第五回目となる今回は、金融庁の告示(フィルター)を通過した、「つみたてニーサ」で買える投資信託について中身をさらに詳しく見てみたいと思います。
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目次
つみたてNISAで買える銘柄はどんなものがあるの?
取材時点でつみたてNISAで買える投資信託は164本ありますが、さすがに一本ずつ解説をしていると大変です。
読者の方にも、わかりにくくなってしまいます。
そこで今回は、筆者的に「ここがわかれば、とりあえず良いかな」というポイントに絞って解説させていただきます。
まず、164本を大きく分けると、次の2種類に分かれます。
(2) アクティブ型投資信託 (いわゆる市場の平均を超えることを目標とするタイプ)
前回の記事で記しましたが、結論としてはアクティブ型の平均こそが市場平均であるために、長期的に見ると市場平均こそが合理的である、ということでした。
つまり、長期で行うほどにコストの比較的高いアクティブ型群は、自身の平均である低コストなインデックス型を超えられなくなってしまうのです。
ちなみにアクティブ型は全体の164本中、18本です。
以上を鑑みまして本記事では以降、個人の資産形成において合理的であると考えられる(1)のインデックス型について解説をします。
単一指数のインデックス型投資信託には株式しかない
上記の理由で資産形成において重要だと考えられるのはインデックス型投資信託ですが、つみたてニーサで買えるインデックス型投資信託においては、さらに大きく2種類に分けられます。
・ 複数指数
何のことでしょうか?
初心者の方にもわかりやすく、ざっくりと見てみましょう。
まず単一指数から見てみます。
単一指数とは、国内・国外の国や地域などの単一の株式指数が対象の投資信託です。
おさらいですが、投資信託とは「入れ物」のようなものです。
その中にさまざまな金融商品を入れることができます。
そして指数とは、ここでは国や地域のそれぞれの市場の平均のようなものだとお考えいただければよいかと思います。
つまりこの単一指数型の投資信託とは、国内・国外の国や地域などそれぞれの特定の「株式の」平均に投資をする投資信託という形です。
「株式の」と書きましたように、単一指数では株式しかありません。債券や不動産がないのです。
なぜでしょうか?
筆者が考えますに「株式」での資産形成が、効率が良いと考えられるからだと思っています。
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複数指数はいわゆるバランス型のこと
では二つ目の複数指数とは何のことでしょうか。こちらは別名「バランス型」と呼ばれます。
先ほどの単一指数が「(国内外の)株式のみ」であったのに対して、バランス型は、国内外の株式・債券・不動産などの指数(平均のようなもの)にあらかじめ分散投資をしているものです。
単一指数の中身について
先ほど少し触れましたが、筆者は単一指数の投資信託の方が、資産形成においては「効率が良い」と考えています。
効率に関しては次回以降詳しく解説していきますが、さっくりと解説をしますと、「効率が良い」とは、同じ利益額を得るのに、計算上少ない元本で良かったり、短い運用期間で済む可能性がある状態をここでは差しています。
繰り返しですが、前述のバランス型は、株式以外の資産が入っているので、効率が悪い可能性がある、ということです。
本記事では効率が良いと考えられる、単一指数(株式)の中身について見てみましょう。
ちなみに単一指数の場合、中身の指数が同じなら、商品名が異なっていても同じような値動きをすると考えられます。
ただ、コスト分だけ運用成績がマイナスに押し下げられますので、中身が同じなら信託報酬と呼ばれるコストの低い方がより効率が良いと考えられます。
単一指数には、次のようなものがあります。
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このような感じです。
「よく分からない」のではないでしょうか。
もしそうなら、自然な感想だと思います。
上の図表をよく見ると、もっとシンプルなことに気がつきます。
そう、おおまかな区分が5種類しかないのです。
2. 全世界株式
3. 先進国株式
4. 米国株式
5. 新興国株式
この5つです。
単一指数の中身を大きく分けると、5種類しかないのです。
ちなみに3の先進国株式の半分以上は米国株式が入っていることが一般的です。
2の全世界株式は、国内株・米国株・それ以外の先進国株・新興国株式が入っていることを指すことが一般的です。
次回以降は「効率が良い・悪い」を軸に考察していきます
・ つみたてニーサのインデックス型投資信託には単一指数と複数指数(バランス型)がある
・ 指数とは市場の平均のようなもの
・ 同様の指数の投資信託なら、名前が違っても同じように値動きが推移すると考えられる。ただ、コスト分だけ運用成績はマイナスに押し下げられる。コストが低い方が「マシ」。
・ いろいろあって迷いそうになるが、単一指数は大きく分けると5種類(厳密には指数名・商品名・コストが異なる)
それでは、次は、何を選んで、どのように組み合わせを考えたら良いのでしょうか。
次回以降、「効率が良い・悪い」を軸に考察してみたいと思います。
本記事が読者の皆様の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。(執筆者:佐々木 裕平)
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