終身雇用制度の崩壊、大企業だっていつ倒産するかわからない時代。
企業に頼れない世の中ならばと、会社員をやめてフリーランスや自営業者になる方が増えてきています。
その選択は決して間違っていないと思いますし、きっとこれからはそういう時代になっていくのでしょう。
とはいえ頼れるものが自分だけというのは、なかなか心穏やかでいられる状態ではありませんよね。
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目次
自営業者の「収入なし」は「手取りマイナス」
会社員という身分はけっこう恵まれています。
だって会社が社員のいろいろなものを肩代わりしてくれてますから。
その中でも大きいのは、年金保険や健康保険といった公的保険制度の保険料(社会保険料)ではないでしょうか。
ダメ社会人は給料明細の額面と手取りとの差を見て「こんなにたくさん控除されて損」だなんて言いますが、それは間違い。
損どころか、社会保険料は天引き分に匹敵する金額を会社も負担してくれて、社員の生活や老後を支えてくれていたのです。
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それがなくなる自営業者にとっては、「収入なし」は「手取りマイナス」なのです。
会社員時代の「手取り」分をフリーランスとして稼ぎだせば良いと考えていたのであれば、アナタ、ピンチですよ!
ピンチな人にとっては、何よりもその日の暮らしをしのぐのが優先されるのではないでしょうか。
しかし、なんとか日々の生活が成り立ってきたら次に不安になるのが老後ですよね。
自営業者に定年退職はないとはいえ、バリバリ働いている現状でも生活が手一杯で貯金ができないなら、働けなくなったら年金に頼るしかありません。
とはいえ自営業者の国民年金は満額でも年額77万9,300円(平成30年4月から)で、これは月額にすると6万5,000円にも満たないのです。
なんとか必死で働いて5年間繰り下げ(受給額42%アップ)たとしても10万円に届かない。なんともはや不安ですよね。
老後の備えは超ハイリターンの付加年金から
今日紹介したいのは、その将来の年金受給額を増やし、しかも超ハイリターンな制度です。
きちんとした公的な制度ですので、怪しくないですよ。
それは国民年金の付加年金の制度。
概要
・ 国民年金受給時に「200円 × 多めに納めた月額」を受け取る(増えた分を「付加年金」と呼びます)。
これだけ。シンプルでしょう?
もちろん、増えた分の年金額も繰り上げ&繰り下げできます。
試算してみましょう
40歳から60歳までの20年間(480か月間)、付加保険料を納めたとします。
・ 付加年金の年額:200円 × 480か月 = 9万6,000円(月額8,000円)
おお! なんと、1年で付加保険料総支払額の半分が返ってくるではないですか。
ということは2年で完全に元がとれ、3年で1.5倍、4年で2倍、長生きして40年間年金を受け取るなら20倍にもお金が増える制度ということです。
なんという超ハイリターンではありませんか。
繰り返しますが、これきちんとした制度です。生きているなら確実に得られるんですよ。
余裕が出てきたら、国民年金基金かiDeCoを
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しかしこの超お得な付加年金制度にも泣き所があります。
それは、先ほど紹介した金額しか選べないということ。
得だからもっと付加保険料を支払う…というのは認められていないんですね。
やるかやらないか、やっても月額400円だけという制度です。
ということは、将来の受給の増額も月額8,000円ぽっちということ。
いくらお得だとしても、これじゃあ焼け石に水だと感じる方も多いのではないでしょうか。
自営業者の方がもっと将来の受給額を増やしたいのであれば、国民年金基金に加入するという手もあります。
こちらは会社員の厚生年金いわゆる「2階部分」に相当するものです。
リターンこそ付加保険のように高くなく常識的なものとなっていますが終身年金で安心ですし、月額掛金も最大で6万8,000円まで増やすことができます(終身年金ではないタイプを選ぶこともできます)。
ただし付加年金との併用ができない点には注意してください。
他にも、iDeCo(個人型確定拠出年金)という手段もあります。
こちらは付加年金と併用できるうえに月額掛金の最大は国民年金基金に匹敵するの6万7,000円なのですが(付加年金を使わずiDeCoだけなら6万8,000円)、運用が自己責任なのが怖いといえば怖いのでしょうか。
付加年金をステップに国民年金基金へ進むのを狙うか、付加年金 + iDeCoを狙うか。
何としても新しいお仕事を軌道に乗せて、将来に備えられるようになってくださいね。(執筆者:徳田 仁美)