基本的に大型IPOは上昇しにくいという特徴があります。
IPO投資を行う上で、時価総額に注目することは非常に重要です。
例えば、
もちろん、上場市場や業種の違いもありますが、需給面だけで考えると前者の方が初値上昇しやすいと言えます。
なぜなら、後者に比べ、株価上昇に必要な「買い」の圧力が少なくて済むからです。この度上場するJR九州の時価総額は3,920億円。この規模の上場案件であればそれなりの買い圧力が必要になります。よって、時価総額が大きい企業のIPOは、初値上昇しにくいと言えるのです。
結論
長期保有に妙味。初値次第ではセカンダリーで購入も一つの手です。
今回のIPOでは大幅な初値上昇は期待出来ないでしょう。上がったとしても数万円程度になるのではないかと思います。どちらかと言うと長期投資に妙味がある。
安定収益の基盤はある
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前述した通り、長期保有におけるJR関連株のパフォーマンスは良好です。
最近になって株主優待制度の導入を発表したことも長期保有には好材料です。本業の鉄道事業はあまり芳しくない状況が続きますが、駅ビル経営や貸しビル等の不動産業は絶好調。
つまり、安定収益の基盤は盤石であると言えるのです。よって、長期保有による大崩れは考えにくい。今話題のクルーズ・トレイン「ななつ星in九州」等の新しい取り組みが業績に寄与すれば中長期での株価上昇が期待出来るでしょう。
初値の値動き次第では、上場後のセカンダリーで買いに行くことも一つの手です。いずれにせよ中長期での投資に妙味がありそうです。(執筆者:徳田 陽太)