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空き家問題
空き家問題が様々なシーンで取りざたされるようになりました。
確かに、住宅街を歩くと明らかに「空き家」という物件を見かけることも少なくありません。特に春から夏にかけて庭の草木が急に成長し、ひどいことになっている家も結構あります。
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空き家対策特別措置法が制定されるも…
よほどひどい状態になると所有者への連絡や改善の勧告などがなされるようですが、解体・撤去となるといくらボロボロでも他人の資産に自治体は手を出しにくいのも事実。
解体費をオーナーに請求しても払ってくれなかったら「税金の無駄遣い」のそしりを免れません。
空き家を放置すると出てくる弊害
周辺に住んでいる人たちも、庭だけでなく建物の傷みがひどく倒壊しそうな状況になっていたら気が気ではありません。
火事になったり、虫やネズミが発生したり、変な人が住み着いたりする可能性もあり、迷惑に感じることになるでしょう。
一戸建ての空き家ははわかりやすい
一戸建ての空き家は外から見ても明らかに「空き家」とわかります。周辺の人はもちろん、所有者やその家族にとっても「周りの目」が気になります。中には周りに迷惑をかけていることすら気が付かない物件もあります。
しかし所有者が実際にそこへ行き、実際に見たならば「ああ、これは周りの人にも迷惑だな」と気づくでしょう。「空き家だとわかる」というのは危機感を自覚しやすい。
実際には費用負担や、解体すると上がってしまう固定資産税・都市計画税の問題などもあり、その先にも壁はありますが、自覚があるということはまだ改善の可能性があります。
「マンションの空き家問題」が深刻化する
私は、これから「マンションの空家問題」が深刻化するのではないかと考えています。
マンションの空き家はわかりにくい
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という風に、隣に住んでいてもしばらくたってから「どうやら留守らしい」、もうしばらくすると「空き家かな」と気づくことになることも多いのではないでしょうか。
マンションは都市部周辺に多いのは事実ですが地方にもあります。すでに多くの空家が発生しているマンションもあるのではないかと思います。
マンションは良質な物件の供給が出来る
築30年以上経ったマンションでも最近は「リフォーム」、「リノベーション」に多くの業者が参入し、良質な物件の供給が増えています。また、築20年以上のマンションでは資産価値が安定し、値崩れしにくいとも言われています。
専有部分については購入者・居住者が自分の意思で、ある程度改修することが可能です(マンションの管理規約の中で改修の制限に関する項目があることもありますので注意が必要です)。しかし、共用部についてはマンションの管理組合で決定される修繕計画によって維持管理が行われます。
マンションに空き家が多かったらどうなるでしょう
マンションはその建物に住む人たちの共同体で運営されています。そのマンションに空き家が多かったらどうなるでしょう。空き家になっていても修繕積立金や管理費がきちんと支払われ、健全に運営されていればまだ問題小さいです。
しかし安くない費用が滞るようになると長期にわたる運営は足元から揺らぎます。
マンション空き家の落とし穴
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一戸建てと違いマンションの場合はその兆候が見えにくい。気が付くと思った以上に空室が増えているということも起こりえます。
「マンションは管理を買え」
マンション管理の健全な運営には財政的な面と人的な面、そしてそれらの結果として健全に行われてきた修繕履歴などのハード面がきちんと整っているかを確認する必要があります。
不動産の取引は一生のうちで何度もあるわけではありません。多くの人が「初めて」ではないでしょうか。「どんなところに着目してチェックすべきか」ということをしっかり教えてくれる信頼できる不動産屋さんと付き合いたいものですね。(執筆者:西山 広高)