介護保険サービスは、65歳以上の人または40歳以上で特定の疾患に該当する人が利用できるサービスです。
毎月介護保険料を支払っているのだから、利用するときは無料でと思っている人も中にはいるかもしれませんがそうはいきません。
そこで、介護保険の負担する料金って、どんどんと高くなってきていると聞くけどどれぐらいなのか、現状についてお知らせいたします。

目次
平成30年8月から介護保険の負担割合が3割の人の現状
医療保険でも自己負担額は所得に応じて1割~3割負担とありますよね。
介護保険のサービス利用料金も、その人の前年度の所得において1割負担~3割負担まで違いがあります。
介護サービスを行うためには介護スタッフへの給料などが発生するため、医療費と同じように費用がかかっています。
平成12年、介護保険サービスが始まった時には、負担割合は全員が1割負担で始まりました。
どんなお金持ちの方であっても1割の負担で介護保険のサービスが利用できていたのです。
しかし、現在に至るまでに介護保険を利用する人が急激に増え、増え方もうなぎ上り状態でパンク寸前に来ているという深刻な現状にあります。
利用者全員が1割負担で介護保険サービスを利用するという「介護保険=安い」という時代は昔の話になってしました。
少しずつ段階を踏み、2割負担を強いられる人が確保され、現在では3割負担を強いられる人まで出てきてしまいました。
所得があるから別にいいのではないかと言われますが、同じのサービスを利用していても3倍かかるとなればちょっと利用について躊躇してしまいます。
ちなみに、通所介護(デイサービス)週1回利用で、お食事なしの短時間の施設を1か月利用した場合、1割負担の人が約2,000円だったとしたら、3割負担の人は約6,000円かかるということです。
医療保険は、どうしても治療が必要であるため高くても支払いをしていますが、介護保険サービスは、1割の負担で済むし手伝ってもらえるなら、利用したいと思っている人も多いのが現状なのです。
介護保険料を長く納めていて利用しないのはもったいないと思ってしまいがちですが、現在の介護保険は必要がないのに利用するほど安くはないということです。
自身でできることが多いうちは無理に介護保険を使う必要はありません。
いざというときのために利用費用をとっておくことをおすすめします。

なぜ、見直しが必要だったのか?
これ以上、介護保険の先行きの見通しが立たないと、破たんとなり要介護者を家族が支える時代に逆戻りです。介護離職も増えます。
働き盛りの管理職は親の介護世代にもなります。
介護離職者により社会の経済もおそらく大変なこととなると予想されます。
このような事態を避けるには、介護保険の見直しと合わせて、必要な時に必要な分だけ介護サービスを使うという意識を高めていく必要があります。
3割負担になる人

65歳以上の人で、合計所得金額が220万円以上の人が対象です。
ただ、220万円以上であっても世帯の65歳以上の人の年金収入とその他の合計所得金額の合計が単身で340万円、2人以上で463万未満の人は、2割または1割になります。
前年度の所得で決まるため、前年度に土地や家、所有していたマンションを販売し大きな所得を獲た人は、3割負担になる可能性が高くなります。
また、介護保険料を滞納してしまうと、その滞納機関に応じて介護保険の利用が3割負担(既に3割負担の方は4割)でしか受けられないという恐れもあります。
介護保険被保険者証の裏面の注意事項14項にしっかり記載がありますので、心にとめておきましょう。
上手に利用していきましょう
介護保険サービスは、当初1割の自己負担で全員が利用できたため、手ごろな金額で支援を受けることができていました。
その為、近隣の人たちの口コミもあり、民間の事業を利用するより手軽なのかもと思われ、介護保険サービスを利用しなければ日常生活に支障がある人以外でも、多くの人が利用するようになってしまいました。
しかし、実際に3割負担に変わった利用者の中には、3割も払うぐらいなら利用しないという人もいます。
本当に介護が必要な方にとっては、介護サービスを利用しないことで生活に支障をきたしてしまったり、身体状態を悪化させるような状況になってしまう恐れもあります。
国民がお互いに介護の必要な人たちを支えるための保険です。
介護が必要な時に利用しやすい保険であるように、上手に利用していきたいものですね。(執筆者:佐々木 政子)